介護福祉士の年収の中央値 介護職員の真ん中は月255,600円、介護福祉士の平均350,050円は手当と一時金込み

2026-10-22 公開・2026-11-04 更新
この記事の要点
- 介護福祉士の年収の中央値に近い公的な数字は、介護職員の月給の真ん中の255,600円です。夜勤などの手当と賞与を除いた額で、医療・福祉施設等の介護職員の値です。
- 介護福祉士の資格を持つ人の平均として出ている月350,050円は、手当と一時金を含んだ額です。数え方が違うので、255,600円とそのまま並べると自分の位置を読み違えます。
- 介護福祉士の平均は、資格なしより月59,430円高い数字です。ただし平均勤続は10.4年と5.8年で、勤続の差も混ざっています。
この記事の目次(5)
- 介護福祉士の年収の中央値は、介護職員の真ん中の月255,600円で見る
- よくある質問
- 補足:3つの物差しの違いと研究
- 次に読む
- 出典
介護福祉士の年収の中央値は、介護職員の真ん中の月255,600円で見る
255,600円は手当と賞与を除いた真ん中、350,050円は手当と一時金を含めた平均です。
月給の真ん中は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)に出ています。「介護職員(医療・福祉施設等)」の行で、月255,600円です。介護福祉士の350,050円は、同じ省の介護従事者処遇状況等調査(令和6年度)の平均です。この2つの統計には、介護福祉士だけの真ん中は出ていません。
介護職員の所定内給与の分布
公式の表を並べると、350,050円と255,600円の差は月94,450円に見えます。けれども片方は手当と一時金込みの平均で、片方は手当を除いた真ん中です。この差のどれだけが資格の分かは、2つの表からは決められません。これが調べて分かった意外な点です。
表A:自分の額が真ん中より上か下かを見る
使い方: 給与明細の総支給額から、次の5つの手当を引きます。残った額が、下の表のどこに入るかを見ます。
- 残業代(時間外勤務手当)
- 夜勤手当(深夜勤務手当)
- 休日出勤の手当
- 宿直・日直の手当
- 交替勤務の手当
明細の手当の名前が違う時は、この5つのどれに当たるかで引きます。明細に無い手当は、0円として数えます。
例(仮の数字): 総支給が28万円で、夜勤手当が2万円、残業代が5,000円なら、28万円−2万円−5,000円=25万5,000円です。真ん中の255,600円とほぼ同じ位置です。
| 位置 |
月の額(5つの手当を除く) |
| 下から1割の境目 |
194,600円 |
| 下から4分の1の境目 |
220,200円 |
| 真ん中 |
255,600円 |
| 上から4分の1の境目 |
298,000円 |
| 上から1割の境目 |
340,800円 |
| 自分の額 |
( )円 |
介護職員の平均は、毎月の給与277,700円から5つの手当を引くと262,900円です。真ん中と、上から4分の1の境目の間に入ります。
介護職員の8割は月194,600〜340,800円の間、全体の真ん中より41,000円低い
介護職員の手当と賞与を除いた月給は、8割の人が194,600〜340,800円の間に入ります。下から1割と、上から1割の境目の間で、その差は146,200円です。同じ表で、訪問介護従事者の真ん中は262,300円、看護助手は215,700円です。
介護職員の平均の所定内給与は262,900円で、真ん中より7,300円高い額です。時間外や深夜などの5つの手当は、平均で月14,800円です。毎月の給与277,700円から、所定内給与262,900円を引いた額です。
全体と比べると、民営事業所の全産業の真ん中は296,600円です。介護職員の真ん中はその約86%で、差は41,000円です。全産業の数字は「民営事業所」と書かれた別の表から取ったので、参考の比べです。老健局の資料の賞与込み給与では、介護職員は31.4万円です。全産業の平均(役職者を除く)の39.6万円より、月8.2万円低い数字です。
表B:資格ごとの平均と比べる
使い方: 基本給と手当に、4〜9月に出た一時金を6で割った額を足します。一時金は、賞与など、毎月ではなく出るお金です。出た額を、自分の資格の行と比べます。
| 資格 |
平均給与額(月) |
平均勤続 |
平均年齢 |
| 介護福祉士 |
350,050円 |
10.4年 |
46.3歳 |
| 実務者研修 |
327,260円 |
6.9年 |
44.0歳 |
| 介護職員初任者研修 |
324,830円 |
8.8年 |
47.4歳 |
| 保有資格なし |
290,620円 |
5.8年 |
39.7歳 |
| 自分の額 |
( )円 |
|
|
- 式: 自分の額 = 基本給 + 手当 +(4〜9月に出た一時金 ÷ 6)
- 例(仮の数字): 基本給22万円+手当8万円+一時金30万円÷6=35万円で、介護福祉士の平均とほぼ同じです。
介護福祉士の人は、資格なしの人より平均で勤続が4.6年長く、年齢も6.6歳上です。表の差は、資格だけの差ではありません。介護福祉士と資格なしの平均の差は月59,430円で、12倍すると713,160円です。
表C:年収の目安を出す
使い方: 毎月の給与(手当込み)と、1年分の賞与を入れます。
| 項目 |
介護職員の平均 |
自分の額 |
| 毎月の給与(きまって支給する額) |
277,700円 |
( )円 |
| 年間の賞与など |
547,800円 |
( )円 |
| 年収の目安 |
3,880,200円 |
( )円 |
- 式: 年収の目安 = 毎月の給与×12+年間の賞与など
- 例: 277,700円×12+547,800円=3,880,200円
年収で見ると、介護職員の平均の目安は約388万円です。介護福祉士の平均月350,050円を12倍すると約420万円です。ただしこれは、4〜9月に出た一時金が、10〜3月にも同じだけ出た前提の額です。
表を使う前の確かめ
真ん中より下だった時の次の一歩
真ん中より下だと分かったら、上げる道は2つです。今の職場のまま上げるか、職場を変えるかです。
職場を変えるなら、まず同じ地域で、同じ資格の求人がいくらかを見ます。レバウェル介護では、登録の後に、担当の人と電話で条件をすり合わせます。公式には「完全無料にてご利用いただけます。」とあります。夜勤のシフトを崩さずに電話の日を決める段取りは、次の記事にまとめています。
レバウェル介護の最初の電話は15〜20分。夜勤のある介護職が登録前に決める3つ
よくある質問
介護福祉士だけの真ん中(中央値)は分かりますか
この記事で見た2つの公的な統計には、介護福祉士だけの真ん中は出ていません。出ているのは、介護職員全体の真ん中255,600円と、介護福祉士の平均350,050円です。平均は手当と一時金込みなので、比べる時は表Bの式で自分の額を出します。
厚生労働省の「平均」は、どの数字ですか
介護福祉士の資格を持つ人の平均は、処遇状況の調査の月350,050円です。加算を取得している事業所で月給・常勤の人だけを数えているので、パートや時給の人は入っていません。
年収400万・500万は、分布のどの位置ですか
年収400万円は、介護職員の平均の目安の約388万円より少し上です。年収500万円は、約112万円上です。年収のままでは物差しがそろわないので、月の額に直して表Aで見るのが確かです。
夜勤なしだと、真ん中の数字は変わりますか
深夜勤務手当は所定内給与から除かれるので、真ん中の255,600円には夜勤手当の分は入っていません。夜勤なしの正社員の給料をサービス別に見た数字は、下の「次に読む」の2本目の記事にあります。
今後、介護福祉士の給与は上がりますか
処遇状況の調査で、前の年と今の年の両方にいた同じ人を比べました。介護福祉士の平均は、前年の337,160円から12,890円増えて350,050円です(約3.8%増)。研究では、上乗せが手当や一時金に出た可能性が指摘されています。非正規には届きにくい、という指摘もあります。
補足:3つの物差しの違いと研究
255,600円・350,050円・31.4万円は、手当と、賞与・一時金の入れ方が違う3つの物差しです。
3つの物差しの違い
数え方の決まりと、4つの研究の中身を見る
**数え方の決まり**
真ん中(中位数)は、給与の低い人から順に並べて、ちょうど半分の位置にいる人の給与です。賃金構造の統計の真ん中は「所定内給与」で数えています。所定内給与とは、決まった条件で6月分として払われた給与から、5つの手当を引いた額です。5つは時間外勤務・深夜勤務・休日出勤・宿日直・交替の手当で、税を引く前の額で数えます。
処遇状況の調査の「平均給与額」は、基本給と手当に、4〜9月に出た一時金の6分の1を足した月の額です。数えたのは、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所で、月給・常勤で働く人です。厚生労働省老健局の資料の「賞与込み給与」は、6月分の給与に、前の年の賞与の12分の1を足した額です。賞与は前の年の1〜12月の分です。
数えた人の範囲と時期も違います。賃金構造の統計は、10人以上の企業の令和7年6月分です。処遇状況の調査は令和6年9月時点の数字で、法律でいう介護福祉士は、法律に定めた登録を受けた人です。給与の幅の広さを表す十分位分散係数は、介護職員で0.29です。
**4つの研究**
研究では、資格の有無による差は給与の低い層と高い層とで違って見え、報酬が上がった後、所定内の給与は増えず、手当や一時金を含む給与は増えたという結果が報告されています。事業所が増えた収入を手当や一時金として払った可能性も、研究では指摘されています。真ん中の数字が所定内給与なので、手当に出た上乗せは真ん中には映りにくい、という点が上の物差しの話とつながります。
大久保(2017年)の研究では、給与の低い層と高い層とで給与を左右する要因が違い、介護福祉士を持つ人と持たない人の間の格差が大きいという関係があった、と報告されています。施設や訪問の介護職で働く人には当てはまりやすく、今の加算が始まった後の給与にはそのまま当てはまりません。
上野・濱秋(2017年)の研究では、2009年度の介護報酬改定の後、所定内の賃金には有意な増加が見られず、手当や一時金を含む賃金には増加が見られました。増えた収入を手当や一時金として払った可能性がある、と研究では指摘されています。首都圏の介護職員の正社員と、訪問介護の短時間の非正社員には当てはまりやすく、ほかの地域やその後の改定には当てはまるか確かめられていません。
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