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リスキリング補助金の条件、一般教育訓練の給付は上限10万円でも1人平均4.1万円

リスキリング補助金の条件、一般教育訓練の給付は上限10万円でも1人平均4.1万円
2026-10-20 公開・2026-10-21 更新

この記事の要点

  • リスキリングの補助金は、国の制度だと3つあり、条件も申請する人も違います。教育訓練給付は本人がハローワークへ申請し、人材開発支援助成金は会社が申請し、経済産業省の事業の補助は事業者に払われます。
  • 教育訓練給付の給付率は、一般20%(上限10万円)・特定一般 最大50%・専門実践 最大80%です。雇用保険に入っていた期間は、初めて受け取る人なら1年以上(専門実践は2年以上)で足ります。ほかに、国が指定した講座を修了することが条件です。ただし、受講開始日の前日から3年以内に受け取ったことがあると出ません。
  • 公式の表で並べると、一般教育訓練の給付は上限10万円なのに、令和7年度の受給者1人あたりの支給額は計算で約4.1万円(2,877,374千円 ÷ 70,510人 ≒ 40.8千円、受給者数は速報値)しかなく、上限の半分にも届かないのは、調べて分かった意外な点です。
  • 経済産業省の事業は、在職中で転職を目指す人が対象です。補助は事業者に払われ、受講費用(税別)の1/2(上限40万円)です。事務局の原文で「追加的に」とされる1/5(上限16万円)もあります。追加の1/5は、受講後に事務局が定める転職(この事業の職業紹介による転職など)をして、転職先で1年間続けて働いたことが確かめられた場合に付きます。本人の負担がいくら軽くなるかは事業者ごとに違います。個人への支援の終わりは、令和8年度末まで延びました。
この記事の目次(9)
  1. 結論:申請する人で分けると、使える制度は3つ
  2. 仕組みと言葉の意味:指定講座・加入期間・補助の払い先
  3. データで見る:学び直しの実際と給付の実績
  4. 研究で分かっていること:賃金との関係は結果が分かれる
  5. 受講費用ごとに戻る額:3つの制度を1枚に並べた計算表
  6. 自分の額で計算する表
  7. よくある質問
  8. 次に読む
  9. 出典

申し込む前に、仕事帰りに通い続けられるかを試す記事: 仕事帰りに校舎へ通えるか、説明会を「来校」で受けて通う道のりを試すための表

結論:申請する人で分けると、使える制度は3つ

自分で申請するなら、教育訓練給付です。受けたい講座が国の指定を受けていて、雇用保険に入っていた期間が足りていれば使えます。

転職を目指しているなら、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」もあります。ただ、補助が払われる先は事業者です。本人の負担がいくら軽くなるかは、事業者ごとに違います。

会社の研修として受けるなら、人材開発支援助成金です。この助成金は会社が申請します。

仕組みと言葉の意味:指定講座・加入期間・補助の払い先

教育訓練給付の3つの類型

教育訓練給付は、雇用保険から出るお金です。講座を修了すると、受講費用の一部が本人に戻ります。ハローワークは3つの類型を、次のように定めています。

  • 「専門実践教育訓練:特に労働者の中長期的なキャリア形成に資する教育訓練(最大給付率80%)」
  • 「特定一般教育訓練:特に労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練(最大給付率50%)」
  • 「一般教育訓練:その他の雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練(給付率20%)」

一般の支給額には上限と下限があります。「その額が10万円を超える場合は10万円、4千円を超えない場合は支給されません」(ハローワーク「教育訓練給付金」)。専門実践は「給付は最大3年間受けることができ、その場合の上限は192万円」です。

「指定する教育訓練」の意味

給付の対象は、厚生労働大臣が指定した講座だけです。法律には「厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合」に出すと書かれています。同じスクールでも、講座ごとに指定を受けているかが違います。

雇用保険に入っていた期間

法律の本文では、条件は「支給要件期間が三年以上であるとき」です。支給要件期間は、雇用保険に入っていた期間のことです。

一方、ハローワークの案内には「初めて教育訓練給付を受給しようとする方については、雇用保険に加入していた期間が1年以上あれば受給可能となります」とあります。専門実践は「2年以上」です。

経済産業省の事業

事務局の個人向けページには、「本補助事業の直接的な補助対象は個人の方ではありません」と書かれています。補助は、講座を出す事業者に払われる形です。

対象になる人の条件は、登録時と初回面談時の2つの時点で決まります。「サービスへの登録時とキャリア相談対応における初回面談時に在職者であり、雇用主の変更を伴う転職を目指している方が対象」です。今の会社に勤めたまま、別の会社への転職を目指す人ということです。

補助の額は、講座の受講費用(税別)の1/2(上限40万円)です。受講後に事務局が定める転職をして、転職先で1年間続けて働いたことが確かめられた場合は、追加で1/5(上限16万円)が付きます。ここでの「転職」は、「①補助事業で実施された職業紹介による転職、又は②転職支援を実施する職業紹介事業者が自社で雇用する転職により、新たな雇用契約を締結したこと」を指します。

人材開発支援助成金

この助成金は、会社が社員に訓練を受けさせたときに、会社へ出るお金です。事業展開等リスキリング支援コースは「令和4年~8年度の期間限定の助成金として創設」されました。経費の助成率は、中小企業75%・大企業60%です。

データで見る:学び直しの実際と給付の実績

自己啓発をした労働者は36.8%でした。正社員は45.3%、正社員以外は15.8%です。個人調査の対象は21,334人で、有効回答率は42.2%でした。

自己啓発に問題があると答えた人は、全体の79.2%でした。次の割合は、問題があるとした人の中での内訳(複数回答)です。

  • 「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」:正社員55.9%・正社員以外35.3%
  • 「家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない」:正社員26.3%・正社員以外33.3%
  • 「費用がかかりすぎる」:正社員25.7%・正社員以外26.8%

会社から受けたい支援がある人の中で、「受講料などの金銭的援助」は正社員・正社員以外ともに69.2%でした。一方、費用を出した企業の平均で、自己啓発の支援に出した費用は労働者1人あたり0.4万円です(同、令和5年度の実績)。

教育訓練給付の実績も見てみます。講座数は令和8年10月時点、受給者数は令和7年度実績(速報値)です。1人あたりの支給額は、支給金額を受給者数で割った計算です。

  • 一般 計算:2,877,374千円 ÷ 70,510人 ≒ 40.8千円(約4.1万円)
  • 特定一般 計算:469,715千円 ÷ 7,941人 ≒ 59.2千円
  • 専門実践 計算:14,527,252千円 ÷ 延べ100,384人 ≒ 144.7千円(延べ1件あたり)
厚生労働省の資料の表〔一般教育訓練給付金・年度別〕の切り抜き。令和7年度の受給者数70,510人と支給金額2,877,374千円を赤い枠で囲んでいます。
出典: 厚生労働省『教育訓練給付等について』(雇用保険部会 第213回 資料1)(2026-10-21 撮影)
一般・特定一般・専門実践の講座数、受給者数、計算した1人あたりの支給額を並べた表です。
教育訓練給付の3類型の実績

研究で分かっていること:賃金との関係は結果が分かれる

阿部ほか(2004年)が、教育訓練給付金の利用についてのアンケートと、人材紹介会社1社のデータを調べた研究があります。この研究では、給付の対象の訓練と所得の関係は「捉えることは出来なかった」と書かれています。IT関連の業種では、資格を持つことと転職の内定に関係がありました。2004年3月に公表された研究で、使ったデータは2002年7月の調査です。当時は雇用保険に入っていた期間が5年以上の人が対象で、条件も給付率も今とは違います。

児玉ほか(2018年)は、慶應義塾家計パネル調査の2004〜2015年分を使い、20〜80歳の男女の雇用者を調べました。個人の違いをならした推計で、自己啓発と賃金率の7%程度の上昇に関係がありました。給付金は、賃金の面でリターンの高い講座を選ぶことと関係がありました。ただ、訓練を自分で選んだ人どうしを比べた研究で、2024年10月の改正後の給付率は含みません。

吉田(2004年)は、家計経済研究所「消費生活に関するパネル調査」の女性を調べました。自己啓発をしても月収は変わりませんでしたが、通学講座や通信講座を受けた人では、その後の年収の上昇と関係がありました。カルチャースクールの受講では、この関係は見られませんでした。対象は女性だけです。

この論文は、Kawaguchiの研究も紹介しています。そこでは、通学講座や通信講座が時給の変化に影響しないと結論づけられています。吉田(2004年)自身も、自己啓発と賃金の関係は「結論が一致していない」と書いています。

厚生労働省は、給付を受けた人にアンケートをとりました。受講を始めたときに働いていた人で、受講後に賃金が増えた人は、専門実践51.7%・特定一般35.3%・一般31.5%でした。この数字は、受給者が自分で答えたもので、回収率は7.6〜12.2%です。受けなかった人との比較は無く、賃金には資格手当なども含みます。一般教育訓練で、受講を始めたときに働いておらず(学生を含む)、受講後に再就職した人では、賃金が増えた26.5%、減った37.5%でした。

3本の論文はどれも観察研究です。観察研究は、学んだ人と学ばなかった人を後から比べる方法で、原因と結果までは分かりません。そのため、「補助金を使って学べば賃金が上がる」とは言えません。

受講費用ごとに戻る額:3つの制度を1枚に並べた計算表

国の制度を、受講費用30万円・50万円・80万円のときで並べました。率と上限はハローワークと事業の事務局の原文から取り、額は計算です。

この表の条件 - 受講費用は税別で考えます(経済産業省の事業は「税別」と定めています)。 - 特定一般・専門実践は「最大」の率で計算しています。最大の率になるには、資格を取る・就職するなどの条件があります。 - 専門実践は1年分です。上限は、3年で192万円 ÷ 3 = 1年64万円として計算しました。 - 経済産業省の事業の額は、事業者に払われる額です。本人の負担が軽くなる額ではありません。

計算の式 - 一般(20%・上限10万円):30万円 × 20% = 6万円/50万円 × 20% = 10万円/80万円 × 20% = 16万円 → 上限の10万円 - 特定一般(最大50%):30万円 × 50% = 15万円。50万円・80万円は上限があるので、額はハローワークで確かめます。 - 専門実践(最大80%):30万円 × 80% = 24万円/50万円 × 80% = 40万円/80万円 × 80% = 64万円(1年の上限64万円と同じ) - 経済産業省の事業(1/2+1/5):30万円 → 15万円+6万円 = 21万円/50万円 → 25万円+10万円 = 35万円/80万円 → 40万円+16万円 = 56万円

一般は、受講費用が2万円以下だと出ません。計算:4,000円 ÷ 20% = 2万円です。

受講費用30万・50万・80万円のときに、一般・特定一般・専門実践・経済産業省の事業で戻る額を計算した表です。
受講費用ごとに戻る額(計算)

経済産業省の事業の1/5は、事務局の原文で「追加的に」と書かれている分です。追加の1/5は、事務局が定める転職(この事業の職業紹介による転職など)をして、転職先で1年間続けて働いた場合に付きます。

本人の負担がいくら軽くなるかは事業者に確かめてください。どの制度も、表の額は戻る額の上限の目安です。

補助金を使う前に確かめる5つの点を並べたチェックリストです。
申し込む前に確かめる点

自分の額で計算する表

使い方: 自分の受講費用(税別)を右の欄に入れて、上から順に確かめます。

確かめる点 式 自分の数字
受講費用(税別) 講座の案内で確かめる  
一般(20%・上限10万円) 受講費用 × 20%(10万円を超えたら10万円・受講費用2万円以下なら出ない)  
特定一般(最大50%) 受講費用 × 50%(上限はハローワークで確かめる)  
専門実践(最大80%・1年分) 受講費用 × 80%(1年64万円を超えたら64万円)  
経済産業省の事業(事業者に払われる額) 受講費用 × 1/2(上限40万円)+ 受講費用 × 1/5(上限16万円)  

式: 一般の額 = 受講費用 × 20%(10万円を超えたら10万円)

例: 受講費用80万円なら、一般は80万円 × 20% = 16万円で、10万円を超えるので上限の10万円です。

よくある質問

リスキリングの補助金はいつまで使えますか

経済産業省の事業は、個人への支援の終わりを令和6年度末から令和8年度末まで延ばしました。受講や転職の期限は、講座を出す事業者に確かめてください。人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースは、令和4〜8年度の期間限定です。

個人で申請できるのはどれですか

個人が自分で申請するのは、教育訓練給付です。専門実践と特定一般は、受講の前に手続きがあります。「「ジョブ・カード」の交付を受け、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格確認の手続きを行う必要があります」(ハローワーク「教育訓練給付金」)。ジョブ・カードは、就業の目標や職業能力の開発・向上についてまとめた書類です。

ジョブ・カードの受け取りから支給の申請までの5つの手順です。
専門実践・特定一般の手続き

経済産業省の事業は、本人が国に申請するのではなく、事業者のサービスに登録する形です。

対象の講座はどう探しますか。どの講座でも出ますか

教育訓練給付は、厚生労働大臣が指定した講座だけが対象です。指定の講座は、合わせて17,157講座あります。計算:12,140+1,532+3,485 = 17,157講座。英語や日本語教師などの講座も、分野で決まるのではなく、その講座が指定を受けているかで決まります。

教育訓練給付と経済産業省の事業は一緒に使えますか

事業者向けのFAQ(No.148)には、「国が支出する趣旨を同じくする他の制度との併用はできません」とあります。FAQ No.148 は教育訓練給付金との併用を問う質問に、併用はできないと答えています。

公務員は使えますか

雇用保険法には、雇用保険の対象から外れる人の規定があります。「国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの」です。自分が当てはまるかは厚生労働省令の定めによるので、勤め先の担当かハローワークで確かめてください。

次に読む

補助金の条件が分かったら、申し込む前に、通い続けられるかも確かめておくと安心です。

このサイトで次に調べる候補: 教育訓練給付金 対象講座 検索(受けたい講座が国の指定を受けているかを自分で調べたい人向け)

出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

(確認日はすべて2026-10-20)

  1. 阿部正浩・黒澤昌子・戸田淳仁(2004)「資格と一般教育訓練の有効性-その転職成功に与える効果」RIETI ディスカッション・ペーパー 04-J-028. https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/04030032.html
  2. 児玉直美・横山泉・樋口美雄(2018)「Effects of State-Sponsored Human Capital Investment on the Selection of Training Type」RIETI ディスカッション・ペーパー 18-E-029. https://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/18e029.html / https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/18e029.pdf
  3. 吉田恵子(2004)「自己啓発が賃金に及ぼす効果の実証分析」日本労働研究雑誌 No.532. https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2004/11/pdf/040-053.pdf
  4. 厚生労働省『能力開発基本調査』令和6年度. https://www.mhlw.go.jp/content/11801000/001548719.pdf
  5. 厚生労働省『教育訓練給付等について』(雇用保険部会 第213回 資料1、支給状況と受給者アンケート)令和8年. https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001757671.pdf
  6. 雇用保険法(第六条 第六号・第六十条の二 第一項). https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/349AC0000000116
  7. ハローワーク「教育訓練給付金」. https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_education.html
  8. リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 事務局「転職をご検討の方」. https://careerup.reskilling.go.jp/worker/
  9. リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 事務局「申請をご検討の事業者」. https://careerup.reskilling.go.jp/business/
  10. リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 事務局「よくあるご質問(事業者向け)」. https://careerup.reskilling.go.jp/assets/files/business/faq.pdf
  11. 厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)活用事例集」. https://www.mhlw.go.jp/content/11800000/001538649.pdf

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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