既卒の面接の服装:埼玉の既卒向け面接会は前職のスーツでも可、採用で重視する点に服装の項目は無く1位は意欲79.3%

2026-10-21 公開・2026-11-04 更新
この記事の要点
- 既卒の面接の服装は、案内に指定があればそれに従います。無ければスーツかそれに近い仕事向けの服にして、普段着は避けます。シャツは白か青が、就活中の女子学生と採用する側の銀行員の両方で好まれた色の上位でした。
- 既卒3年以内向けの公的な面接会の案内では、服装を「リクルートスーツ、または離職者は仕事で着用していたスーツでもOK」としています。
- 採用選考で重視された点の1位は意欲(職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神)で、新卒79.3%でした。選択肢に服装の項目は無く、いちばん近い「マナー・社会常識」は58%台です。
この記事の目次(7)
- 既卒の面接の服装の結論:指定に従い、無ければスーツかそれに近い服にする
- 面接の前日に使う服装と準備の決め方チェックリスト
- 服より見られている点:採用選考で重視された点のデータ
- 研究で分かったこと
- 服が決まったら、次にやること
- 次に読む
- 出典
既卒の面接の服装の結論:指定に従い、無ければスーツかそれに近い服にする
既卒の面接の服装は、まず案内や求人票の指定に従います。指定が無ければ、学生の時のリクルートスーツで足ります。既卒3年以内向けの公的な面接会の案内でも、リクルートスーツでよいとしています。離職した人は、仕事で着ていたスーツでもよいそうです。案内を出したのは、埼玉労働局と埼玉新卒応援ハローワークです(2025年6月)。同じ案内は、清潔感を意識することも挙げています。
服は3つに分けて考えます。きちんとした順に並べると、スーツ、ビジネスカジュアル、カジュアルです。
- スーツ: 上下そろいのスーツ
- ビジネスカジュアル: スーツと普段着の間に入る服。スーツより崩しつつ、仕事向けに整えた服です
- カジュアル: 普段着
「服装自由」と書かれていても、カジュアルは避けてビジネスカジュアル以上にする方が無難です。シャツは白か青にします。
服が決まった後の準備は、最後の「次にやること」にまとめています(前の仕事の経験を3行にしておく下書きなど)。
面接の前日に使う服装と準備の決め方チェックリスト
使い方: 自分の面接の案内と求人票を手元に置き、上から順に当てはまるかを確かめます。
| 段 |
確かめること |
当てはまったら |
| 1 |
案内や求人票に服装の指定があるか |
指定に従う。公的な面接会の例では「リクルートスーツ、または離職者は仕事で着用していたスーツでもOK」 |
| 2 |
離職していて、仕事で着ていたスーツがあるか |
埼玉の既卒向け面接会の案内では使ってよいとされている。シワや汚れを見て清潔感を確かめる |
| 3 |
「服装自由」「私服OK」と書かれているか |
カジュアルは避け、ビジネスカジュアル以上にする |
| 4 |
シャツの色で迷うか |
白か青にする(女子学生と銀行員を調べた研究の結果) |
服装の決め方4段
服より見られている点:採用選考で重視された点のデータ
採用選考で重視された点の1位は、意欲(新卒79.3%)でした。2位は、コミュニケーション能力(74.8%)です。服装は、この調査の選択肢にありません。服はすぐ決めて、残りの準備に時間を回せます。
服装にいちばん近い「マナー・社会常識」は58%台で、3位でした。
重視された点の6項目の表と、10年の変化を見る
厚生労働省の「令和5年 若年者雇用実態調査」は、若い正社員を採用した事業所に、選考で何を重視したかを聞いています。割合は、選考をした事業所を100とした複数回答です。選択肢に「服装」や「身だしなみ」という項目は無く、いちばん上は意欲です。
| 重視した点 | 新卒 | 中途 |
|---|---|---|
| 職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神 | 79.3% | 72.7% |
| コミュニケーション能力 | 74.8% | 66.9% |
| マナー・社会常識 | 58.6% | 58.1% |
| 組織への適応性 | 53.2% | 51.8% |
| 学歴・経歴 | 22.4% | 23.1% |
| 業務に役立つ職業経験・訓練経験 | 14.7% | 42.3% |
出典: 厚生労働省『令和5年 若年者雇用実態調査の概況』表4「採用区分、若年正社員の採用選考の有無及び採用選考にあたり重視した点別事業所割合」令和5(2026-10-21 撮影)
職業経験を重視した割合は、中途が新卒の約2.9倍でした。服装にいちばん近い「マナー・社会常識」は、10年で下がっています(下の欄)。
マナー・社会常識の10年の変化と、職業経験の中途と新卒の差(押すと開く)
マナーの低下と職業経験の差
研究で分かったこと
面接する側は、学生が考えるほど服のふさわしさを厳しく見ない傾向がありました。働く人を対象にした実験でも、カジュアルはビジネスカジュアルより倫理的でないと見られました。
研究の中身と表、業種で服を変えるかの答えを見る
面接の準備に使える所だけを表にしました。くわしい説明は下の欄にたたんでいます。
| 研究 | あなたに言えること | 当てはまりにくい所 |
|---|---|---|
| 小林ほか(1999年) | 面接する側は、学生が考えるほど服のふさわしさを厳しく見ない傾向。差が出た服の数は銀行で最も多かったが、どれも企業側の評価の方が高かった。服で悩む時間は準備に回してよい | 30年以上前の女子学生の調査 |
| 庄山ほか(2004年) | シャツは白か青 | 男性のシャツ、銀行以外の採用担当の見方 |
| Sotakほか(2023年) | 「服装自由」でもカジュアルは避ける | 測ったのは倫理的に見えるかで、採用の評価ではない |
| 大石(2010年) | 与えたい印象に合わせて服を選ぶ考え方の参考 | 面接する側の評価は測っていない |
服の種類と見え方の実験
**研究の読み方**
5つの研究の説明と、調べ方・対象・限界の表(押すと開く)
面接の場の決まりとして、国の「公正な採用選考の基本」は、面接を仕事に必要な適性と能力を評価する場とし、質問と評価の基準を先に決め、適性と能力に関係の無いことは尋ねないよう求めています。一方で、HesterとHehman(2023年)の総説は、服や髪型、化粧、小物が第一印象に影響するとまとめています。
小林ほか(1999年)の研究では、面接する側は、学生が考えるほど就職活動の服のふさわしさを厳しく見ない傾向があり、差が出た服はどれも企業側の評価の方が高く、その差は銀行で最も多く、自由なイメージの業種ほど少なかった。30年以上前の女子学生の調査です。男性や今の転職の面接は、調べた対象に入っていません。
庄山ほか(2004年)の研究では、白と青のシャツが、女子学生が着たい色でも採用する側の銀行員が好感を持つ色でも上位で、学生は「洗練」や「知性」を、採用する側は「誠実さ」を感じるという関係がありました。濃い色のスーツに合わせるシャツを選ぶ人には参考にしやすく、男性のシャツや銀行以外の採用担当の見方には当てはまりません。
Sotakほか(2023年)の研究では、カジュアルな服は2つの実験ともビジネスカジュアルより倫理的でないと見られましたが、スーツより低く見られたのは1つ目の実験だけで、効いていたのは「場にふさわしいか」でした。測ったのは倫理的に見えるかで、実際の採用の面接では確かめられていません。
大石(2010年)の研究では、女子大学生が、与えたい印象と面接の服を結び付け、自分で服を選んで印象を整えていました。応募する側の考え方を知る材料にはなりますが、面接する側がどう