今どこ行く?|名古屋タクシー攻略アプリ
名古屋交通圏・実務メモ 11

中部国際空港(セントレア)へ——
ロング客と「帰りの回送」の考え方

セントレアまでのロングは営収がまとまりやすい魅力的な仕事だ。ただし「行きは実車、帰りは空車」になりやすいという現実もある。この記事は、名古屋交通圏の現役乗務員が、セントレア利用の考え方を実務目線で整理するものだ。

セントレアまでの距離感

中部国際空港(セントレア)は愛知県常滑市にあり、名古屋市内からは高速道路を使うのが一般的なルートになる。距離があるぶん営収はまとまりやすいが、所要時間は出発地と当日の交通状況で大きく変わるため、断定的な目安を示すのは難しい。事業者によっては区域ごとの空港定額運賃プランを用意している場合もあるので、自分の所属先にその制度があるかどうかを事前に把握しておくと、お客様への案内がスムーズになる。

高速道路のインターチェンジ付近は時間帯によって流れが大きく変わるため、乗車前に渋滞情報を一度確認しておくと、お客様に到着見込みを伝えるときの精度が上がる。フライトの出発時刻に間に合わせたいお客様も多いので、余裕を持った見込みを伝える姿勢は信頼にもつながる。

空港構内での営業は、地元事業者が担っている

知っておきたいのは、セントレア構内のタクシー乗り場での営業は、空港が所在する知多地域を拠点とする事業者で構成される「中部国際空港構内タクシー営業会」が担っているという構造だ。名古屋市内を拠点とする事業者が客を送り届けたあと、そのまま構内の乗り場に並んで新しい客を拾う、という営業は一般的ではない。これが「セントレアは実入りが良いのに敬遠されがち」と言われる理由の一つになっている。

「行きは実車、帰りは回送」を前提に考える

セントレアへ向かう区間は実車でも、空港から戻る区間は基本的に回送(空車)になる——この前提で収支を考えておくと、現地で焦らずに済む。対策としては、配車アプリの事前予約に応じられる態勢を整えておく、常滑・半田方面など帰路にあたるエリアの需要も頭の片隅に置いておく、といった備えがある。行き帰りをワンセットで見た実質の効率で判断する癖をつけておきたい。

日報にセントレア便を記録するときも、行きの運賃だけでなく帰りの回送時間まで含めた実働時間で振り返るようにしている。ワンセットで見返すと、次に似た依頼が入ったときに引き受けるかどうかの判断材料になる。

定額運賃という選択肢も確認しておく

名古屋市内の各区域からセントレアまでの定額運賃プランを設けている事業者もある。金額や対象エリアは事業者ごとに異なるため、ここでは具体的な数字には触れないが、自分の所属先が定額プランを持っているかどうかは、乗務前に一度確認しておく価値がある。お客様から「メーターと定額、どちらが得か」と聞かれたときに即答できるかどうかは、信頼にも関わってくる。

金山からミュースカイという比較対象も知っておく

お客様の中には「電車の方が早いのでは」と迷う人もいる。参考値として、金山駅の記事でも触れたとおり、名鉄のミュースカイを使えば金山駅から中部国際空港駅まで約24分だ。タクシーとの所要時間・料金を比較する材料として、こうした電車側の相場観も持っておくと、お客様への説明に説得力が増す。

読みを道具に任せるという選択肢

セントレアへのロングは、フライトスケジュールという自分の力ではコントロールできない要素に左右される。ただし、空港へ送り届けたあと名古屋市内へ戻ってくる道中は、いつもの名古屋交通圏の話になる。俺が作っている「今どこ行く?」は、その戻り道での狙い目を地図に表示できるようにしている。ロング一本で終わらせず、戻りの時間帯もきちんと拾う——そういう使い方を想定している。

セントレア利用・判断ポイント
構内営業
知多地域の事業者による営業会が中心。新規の客待ちは限られる
高速利用
時間短縮になるが、渋滞時は読みにくい
定額プラン
設定は事業者による。所属先の制度を事前確認。
帰り
回送前提で収支を考える。事前予約・帰路需要を備えに。

※ 事業者ごとの制度・運賃プランの詳細は所属先にご確認ください。空港構内の営業体制は変更される場合があります。

戻り道の狙い目も、地図で確認できます

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西原|名古屋交通圏の現役タクシー乗務員。頭の中の「夜の名古屋の地図」を、アプリ「今どこ行く?」に移植中。バグ報告は休憩所で缶コーヒーと共に受け付けています。