FX戦士くるみちゃん 4話、2018年の日本のFX調査で自信は差なし、戦略の無い人が低成績

2026-10-23 公開・2026-10-30 更新
この記事の目次(6)
- 第4話で起きたこと:含み損ゼロの後、父に300万円が知られ、FXをやめると決める
- くるみが無理をしやすくなる理由:損を抱えると、人は大きく賭けやすい
- 答え:決めたルールを、自分ではなく仕組みに守らせる
- よくある質問
- 次に読む
- 出典
勝つ人と負ける人の違いは、この先の研究の節で3つ見ていきます。
FXを始めるなら、何から知ればよいかが次の困りごとです。基礎は無料の電子書籍の節で読めます。口座4社の費用の比べも同じ記事にあります: 少額から始めるFX口座4社の比較の中の、FXの基礎を無料の電子書籍で読む節
第4話で起きたこと:含み損ゼロの後、父に300万円が知られ、FXをやめると決める
第4話は、取引の回ではありません。取引の後に、父と向き合う回です。
取引の値段や利益の額は公式に書かれていないので、何が起きたかは下の3つと図で追います。
起きたことは3つです。
- 前回、くるみは利益を出して、含み損から抜けました。含み損=まだ取引を終えていない、帳簿の上の損のことです。あとは、父のタンスの300万円を戻すだけのはずでした。
- 父の郁夫に、300万円の件が知られます。くるみがFXのことを打ち明けます。父は涙で、やめてほしいと訴えます。
- くるみは、FXをやめると決めます。
第4話の流れ
父の前で落とした札束が、この300万円です。
公式サイトのストーリーのページで確かめると、第4話の題は「含み損がないってサイコ〜♡」です。始まりは「含み損ゼロの平和な生活を謳歌するくるみ。」(公式のあらすじ)と書かれています。
終わりは「自分の狂気に気づいた彼女は、FX引退を決意するのだが……。」(公式のあらすじ)と結ばれています。
友人が「本当に辞めるつもりなら口座を解約している」と語る場面があると、人鳥日記で紹介されています。口座が残っていれば、取引へ戻る道も残ります。
第4話から分かるのは、決意だけでは自分を止めにくい、ということです。決めたルールを仕組みに守らせる方が、止めやすくなります。
ひとつ前の3話でくるみが勝った取引は、ロスカットまで0.2円の差でした: FX戦士くるみちゃん 3話、130万円の勝ちとロスカットの差は0.2円だった
現実の調査でも同じです。ここでいう戦略(決めた手順)とは、たとえば ①1回の損の上限(元手の何%まで)②倍率(預けたお金の何倍で取引するか)③逆指値(ここまで下がったら売る、という予約の注文)④取引する量、を始める前に決めておくことです。日本の個人のFXの調査では、戦略の無い人ほど成績が低く、自信の強さでは目立った差がありませんでした。負ける人と勝つ人の違いを、次の節から研究で見ていきます。
くるみが無理をしやすくなる理由:損を抱えると、人は大きく賭けやすい
くるみが無理をしやすいのは、損を抱えると人は大きく賭けやすいからです。
決めた戦略や外の決まりが、その無理を抑える助けになります。
調べて意外だったのは、くるみのやり方が成績の低かった人と同じ点です。
くるみは戦略ではなく、「やめる決意」で自分を止めようとしています。
研究で分かったことを、くるみの例で3つ見ます。
1. 含み損のままだと、人は攻めやすい
くるみは第3話で、含み損を抱えたまま相場が戻るのを待っていました。
ある研究では、損を確定した後の人はリスクを避けました。
含み損のままの時は、より多くのリスクを取っていました。
- 当てはまりやすい人: 含み損を抱えたまま次の注文を考える人。決めた所で損を確定させている人には当てはまりにくい結果です。
2. 外の決まりで縛られると、損の先延ばしは減る
くるみに必要なのは、決意より外の決まりです。
倍率を下げるルールができた後、損の確定を先延ばしにする人が減りました。
成績も良くなっていた、という関係がありました。
- 当てはまりやすい人: 決意より外の決まりで自分を縛れる人。決まりの無いまま取引を続ける人には当てはまりません。
3. 成績を分けたのは、知識より手順
くるみに足りないのは、知識より決めた手順です。
日本の個人のFXを調べた、2018年の調査があります。
そこでは、戦略の無い人の成績が低いという関係がありました。
年齢の高い人も、成績が低くなっていました。
金融の知識のテストの点数は、目立った差を生みませんでした。
自分の腕への自信が強すぎても弱すぎても、成績に目立った差はありませんでした。
- 当てはまりやすい人: 決めた手順を持たずにその場で売買する人。手順を決めて守っている人には当てはまりにくい結果です。
土台の考え方は2つです。
- 損は、同じ大きさの得より重く感じる。
- 利益は早く確定し、損は持ち続けやすい。
くるみに当てはめると、損を認めたくなくて無理をしやすい、ということです。
研究の読み方
それぞれ、調べた人は次のとおりです。
- Imas(2016年): 実験に出た人と、既存のデータの人。
- Heimer と Imas(2022年): 倍率の規制を受けた個人の取引の人。
- Hayo と Iwatsubo(2022年): 日本でFXをしている個人。
下の表は、それぞれの研究の調べ方と、どこまで言えるかです。
| 研究 |
何を見たか |
どこまで言えるか |
| Imas(2016年) |
人の選び方を、実験と既存のデータで見た(FXの取引そのものではない)。含み損のままの人は、損を確定した後の人より多くのリスクを取った |
第4話のような場面そのものは調べていない |
| Heimer と Imas(2022年) |
倍率の規制を受けた個人トレーダーの取引のデータと、2つの実験での再現。規制の後、損の確定を先延ばしにする人が減った |
外から課された規制の話。自分で決めたルールでも同じかは確かめていない |
| Hayo と Iwatsubo(2022年) |
日本のFX証拠金取引の個人を、2018年に調査。戦略の無い人ほど成績が低いという関係があった |
1回の調査で、原因と結果までは分からない |
答え:決めたルールを、自分ではなく仕組みに守らせる
答えは、やめる決意や我慢に頼らないことです。決めたルールを、逆指値の注文とEAに守らせます。
ここでいうEAは、決めた条件どおりに売買を自動で行うプログラムのことです。ルールを守る代わりの手になります。
これは、研究の節の2つ目と3つ目の研究を、注文の決め方に当てはめた考え方です。外の決まりで縛ると損の先延ばしが減り、戦略の無い人は成績が低かったからです。
決意を仕組みに渡す順
この手順でいちばん迷うのは、2つ目の「何倍で建てるか」です。何倍までなら過去の大きな値動きに耐えられたかは、次の記事で確かめています: 米ドル/円の1985年以降で最大の値動きに耐える倍率を確かめた記事
よくある質問
FX戦士くるみちゃん 4話はいつ放送された?
TOKYO MX で2026年10月22日の22時30分に放送されました。
くるみちゃんのFXが怖いと言われるのはなぜ?
ロスカットがあっても、損が証拠金を上回ることがあるからです。相場が急に動いた時にそうなると、金融庁が書いています。怖さは作中だけの話ではありません。
FXの相談の件数は、次のとおりです。
- 2025年度: 1,330件
- 2024年度: 2,408件
これは、全国の消費生活センター等が受け付けて、PIO-NETに登録された件数です。PIO-NETは、全国の消費生活相談を集める仕組みです。正式な名前は、全国消費生活情報ネットワークシステムです。
倍率を下げると損は減るの?
アメリカでは、倍率に上限を設けた後、損が減ったという関係がありました。日本の25倍の上限の下の人に、そのまま当てはまる数字ではありません。
Heimer と Simsek(2019年)の研究は、米国の個人のFXで、2010年の上限の前後を比べました。次の2つの数字は、上限の後に減った割合です。
- 高い倍率で取引していた人の損(負けた額): 40%減りました。
- 取引量: 23%減っていました。
もともと低い倍率で取引している人にも、そのまま当てはまる数字ではありません。
次に読む
まだ残る問いは2つです。「自分は何倍で建てればよいか」と、「EAを24時間動かすVPSに月いくらかかるか」です。
倍率=預けたお金の何倍の額で取引するか、のことでした。
この連載で次に解く回: 第5話
参考:口座を作った後に見る取引の画面(押すと開く)
### 参考:取引の画面で見る所:証拠金・含み損・ロスカット・逆指値
画面で見る所は4つです。下の表にまとめました。OANDA証券のfxTrade(web版)の公式マニュアルで確かめた場所です。
取引画面で見る所
表の言葉の意味です。
- **有効証拠金**=口座の残高に、含み損や含み益を足した額です。
- **評価損益**=今すべて決済したら確定する損益です。損が出ていれば、それが含み損です。
- **証拠金清算割合**=ロスカットの近さを示す数字です。
含み損で有効証拠金が減り、会社の基準を下回るとロスカットになります。基準は会社ごとに違います。
#### 注文の画面で押す順
同じマニュアルでは、注文は次の順で入れます。逆指値は、注文の時に一緒に入れられます。
注文画面で押す順
画面の絵は、書面の許諾が無いと転載できない決まりのため載せていません。絵は公式マニュアルで見られます。
- 口座情報の欄: 9ページ
- 逆指値を入れる注文の画面: 20〜21ページ
- 逆指値を後から変える画面: 26ページ
FXを始める人へ:言葉・損の上限の決め方・始める額・口座の選び方(押すと開く)
### 先に押さえる言葉:証拠金・倍率・損切り・逆指値
覚える言葉は4つです。1つずつ、くるみの例と一緒に見ます。
#### 1つ目 証拠金=口座へ預けておくお金
証拠金とは、取引のために口座へ預けておくお金です。
くるみの例なら、第3話で口座へ入れた父の300万円です。取引を強制的に終わらされないよう、預けるお金を増やしました。
FXには、別のお金がもう1つ出てきます。
- 証拠金=口座に預けるお金
- 取引金額=売り買いする額(品物の値段にあたる)
この2つは別のお金です。口座に入れるのは、証拠金だけです。
#### 2つ目 倍率=預けたお金の何倍で取引するか
倍率(レバレッジ)とは、預けたお金より大きい額で取引できる仕組みのことです。個人のFXでは、25倍が上限です。
例は1行で書くと、こうなります。
15万円の取引を25倍で持つなら、預けるお金は15万円÷25=6,000円です。
- 15万円=売り買いする額(取引金額)
- 25倍=個人のFXの上限の倍率
- 6,000円=口座に預けるお金(証拠金)
何倍で始めればよいかは、過去の値動きで確かめた次の記事にあります: [米ドル/円の1985年以降で最大の値動きに耐える倍率を確かめた記事](https://imadokoiku.com/fx/articles/2026-10-22_sk-fx.html)
#### 3つ目 損切り=損を自分で確定させること
損切りとは、損が出ている取引を自分で終えて、損を確定させることです。
くるみの例なら、第3話の94円です。くるみは、豪ドル円が94円を割ったら損切りすると心に決めました(公式・2026-10-23確認)。でも相場は、思うように上がりませんでした。
損切りは、現実の人にも難しい手です。金融先物取引業協会の2018年の調査(FXの経験者1,000人に聞いた物)では、損を出した原因でいちばん多いのが「損切りができなかったから」で、56.5%でした。
#### 4つ目 逆指値=「ここまで下がったら売る」予約
逆指値の注文とは、今より安い値になったら売る、今より高い値になったら買う、という注文の出し方です。
くるみの例なら、「94円を割ったら売る」予約にあたります。心で決めただけの線は、自分で守るしかありません。逆指値なら、注文が代わりに守ります。
すでに取引を持っている時の逆指値は、主に「損切りの予約注文」として使います(公式・2026-10-23確認)。
#### 4つの言葉のまとめ
ここまでの4つを、ひとことで並べ直します。
| 言葉 | ひとことの意味 |
|---|---|
| 証拠金 | 口座に預けておくお金 |
| 倍率(レバレッジ) | 預けたお金の何倍で取引するか |
| 損切り | 損が出ている取引を自分で終えること |
| 逆指値 | 「ここまで下がったら売る」予約の注文 |
#### あと2つ、この先で使う言葉
- **決済**=取引を終えること。
- **建てる**=取引を始めること。
**FXを始める前に知っておく1つ:** 損を止める値は、心で決めずに注文で入れておくことです。
言葉の次に困るのは、