給湯器の修理・交換ノートお湯が出ないとき、呼ぶ前に確かめる

エコキュートの電気代の1ヶ月の平均はメーカー試算で約2,700〜3,700円。でも東京電力エリアと関西電力エリアで年約8,000〜9,000円違う

エコキュートの電気代の1ヶ月の平均はメーカー試算で約2,700〜3,700円。でも東京電力エリアと関西電力エリアで年約8,000〜9,000円違う
2026-10-22 公開・2026-10-23 更新

この記事の要点

  • エコキュートの電気代の1ヶ月の平均は、三菱電機の試算をもとにすると約2,700〜3,700円が目安です(年約32,000〜44,000円を12で割った額)。
  • 同じ機械でも冬は効率が下がり、実験ではシステムの効率が夏の2.2〜3.9に対して冬は1.8〜3.1でした。
  • 同じメーカーの試算でも東京電力エリアと関西電力エリアで年約8,000〜9,000円違うので、自分の単価と機種の効率で見当を出し直すのが近道です。
この記事の目次(8)
  1. 結論:エコキュートの電気代は1ヶ月約2,700〜3,700円、条件で上下します
  2. 仕組み:電気代は「お湯に要る熱 ÷ 効率 × 単価」で決まります
  3. データで見る:家全体の電気代と、エコキュートを使う家の割合
  4. 研究で分かっていること:冬と、お湯を多めに沸かす設定で効率が下がります
  5. 自分の額で計算する表
  6. よくある質問
  7. 次に読む
  8. 出典

使っているエコキュートの調子が気になり、点検を頼むか迷っているなら、頼み方を次の記事にまとめています: お湯が出ないエコキュートの点検と見積もりを0円で頼む3ステップ

結論:エコキュートの電気代は1ヶ月約2,700〜3,700円、条件で上下します

メーカーの試算をもとにすると、エコキュートの電気代は1ヶ月約2,700〜3,700円が目安です。三菱電機が東京電力エリアと関西電力エリアについて公表した、給湯にかかる年の額を12で割った額です。

東京電力エリアで4人家族なら、月約3,300〜3,700円の見当です。この試算は、4人世帯が1日に460L(40℃のお湯に換算)を使い、東京の水の温度と外気温で換算した条件です。料金は2025年12月時点の「スマートライフL」、契約容量10kVAで計算されています。

三菱電機のエコキュートの試算で、東京電力エリアは年約40,000〜44,000円、関西電力エリアは年約32,000〜35,000円で、夜間の単価も27.86円と15.37円で違うことを並べた表。
三菱電機の試算・東京と関西

公式の試算を並べると、同じメーカーのエコキュートでも、エリアの試算で年約8,000〜9,000円の差があるのは、調べて分かった意外な点です。料金プランと夜間の単価(27.86円と15.37円)が違いますが、差を単価だけで説明することはできません。メーカー自身も、目安は季節・地域・運転の設定・使い方・電力の契約で変わると書いています。

仕組み:電気代は「お湯に要る熱 ÷ 効率 × 単価」で決まります

エコキュートの電気代は、1年に要るお湯の熱の量を機種の効率で割って電気の量に直し、それに1kWhあたりの単価をかけた額です。kWh(キロワット時)は電気の量の単位で、電気代の明細に載る使用量と同じ単位です。

ここでいう効率は「年間給湯保温効率」という値です。1年間にお湯と風呂の保温で得た熱の量を、そのために使った電気の量で割った値で、大きいほど少ない電気で同じお湯を作れます。資源エネルギー庁の案では、次の基準からJIS(日本産業規格)の2018年版の方法で測ることにしています。

三菱電機の2025年モデルの仕様表を見ると、ふろの熱を回収しない機種だけでも効率は3.0から4.0まで幅があります。藤縄・前(2021年)の研究は、この効率がヒートポンプ自体の効率、タンクにためたお湯が冷める損失、ポンプなどの補機が使う電気の3つで決まると整理しています。

データで見る:家全体の電気代と、エコキュートを使う家の割合

総務省の2025年の家計調査では、二人以上の世帯の電気代は家全体で1ヶ月13,219円でした。電気・ガス・水道を合わせた「光熱・水道」は24,547円です。

二人以上の世帯の電気代が1ヶ月13,219円、給湯が家庭のエネルギー消費の4分の1程度、電気ヒートポンプ式給湯器を使う世帯は戸建28.3%・集合3.4%・2021年以降に建てた家39.5%であることを示す図。
電気代と給湯の統計

環境省の令和5年度の調査では、給湯は家庭のエネルギー消費の4分の1程度を占めていました。エコキュートなどを使う世帯は、2021年以降に建てた家で39.5%と、2001〜2005年に建てた家の15.4%より多くなっていました。結論の試算の月約3,700円は、家全体の電気代の平均の3割弱にあたります(3,667円 ÷ 13,219円 ≒ 27.7%)。ただし家計調査はエコキュートを使っていない家も含む平均なので、この比は参考までです。

自分の請求で見当を出すときは、単価のほかに再エネ賦課金も見ておきます。再エネ賦課金は、使った電気1kWhごとに4.18円が料金に加わる物で、2026年5月検針分から2027年4月検針分の電気料金に使われます。

研究で分かっていること:冬と、お湯を多めに沸かす設定で効率が下がります

研究では、外気温が低い冬や、お湯を多めに沸かす設定のときに、エコキュートのシステム全体の効率が下がっていました。効率が下がると、同じお湯を作るのに使う電気が増えます。

濱田ほか(2011年)の実験で夏2.2〜3.9・中間期1.9〜3.7・冬1.8〜3.1、藤縄・前(2021年)の実験で外気温25℃3.9〜4.4・16℃3.6〜4.0・7℃3.1〜3.6・7℃で多めに沸かすと2.1〜3.2だったことを並べた表。
季節と外気温で変わる効率

濱田ほか(2011年)の実験では、実際の使い方に近い給湯の型で測ると、システムの効率は夏より冬に下がり、年間の予測は1.8〜3.7でした。冬に電気代が上がる理由を考える手がかりにはなりますが、実験室の結果で、実際の家庭や今の機種では確かめられていません。

藤縄・前(2021年)の実験では、外気温が低いほど効率が下がり、お湯を多めに沸かす設定ではさらに下がりました。沸かす量を多めにしている家には当てはまりやすい話ですが、これも実験室の結果で、実際の家庭では確かめられていません。

桑沢ほか(2009年)が戸建6軒で実測した研究では、効率が家ごとにばらつき、寒い地域では霜取りに使う電力も分析されていました。メーカーの試算の額は、使い方や地域の違う自分の家にはそのまま当てはまらない、という点はどの家にも関わります。

研究の読み方

研究 調べ方 対象と人数 分かったこと 限界
藤縄・前(2021年) 実験室で温度と湿度を一定にした試験 2016年11月発売の6機種(460Lが1機種・370Lが5機種) 外気温が低いほど、多めに沸かす設定ほど効率が下がった 実際の家庭ではない。外気温は25・16・7℃の3条件だけ
濱田ほか(2011年) 実際の使い方に近い給湯の型を使った実験 2008年の機種(2006年の機種と比較) 冬に効率が下がった。出湯温度を低くすると効率は上がるが湯切れに注意 15年以上前の機種。台数は要旨に無い。家庭の実測ではない
桑沢ほか(2009年) 住んでいる家での実測(観察) 戸建6軒 効率は家ごとにばらつきがあった 6軒だけ。学会の講演の論文で、読めたのは要旨だけ
総務省の2009年の特別集計 持っている家と持っていない家の単純な比べ(観察) 二人以上の世帯・2009年9〜11月 高効率の給湯設備を持つ家は電気代とガス代の合計が低い関係があった エコジョーズなどガスの機器も含む。差のすべてを機器のせいにはできない

カタログの効率と実験で測ったシステムの効率は、測る条件も機種の年代も違うため、同じ物差しで比べることはできません。

自分の額で計算する表

使い方: 自分の契約の1kWhの単価に近い行を選びます。単価が表に無いときは、下の式に自分の単価を入れます。

1kWhの単価 1ヶ月の電気代の見当(年1,579kWhとして計算) この単価は何か
15.37円 約2,000円 関西電力エリアの試算の夜間の単価
27.86円 約3,700円 東京電力エリアの試算の夜間の単価
31円 約4,100円 家電の電気代の目安単価(税込)。オール電化の夜間の単価ではない

式: 1ヶ月の電気代 ≒ 年間の電気使用量(kWh)× 自分の1kWhの単価 ÷ 12 例: 1,579kWh × 27.86円 ÷ 12 ≒ 3,666円 年間の電気使用量の1,579kWhは、東京電力エリアの試算の年約44,000円を夜間の単価27.86円で割った値で、全部を夜間に沸かしたと仮定した粗い値です。関西電力エリアの試算の年額は、この使用量では合いません。年間の電気使用量は、お湯と保温に要る熱の量(MJ)÷(3.6 × 年間給湯保温効率)で決まります。

三菱電機 エコキュートのランニングコスト試算(東京電力エリア)の「4人家族 1日の 使用湯量 460L 東京電力 エナジーパートナー スマートライ」の切り抜き。Sシリーズの44,000の所を赤い枠で囲んでいます。
出典: 三菱電機 エコキュートのランニングコスト試算(東京電力エリア)(2026-10-22 撮影)

機種を替えるときは、効率の比で電気の量の変わり方の見当がつきます。

今の効率 → 新しい効率 電気の量の比 電気の量の変わり方
3.0 → 4.0 0.75 約25%少ない
3.5 → 4.0 約0.88 約13%少ない
3.8 → 4.0 0.95 約5%少ない

式: 電気の量の比 = 今の効率 ÷ 新しい効率 例: 上の表の月3,666円の見当で、効率3.0から4.0に替えると、単価と使い方が同じなら3,666円 × 0.75 ≒ 約2,750円 この比はJISの条件での電気の量の比で、電気代を約束する数字ではありません。

替えるときに工事費と補助金でいくらかかるかは、次の記事で調べています: エコキュートの交換工事費用の相場と2026年の補助金

機種の効率と測り方の版、夜間の時間帯と単価、家族の人数とお湯の量、沸かす量の設定の4点を確かめるチェックリスト。
見当を出す前に確かめる4点

よくある質問

冬は電気代がどれだけ上がりますか?

冬は効率が下がるため、同じお湯に使う電気が増えます。電気の量は効率に反比例するので、効率が下がった分だけ増えます。下がり方は機種と設定で違い、上の実験でも幅がありました。

電気代が高いと感じたら、何を見ればいいですか?

まず沸かす量の設定を見ます。実験では、お湯を多めに沸かす設定で効率が下がっていました。次に契約の夜間の時間帯と単価、家族の人数とお湯の量が試算の4人・460Lとどれだけ違うかを確かめます。

出湯温度を低くする運転では効率が上がった実験もありますが、同じ研究は湯切れに注意が要ると書いています。

「高効率給湯器で月1,478円安い」は本当ですか?

総務省の2009年の特別集計で、高効率の給湯設備を持つ世帯の電気代とガス代の合計が、1ヶ月1,478円低かったという数字です。2009年9〜11月の数字で、エコジョーズなどガスの機器も含むため、エコキュートだけの差を知りたい人には当てはまりません。

交換すると、効率の差でどれだけ変わりますか?

上の早見表のとおり、今の効率を新しい効率で割った比で、電気の量の見当がつきます。JISの条件での比なので、季節や使い方で実際の差は変わります。

次に読む

使っているエコキュートの点検や見積もりをどう頼むかは、こちらで手順を書いています。

交換するといくらかかり、補助金がいくら出るかは、こちらで調べています。

このサイトで次に調べる候補: 給湯器の交換費用(パナソニック製への交換を考えている人向け)

出典

  1. 藤縄 剛史・前 真之(2021)「家庭用ヒートポンプ給湯機のエネルギー消費性能評価に関する研究(その1):各種試験による性能データの取得および分析」日本建築学会環境系論文集. https://doi.org/10.3130/aije.86.840
  2. 濱田 靖弘・村川 三郎・村井 拓矢・北山 広樹・鍋島 美奈子・高田 宏(2011)「実使用を考慮した貯湯式給湯機の性能評価に関する研究 : CO_2ヒートポンプ式給湯機の各種運転モードの評価」空気調和・衛生工学会 論文集. https://doi.org/10.18948/shase.36.173_1
  3. 桑沢 保夫・秋元 孝之・前 真之・住吉 大輔(2009)「OS-29 新時代の省エネ型給湯設備の計画・評価手法に関する調査・研究 : (第2報)ヒートポンプ給湯機の効率実測」空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集. https://www.jstage.jst.go.jp/article/shasetaikai/2009.3/0/2009.3_1567/_article/-char/ja
  4. 総務省統計局『家計調査(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要』2025年. https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2025.pdf
  5. 環境省『令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 資料編(確報値)』令和5年度. https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/energy/detail/07/ / https://www.env.go.jp/content/000323423.pdf
  6. 総務省統計局『平成21年全国消費実態調査 エネルギー消費に関する特別集計結果』2009年. https://www.stat.go.jp/data/zensho/2009/energy/yoyaku.html
  7. 資源エネルギー庁「電気温水機器(ヒートポンプ給湯機)のエネルギー消費効率及びその測定方法について(案)」. https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/air_denki/pdf/001_05_00.pdf
  8. 経済産業省 報道発表(2026年3月19日)再生可能エネルギー発電促進賦課金単価. https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260319004/20260319004.html
  9. 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問 Q&A」. https://www.eftc.or.jp/qa/
  10. 三菱電機 エコキュートのランニングコスト試算(東京電力エリア). https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/ecocute/introduction/pdf/cost-tepco.pdf
  11. 三菱電機 エコキュートのランニングコスト試算(関西電力エリア). https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/ecocute/introduction/pdf/cost-kepco.pdf
  12. 三菱電機 エコキュート 2025年モデル 仕様表. https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/ecocute/product/pdf/spec_2025model.pdf

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

「給湯器の修理・交換ノート」の記事をすべて見る(4 本)→

スポンサーリンク