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介護職の夜勤なし正社員の給料は?サービス別の統計で通所介護は294,440円

介護職の夜勤なし正社員の給料は?サービス別の統計で通所介護は294,440円
2026-10-20 公開・2026-10-21 更新

この記事の要点

  • 介護職の「夜勤なし」の正社員の給料は、公的な統計では夜勤の有無ではなくサービスの種類別に出されています。月給・常勤の平均は、通所介護が294,440円、全体が338,200円です(厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」第73表、処遇改善加算を取っている事業所、令和6年9月)。
  • 全体の338,200円の内訳は、基本給192,660円・手当97,980円・一時金47,560円です。手当には深夜手当も含まれるので、夜勤をやめた時に無くなる深夜手当は、この統計では手当の部分に入っています。
  • サービス別の公式の表で並べると、通所介護の294,440円は9つのサービスの中でいちばん低く、訪問介護の349,740円より55,300円低いのは、調べて分かった意外な点です。
  • 深夜(22〜5時)に働いた時間の割増は25%以上と決まっています。深夜業の制限を請求できる主な条件は、小学校に入る前の子がいることと、今の職場に1年以上雇われていることです。深夜に子を保育できる同居の家族などがいる場合などは請求できません。制限の期間は1〜6か月で、請求は開始の1か月前までにします。
この記事の目次(9)
  1. 結論:通所介護と全体の差は43,760円、深夜手当は統計では「手当」に入る
  2. 給料の言葉の意味:平均給与額・手当・深夜割増
  3. データで見る:サービス別の給料と全産業との差
  4. 研究で分かっていること:賃金と離職、勤務形態と睡眠
  5. 自前の計算:通所介護との差と、給料の内訳の割合
  6. 自分の明細で計算する表
  7. よくある質問
  8. 次に読む
  9. 出典

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結論:通所介護と全体の差は43,760円、深夜手当は統計では「手当」に入る

公的な統計は、介護職員の給料を夜勤の有無ではなく、サービスの種類ごとに出しています。月給・常勤の平均は、通所介護が294,440円、全体が338,200円です。差は43,760円です(計算:338,200−294,440。厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」第73表、令和6年9月)。

厚生労働省『令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要』(令和6年度調査)の「○介護職員の平均給与額の内訳(月給・常勤の者、サービス種類別)」の切り抜き。通所介護の294,440の所を赤い枠で囲んでいます。
出典: 厚生労働省『令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要』(令和6年度調査)(2026-10-21 撮影)

この調査の「手当」には深夜手当も含まれると、注に書かれています。ただし、サービスごとの内訳(基本給・手当・一時金)はこの記事では確かめられなかったため、43,760円の差のうち手当がいくらかは分かりません。

ただし、訪問介護は349,740円で、通所介護より55,300円高くなっています。サービスの間の差を、夜勤のあるなしだけで説明することはできません。

給料の言葉の意味:平均給与額・手当・深夜割増

この調査の「平均給与額」は、次の式で出されています。

「平均給与額は基本給(月額)+手当+一時金(4~9月支給金額の1/6)」(厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」注)

一時金とは、賞与などのことです。4〜9月に払われた分を6で割り、1か月分にならしてから足しています。

手当の中身は、注2に次のように書かれています。

「手当は職務手当、処遇改善手当、通勤手当、家族手当などが含まれるほか、時間外手当(早朝・深夜・休日手当等)も含まれる。」(同調査・注2)

つまり、夜勤で受け取る深夜の手当は、統計の上では「手当」の中に入っています。夜勤をやめると、この部分が変わります。

深夜の割増は、労働基準法で次のように決まっています。

「使用者が、午後十時から午前五時まで(…)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。」(労働基準法 第37条第4項)

割増賃金とは、ふだんの時給に上乗せして払う賃金のことです。22時から5時までに働いた時間は、ふだんの時給の1.25倍以上になります。

通所介護は、介護保険法で次のように決められています。

「この法律において「通所介護」とは、居宅要介護者について、(…)老人デイサービスセンターに通わせ、当該施設において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって厚生労働省令で定めるもの及び機能訓練を行うこと(…)をいう。」(介護保険法 第8条第7項)

利用者が「通う」サービスなので、日中の仕事が中心になります。一方で、同じ条の第16項には「夜間対応型訪問介護」があります。訪問の仕事でも、夜に働く型があります。

データで見る:サービス別の給料と全産業との差

処遇改善加算とは、介護職員の処遇改善のために介護報酬に設けられた加算で、加算として給付される額は、事業所が職員の賃金改善のために全額使います。次の数字は、この加算(Ⅰ〜Ⅴ)を取っている事業所の分です。

介護職員(月給・常勤)の平均給与額を、9つのサービスと全体について令和6年9月と令和5年9月で並べた表。
サービス別の平均給与額

注:処遇改善加算Ⅰ〜Ⅴを取っている事業所の、介護職員(月給・常勤)の数字です。「令和5年9月30日と令和6年9月30日ともに在籍している者の平均給与額を比較している」と注に書かれています。調査には8,180の施設・事業所が答えています(有効回答率59.3%、同調査)。

ほかの産業と比べる数字は、別の統計にあります。令和7年の賞与込み給与は、介護職員が31.4万円、全産業平均(役職者抜き)が39.6万円です。差は8.2万円です(計算:39.6−31.4。厚生労働省「賃金構造基本統計調査による介護職員の賃金について」、グラフの数値ラベルから写した値)。

この統計の賞与込み給与は、「調査年の6月分として支払われた給与に調査年の前年の1月から12月分の賞与の1/12を加えて算出した額」です。上の338,200円とは出し方が違います。2つの統計の数字を混ぜて計算することはできません。

研究で分かっていること:賃金と離職、勤務形態と睡眠

花岡智恵(季刊・社会保障研究 Vol.45 No.3)が全国2,168事業所の「2007年度介護労働実態調査」を調べた研究では、今の事業所の賃金が高いほど離職率が低い、という関係がありました。別の事業所で得られそうな賃金と比べ、今の事業所の賃金が10%高いと、離職率が0.89%低くなっていました。はっきりした関係(統計で有意な結果)が出たのは、介護職員の正社員だけでした。

この研究は、2007年度の事業所ごとの離職率を使った観察の研究です。一人ひとりの離職を追ったものではなく、夜勤の有無は分析に使っていません。同じ論文の中では、岸田・谷垣(2008年)の研究で「有意な影響は認められなかった」とも紹介されています。こちらは特定の団体に入っている特別養護老人ホームの職員が対象で、実際の離職ではなく、離職したい気持ちを分析していました。

山内(2022年)が介護系施設の職員607名を調べた研究では、勤務形態を「日勤のみ/交代勤務」に分けて睡眠を見ています。交代勤務の群では、睡眠でとれる休養に、カフェイン入りの栄養ドリンクを多く飲むことと、平均睡眠時間の長さが関連していました。この研究は1回の時点だけを調べた横断研究で、原文にも「因果関係を明らかにした更なる研究が必要である」とあります。

吉岡(2011年)は、首都圏にある1つの特別養護老人ホームで、介護職員19名にインタビューをしました。その中に「本施設では夜勤ができないと正規採用にはならない」という例があります。1施設・19名の事例で、調査から15年以上たっています。ほかの施設がどのくらい同じなのかを示すものではありません。

自前の計算:通所介護との差と、給料の内訳の割合

表1:各サービスと通所介護の差

条件:介護職員・月給・常勤。処遇改善加算Ⅰ〜Ⅴを取っている事業所。令和5年9月と令和6年9月の両方に在籍した人の平均。

式:通所介護との差=各サービスの令和6年9月−294,440円。令和5→6年の差=令和6年9月−令和5年9月。

サービス 令和6年9月 通所介護との差 令和5→6年の差
介護老人福祉施設 361,860円 67,420円 14,890円
特定施設入居者生活介護 361,000円 66,560円 15,300円
介護老人保健施設 352,900円 58,460円 14,390円
訪問介護 349,740円 55,300円 16,930円
全体 338,200円 43,760円 13,960円
介護医療院 330,030円 35,590円 15,710円
通所リハビリテーション 319,310円 24,870円 11,480円
小規模多機能型居宅介護 305,220円 10,780円 10,470円
認知症対応型共同生活介護 302,010円 7,570円 11,820円
通所介護 294,440円 0円 10,870円

注:サービスごとの平均で、夜勤のある人とない人を分けた数字ではありません。通所介護の事業所の中には、営業時間外に設備を使って、夜間と深夜に介護などを行う「宿泊サービス」を提供する所もあり、自治体が指針を定めています。

表2:全体の給料の内訳と割合

条件:表1と同じ。全体(338,200円)の内訳です。

式:割合=各項目÷338,200。差の中の割合=各項目の差÷13,960。

項目 令和6年 割合 令和5→6年の差 差の中の割合
基本給 192,660円 57.0% 4,240円 30.4%
手当(深夜手当を含む・注2) 97,980円 29.0% 8,330円 59.7%
一時金 47,560円 14.1% 1,390円 10.0%
合計 338,200円 − 13,960円 −

注:検算は192,660+97,980+47,560=338,200円です。割合は四捨五入しているので、足すと100.1%になります。この内訳は全体の数字で、サービスごとの内訳ではありません。

介護職員(月給・常勤)の全体の平均給与額338,200円を、基本給192,660円・手当97,980円・一時金47,560円に分けて示した図。
全体の給料の内訳

表2から、全体の給料の29.0%が手当だと分かります。令和5→6年に増えた13,960円のうち、59.7%は手当の分でした。手当には処遇改善手当も含まれるので、この増えた分が夜勤によるものとは言えません。深夜手当が入るのは、この手当の部分です。

確認の手順:今の職場で深夜業の制限を請求するとき

育児・介護休業法19条では、小学校に入る前の子を育てていて、19条1項各号(今の事業主に雇われて1年未満・深夜に子を保育できる同居の家族などがいる など)に当たらない人が請求すると、事業主は深夜(22〜5時)に働かせてはいけないと決められています。深夜業の制限とは、この仕組みのことです。転職の前に、今の職場で使えるかを確かめられます。

育児・介護休業法19条にもとづいて深夜業の制限を請求するときの、条件の確認から請求までの6つの段階。
深夜業の制限の請求

法の原文には「ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない。」とあります。請求すれば、どんな場合でも深夜に働かなくてよくなる、というわけではありません。

確認の手順:夜勤なしの求人を見るとき

夜勤なしの介護職の求人を見るときに、法令・統計・研究をもとに確かめる4つの点。
求人で確かめる4点

自分の明細で計算する表

使い方: 自分の給与明細の数字を右の欄に入れて、上から順に確かめます。

項目 式 全体の平均(令和6年9月・月給・常勤) 自分の数字
基本給(月額) 明細の基本給 192,660円  
手当(深夜手当を含む) 明細の手当の合計 97,980円  
一時金 4〜9月に受け取った賞与などの合計÷6 47,560円  
合計 基本給+手当+一時金 338,200円  
手当の割合 手当÷合計 29.0%  
通所介護との差 合計−294,440円 43,760円  

式: 合計=基本給+手当+一時金(一時金は4〜9月の支給額÷6)。手当の割合=手当÷合計。通所介護との差=合計−294,440円。

例: 全体の平均で計算すると、192,660円+97,980円+47,560円=338,200円で、手当の割合は97,980円÷338,200円=29.0%、通所介護との差は338,200円−294,440円=43,760円です。

よくある質問

介護職の給料の平均と、全産業との差は?

令和7年の賞与込み給与は、介護職員が31.4万円、全産業平均(役職者抜き)が39.6万円で、差は8.2万円です。処遇状況等調査の全体の平均338,200円は、処遇改善加算を取っている事業所の数字で、出し方が違います。2つの数字は並べて比べないでください。

処遇改善加算で給料はどれだけ上がった?

令和5年9月から令和6年9月で、全体の平均は13,960円上がりました。そのうち8,330円は手当の分でした。いずれも、両年に同じ事業所に在籍した人の平均です。

子どもがいて夜勤を外したいとき、今の職場で申し出られる?

育児・介護休業法19条にもとづいて、深夜業の制限を請求できます。主な条件は、小学校に入る前の子を育てていることと、今の事業主に1年以上雇われていることです。深夜に子を保育できる同居の家族などがいる場合などは請求できません。制限の期間は1か月以上6か月以内で、開始の1か月前までに請求します。

ただし、「事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない」というただし書きがあります。

転職サービスで「夜勤なし」をどう確かめる?

求人の給料のうち、手当に深夜手当が含まれているかを聞きます。統計の上では、深夜手当は「手当」の中に入っているからです。もう1つは、正社員として採用されるのに、夜勤ができることが条件になっていないかです。1つの施設の例ですが、「本施設では夜勤ができないと正規採用にはならない」という研究の記録があります。

次に読む

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出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

  1. 厚生労働省『令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要』(令和6年度調査). https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06gaiyou.pdf
  2. 厚生労働省『令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果』(第73表 p.129・令和6年度調査). https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06kekka.pdf
  3. 厚生労働省『賃金構造基本統計調査による介護職員の賃金について』令和7年調査を基に集計. https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001685519.pdf
  4. 労働基準法 第37条第4項. https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  5. 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第19条. https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000076
  6. 介護保険法 第8条第7項・第16項. https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
  7. 花岡智恵「賃金格差と介護従事者の離職」季刊・社会保障研究 Vol.45 No.3. https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/19176306.pdf
  8. 山内加奈子(2022)「カフェイン含有栄養ドリンクの摂取と睡眠による休養との関連―介護施設職員における勤務形態別比較―」睡眠と環境 16(2). https://doi.org/10.60259/jsleepenvi.16.2_20
  9. 吉岡なみ子(2011)「介護職の「専門性」に対する認識と評価―介護老人福祉施設の場合」福祉社会学研究 8. https://doi.org/10.11466/jws.8.0_105
  10. 厚生労働省老健局長「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」老発0313第6号(令和8年3月13日). https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675724.pdf
  11. さいたま市「指定通所介護事業所等の設備を利用し夜間及び深夜に指定通所介護等以外のサービスを提供する場合の事業の人員、設備及び運営に関する指針」. https://www.city.saitama.lg.jp/005/001/018/010/p041938_d/fil/sisinn.pdf

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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