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ウォーターサーバーのお湯と冷水の仕組み。電気代の決まり方と、やけど86例の研究

ウォーターサーバーのお湯と冷水の仕組み。電気代の決まり方と、やけど86例の研究
2026-10-20 公開・2026-10-21 更新

この記事の要点

  • ウォーターサーバーの仕組みは、お湯を作る部分(電気湯沸器)と冷水を作る部分(電気冷水機)を1台にまとめた「複合電気用品」です。業界の測り方では、お湯75℃以上・冷水10℃以下を出せる状態を前提にしています。
  • 各社が示す電気代の「月◯円」は、業界の基準では30日続けて動かしたときの電力量に27円/kWhを掛けて出します。令和4年に改定された目安単価31円/kWhで計算し直すと、1804の計算例(37.5kWh/月)は1,012.5円から1,162.5円になります。
  • 論文と調査を並べると、ウォーターサーバーのやけど86例は2歳未満が84%(年齢の中央値14.5か月)で、東京都がロックの解除を試した2〜5歳より下の年齢が中心だったのは、調べて分かった意外な点です。
  • 2016〜2020年に家の中で起きた子どものやけど事故30件のうち、11件がウォーターサーバーでした。沖縄の1つの病院の86例では、2歳未満が84%を占めていました(篠原ほか 2026年・観察研究)。
この記事の目次(9)
  1. 結論:お湯と冷水は別の部分で作り、電気代は計算の単価で変わる
  2. 仕組み:お湯の部分と冷水の部分、業界の測り方の前提
  3. データ:やけどの事故と、浄水器形の広がり
  4. 研究:やけどの86例と、給水器の水の質
  5. 電気代を27円と31円で計算し直した表と、仕組み・やけどの整理
  6. 自分の額で計算する表
  7. よくある質問
  8. 次に読む
  9. 出典

この家に何年住むかと解約金を並べた浄水型ウォーターサーバーの記事: ピュアライフSの5年プランと解約金を1枚に並べた表

結論:お湯と冷水は別の部分で作り、電気代は計算の単価で変わる

ウォーターサーバーは、お湯を作る部分と冷水を作る部分を1台にまとめた機械です。法令では、お湯の部分は「電気湯沸器」、冷水の部分は「電気冷水機」にあたります。業界団体の日本宅配水&サーバー協会(JDSA)は、これを「複合電気用品」と呼んでいます。

JDSAの消費電力測定基準(1804)は、お湯75℃以上・冷水10℃以下を出し続ける前提で、30日分の電力量を出す決まりです。そこに掛ける単価は27円/kWhです。今の目安単価31円/kWhで計算すると、電気代は約14.8%高くなります。

お湯の部分はいつも熱いため、子どものやけど事故が記録されています。

仕組み:お湯の部分と冷水の部分、業界の測り方の前提

お湯の部分は「電気湯沸器」、冷水の部分は「電気冷水機」

電気用品安全法は、電気で動く製品の安全の決まりを定めた法律です。施行令の別表第二には「電気湯沸器」と「電気冷水機(定格消費電力が500ワット以下の冷却装置を有するものに限る)」が並んでいます。定格消費電力とは、その機械が決められた条件で使う電力の大きさのことです。

JDSAは、ウォーターサーバーを「温水を作る機能の部分と、冷水を作る機能の部分の2つから成る複合電気用品」と説明しています。温水の部分は電熱器具(電気湯沸器)、冷水の部分は電動力応用機械器具(電気冷水機)です。つまり、温める仕組みと冷やす仕組みが1つの箱に入っている形です。

業界の測り方は「お湯75℃以上・冷水10℃以下を出し続ける」前提

JDSAの消費電力測定基準(1804)は、2018年4月に初版、2021年11月に第2版が出た業界の決まりです。対象は「温水温度75℃以上、冷水温度10℃以下を注水できるウォーターサーバー」で、定格消費電力1500W以下の機種です。

測る電力量は、いつでも決められた温度の水を出せる状態で「30日間連続で運転したときに相当する消費電力量」です。部屋の温度は23±3℃と決めています。kWh(キロワット時)は電力量の単位で、1kWの電力を1時間使った量を表します。

1804は、水道につなぐ形(水道直結式)と水道水をくみ上げる形(水道水汲み上げ式)を対象外にしています。水道水を使う形の電気代は、同じ基準で比べた数字とは限りません。

データ:やけどの事故と、浄水器形の広がり

家の中の子どものやけど事故30件のうち11件

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は、製品の事故を調べる機関です。2016〜2020年に家の中で起きた子どものやけど事故は30件で、そのうちウォーターサーバーは11件(重傷4件・軽傷7件)でした。割合にすると約36.7%です(11÷30で計算)。

NITEは重傷を「後遺症の残るもの、又は一カ月以上の治療を要するもの」としています。事故の例には、幼児が背面の放熱フィンのすき間から指を入れ、温水タンクの表面に触れてやけどをしたと推定されるものがあります。放熱フィンとは、熱を外へ逃がすために薄い板を並べた部分です。

3歳の子が5機種中4機種のロックを解除した調査

東京都は2013年(平成25年3月19日発表)に、ウォーターサーバーの安全性を調べました。調べたきっかけは、幼児が温水口に触れてやけどをした、背面の金網で指を切った、などの事例が21件あったことです。

2〜5歳の幼児8人が5機種のチャイルドロックを試したところ、3歳の子が5機種中4機種で解除できました。テストを始めて5秒以内に解除できた機種もありました。背面の金網のすき間から100度以上になるヒーターに手が触れてしまう機種も1つありました。この調査は2013年のもので、今の機種にそのまま当てはまるとは限りません。

水道水を使う「浄水器形」が増えている(業界団体の統計)

JDSAの統計では、浄水器形の顧客数は2023年72万台、2024年102万台、2025年126万台でした。2025年の総計595万台のうち、浄水器形は約21.2%です(126÷595で計算)。これは業界団体の統計で、国などがまとめた公的な統計ではありません。

JDSAの業界統計で、浄水器形の顧客数が2023年72万台、2024年102万台、2025年126万台と増え、2025年の総計595万台の約21.2%だったことを示す図
浄水器形の顧客数(万台)

研究:やけどの86例と、給水器の水の質

子どものやけど86例は、2歳未満が84%だった

篠原ほか(2026年)が、沖縄県の1つの病院の救急外来を2020年1月〜2025年5月に受診した、ウォーターサーバーによる子どものやけど86例を調べた研究では、2歳未満が84%を占めていました。けがをしたときの年齢の中央値は14.5か月でした。この研究は観察研究で、診療記録を後から見直して、多かった特徴を数えたものです。

入院したのは3例で、そのうち2例は小児集中治療室で治療を受けました。後遺症として、傷あとや色素沈着が10例(12%)に残りましたが、手術などの外科的治療が必要な例はありませんでした。著者は、事故の背景には、子どもの発達段階への養育者の認識不足や、安全な環境が整っていないことが関わる可能性が高い、と考察しています。

限界もあります。病院は1つで、地域は沖縄だけです。受診した例しか数えていないため軽いやけどは入っていない可能性があり、要旨には、普及率と事故の関係を調べた記述はありません。

医療施設の給水器では、どの検体でも細菌の数が水道水より多かった

Tischnerほか(2021年)が、ハンガリー・ブダペストの医療施設(病院・薬局・歯科)にある、ボトルを差す形の給水器を調べた研究では、どの検体でも一般的な細菌の数がハンガリーの水道水より多くなっていました(Tischnerほか 2021年 Pathogens)。著者は、ボトルの水の中で微生物が増え、給水器の中に広がりうると書いています。本文の結果の章では、水温が高いほどカビの数が少ないという関係がありました(相関係数R=−0.32)。

これは観察・相関の研究で、水温がカビを減らしたという因果までは言えません。対象は家庭用ではなく医療施設の給水器です。台数は要旨で36台、方法の章で37台と書かれ、採取は2018年の春と夏だけで、カビの培養は5日でした。

大学の給水器5台では、冷水は元の水と同じだった

Tarniniほか(2026年)が、アラブ首長国連邦の大学構内の給水器5台から、お湯の口・冷水の口・元のボトルの水を合わせて15検体集めて比べた研究では、お湯の口の水で微粒子の濃度に好ましくない変化(原文は negative effect)が見られました。冷水は増えておらず、元の水と同じでした(Tarniniほか JSDEWES 14(4))。大腸菌は出ませんでした。

著者は、冷水の口か元のボトルの水を使うことをすすめています。ただ、この研究は、人の健康への影響は調べていません。測ったのは微粒子・濁り・pH・大腸菌だけで、台数は5台、場所は1か所です。

2つの研究の結果は一致しない

Tischnerほか(2021年)では細菌の数がどの検体でも水道水より多く、Tarniniほか(2026年)では大腸菌は出ず、冷水は元の水と同じでした。研究ごとに国・場所・機種・測ったものが違います。この2本から「タンクの中では菌が増える」とも「増えない」とも言い切ることはできません。

電気代を27円と31円で計算し直した表と、仕組み・やけどの整理

表A:同じ電力量を2つの単価で計算した電気代

表の前提(読む人の条件): お湯75℃以上・冷水10℃以下をいつでも出せる状態で、室温23±3℃の部屋に置き、30日続けて動かす場合。電力量は1804の計算例の「1.25kWh/日 × 30日 = 37.5kWh/月」を使います。これは基準に載った計算例で、実在の機種を測った数字ではありません。

計算に使う単価 単価の出どころ 式 1か月の電気代
27円/kWh(税込) JDSA 1804が採用(家電公取協 平成26年4月28日発行の単価) 37.5kWh × 27円 1,012.5円
31円/kWh(税込) 家電公取協の目安単価(令和4年7月22日改定) 37.5kWh × 31円 1,162.5円
差 — 1,162.5円 − 1,012.5円 150円(31÷27≒1.148、約14.8%高い)

1804は、おおよその数字で表示するときは、端数や一の位を切り上げるよう定めています。そのため計算例では、1,012.5円を「1,013円または1,020円」と示しています。各社の「月◯円」を見るときは、どの基準で、何円/kWhで計算した数字なのかを確かめると比べやすくなります。

1804の計算例37.5kWh/月(実機の測定値ではない)を、27円/kWhで計算すると1,012.5円、31円/kWhで計算すると1,162.5円になり、差は150円(約14.8%)であることを比べた図
単価で変わる電気代

実際の電気代は、機種、部屋の温度、置き場所によって変わります。1804の前提は室温23±3℃なので、夏や冬で部屋の温度が大きく違う家では、示された数字と差が出ることがあります。

表B:仕組みと法令の対応

部分 業界の測り方の前提 法令・業界での位置づけ 出典
お湯の部分 75℃以上で出す 電気湯沸器(電熱器具) 施行令 別表第二・JDSA
冷水の部分 10℃以下で出す 電気冷水機(定格消費電力500W以下の冷却装置を持つもの) 施行令 別表第二・JDSA
1台全体 30日連続運転・室温23±3℃・定格消費電力1500W以下 複合電気用品 JDSA・JDSA 1804
水道直結式・水道水汲み上げ式 1804の対象外 — JDSA 1804

表C:やけどの数字3つ

出典 対象 数字
NITE 2016〜2020年、家の中の子どものやけど事故 30件中11件がウォーターサーバー(重傷4・軽傷7)
東京都生活文化局(2013年) 2〜5歳の幼児8人 × 5機種 3歳の子が5機種中4機種のロックを解除。5秒以内に解除できた機種もあった
篠原ほか(2026年) 沖縄の1病院、2020年1月〜2025年5月の86例 2歳未満が84%、入院3例
NITEの子どものやけど事故30件中11件、篠原ほか2026年の86例のうち2歳未満84%、東京都2013年の調査で3歳の子が5機種中4機種のロックを解除したことを並べた図
ウォーターサーバーのやけどの数字

申し込む前に確かめる手順

JDSAは、ウォーターサーバーから「常時高温の温水が出ることから乳幼児の火傷事故が発生しております」としています。そのため2016年4月に、乳幼児のやけどを防ぐための製品安全基準と、適合マークの制度を定めました。上の数字をもとにすると、申し込む前には次の点を確かめられます。

背面のすき間、ロックの方式、JDSA適合マーク、電気代の単価、室温と置き場所という、申し込む前に確かめる5つの点を並べた図
申し込む前に確かめること

自分の額で計算する表

使い方: 自分の機種の電力量と電気の単価を右の欄に入れて、上から順に確かめます。

確かめる項目 式 記事の計算例 自分の数字
1日の電力量(kWh/日) 各社が示す数字を写す 1.25kWh/日  
1か月の電力量(kWh/月) 1日の電力量 × 30日 1.25 × 30 = 37.5kWh  
各社の「月◯円」に使われた単価(円/kWh) 示された単価を写す 27円/kWh(税込)  
各社の単価で計算した1か月の額 1か月の電力量 × 各社の単価 37.5 × 27 = 1,012.5円  
自分の単価で計算した1か月の額 1か月の電力量 × 自分の単価 37.5 × 31 = 1,162.5円  
差 自分の単価の額 − 各社の単価の額 1,162.5 − 1,012.5 = 150円  

式: 1か月の電気代 = 1日の電力量(kWh/日) × 30日 × 単価(円/kWh)

例: 1.25kWh/日なら 1.25 × 30 = 37.5kWh で、27円/kWhなら 37.5 × 27 = 1,012.5円、31円/kWhなら 37.5 × 31 = 1,162.5円になり、差は 150円です。

この計算は、お湯75℃以上・冷水10℃以下を出せる状態で、室温23±3℃の部屋に置き、30日続けて動かす前提の数字です。

よくある質問

ウォーターサーバーの電気代は1か月いくらですか

1804の計算例では、37.5kWh/月 × 27円 = 1,012.5円です。今の目安単価31円で計算すると1,162.5円になります。実際の額は、機種・室温・置き場所によって変わります。

チャイルドロックがあれば足りますか

東京都の2013年の調査では、3歳の子が5機種中4機種のロックを解除しました。NITEには、背面の放熱フィンのすき間から指を入れて温水タンクに触れたと推定される例があります。ロックに加えて、背面のすき間や置き場所も確かめる必要があります。

お湯と冷水で衛生に差はありますか

大学の給水器5台を調べた研究では、お湯の口の水で微粒子に好ましくない変化が見られ、冷水は元の水と同じでした。医療施設の給水器の研究では、水温が高いほどカビが少ない関係がありました。どちらも場所や機種、測ったものが限られているため、家庭用の機種にそのまま当てはめることはできません。

水道水を入れる形とは何が違いますか

水道直結式と水道水汲み上げ式は、JDSAの消費電力測定基準1804の対象外です。そのため、電気代の「月◯円」が同じ基準で出された数字とは限りません。JDSAの業界統計では、浄水器形の顧客数は2023年の72万台から2025年の126万台に増えています。

日本宅配水&サーバー協会は何をしている団体ですか

消費電力の測り方を決めた基準(1804)を作っています。2016年4月には、乳幼児のやけどを防ぐ製品安全基準と適合マークの制度を定めました。顧客数や市場規模などの業界統計も出しています。

次に読む

このサイトで次に調べる候補: ウォーターサーバー 水 賞味期限切れ(届いた水の賞味期限が過ぎたときの扱いを知りたい人向け)

出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

  1. 篠原 嶺、荒木 孝太郎、垣田 一歩、林 櫻、松岡 孝(2026)「小児におけるウォーターサーバー関連熱傷86例の臨床的特徴の検討」『熱傷』52巻1号. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jburn/52/1/52_1/_article/-char/ja
  2. Tischner Z, Sebők R, Kredics L, Allaga H, Vargha M, Sebestyén Á, Dobolyi C, Kriszt B, Magyar D(2021)「Mycological Investigation of Bottled Water Dispensers in Healthcare Facilities」Pathogens 10(7):871. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8308914
  3. Tarnini AB, Said M, Mortula M(2026)「Contamination Assessment of Microparticles and Water Quality Parameters in Hot and Cold Dispenser Water」Journal of Sustainable Development of Energy, Water and Environment Systems 14(4). https://www.sdewes.org/jsdewes/pid14.0736
  4. 独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)『子どもに忍び寄る危険 ~やけどを引き起こす様々な要因~』2021年7月29日. https://www.nite.go.jp/data/000127456.pdf
  5. 東京都生活文化局『商品テスト結果「ウォーターサーバーの安全性」』2013年. https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/anzen/test/documents/waterserver_press.pdf
  6. 電気用品安全法施行令 別表第二. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/337CO0000000324
  7. 日本宅配水&サーバー協会「ウォーターサーバーの電気用品安全法上の位置付け」. https://jdsa-net.org/wp/wp-content/themes/jdsa/pdf/safetylaw_2506.pdf
  8. 日本宅配水&サーバー協会「消費電力測定基準(1804)」. https://jdsa-net.org/wp/wp-content/themes/jdsa/pdf/20211015_2.pdf
  9. 全国家庭電気製品公正取引協議会「Q&A」. https://www.eftc.or.jp/qa/
  10. 日本宅配水&サーバー協会「乳幼児の火傷事故防止対策(JDSA適合マーク制度)」. https://jdsa-net.org/information/water-server/child-safety/
  11. 日本宅配水&サーバー協会「宅配水業界統計」. https://jdsa-net.org/data/statistics/

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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