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仲介手数料の計算シミュレーション 2,966万円で売るなら上限約104万円

仲介手数料の計算シミュレーション 2,966万円で売るなら上限約104万円
2026-10-20 公開・2026-10-21 更新

この記事の要点

  • 仲介手数料の計算シミュレーションでは、売値(税抜)が 400万円を超えると、上限は「売値×3%+6万円」に消費税を足した額です。これは、告示が決める税込の 5.5/4.4/3.3% を価格の区分ごとに掛けて合計した額と同じになります。
  • 中古戸建を買った世帯の購入資金の平均 2,966万円(国土交通省『住宅市場動向調査』令和7年度・三大都市圏)を売値にすると、上限は 104万4,780円で、売値の約 3.52% です。実際に払う額は、この上限の中で話し合って決めます。
  • 告示の計算で並べると、800万円以下の特例33万円は、売値300万円ではふつうの上限15.4万円の2倍を超えるのに、800万円ちょうどではふつうの計算でも33万円で同じ額になるのは、調べて分かった意外な点です。
  • 800万円以下の家には、上限を 33万円(30万円×1.1)とする特例があります。この額を受け取るには、業者が媒介契約の前に説明し、合意を得る必要があります。払った仲介手数料は、税金の計算で譲渡費用になります。
この記事の目次(9)
  1. あなたの売値だと上限はいくらか
  2. 上限を決めているのは国の告示:計算の仕組み
  3. 統計の売値で計算すると:中古戸建とマンション
  4. 研究で分かっていること:手数料と売れ方の関係
  5. 自前の計算表と、売る前に確かめる点
  6. 自分の売値で計算する表
  7. よくある質問
  8. 次に読む
  9. 出典

遠くの実家を相続した人が、立ち会わずに査定まで進める流れを書いた記事: 遠くの実家を相続した人へ:立ち会わなくても査定まで進む流れと、相談する前に知っておく3つ

あなたの売値だと上限はいくらか

売値(税抜)が 400万円を超える場合、上限は「売値×3.3%+6.6万円」(税込)です。税抜で書くと「売値×3%+6万円」になります。計算に使う代金には、消費税等の相当額を入れません。

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号)・大阪府の説明の「第2 売買又は交換の媒介に関する報酬の額」の切り抜き。200万円を超え400万円以下の金額の400万の所を赤い枠で囲んでいます。
出典: 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号)・大阪府の説明(2026-10-21 撮影)

この式で計算すると、売値 2,966万円なら上限は 104万4,780円、3,321万円なら 116万1,930円です(自前の計算。売値は国土交通省『住宅市場動向調査』令和7年度)。上限は「依頼者の一方につき」かかるので、売主と買主のそれぞれが別々に払います。どちらの場合も上限の額であり、実際の額は話し合いで決まります。

上限を決めているのは国の告示:計算の仕組み

法律と告示の決まり

宅地建物取引業法の第46条では、仲介の報酬は国土交通大臣が定める額によるとされています。業者は、その額を超えて報酬を受けてはいけません。この大臣の定めが「告示」です。告示とは、国が決まりを広く知らせるために出す文書のことです。

告示第2 では、代金を区分に分け、区分ごとの割合を掛けて合計します。割合は、200万円以下の部分が 5.5%、200万円を超え 400万円以下の部分が 4.4%、400万円を超える部分が 3.3% です。どれも消費税を含んだ割合です。

税抜の代金を出し、200万円・400万円の区分ごとに割合を掛けて合計すると、売値×3.3%+6.6万円になる手順を示した図です。
上限の計算の5つの手順

消費税の扱い:建物の消費税は代金に入れない

計算に使う代金には、消費税等の相当額を含めません。土地の譲渡は、消費税がかからない取引です。このため、土地と建物を一緒に売るときは、建物にかかる消費税の相当額を除いた代金で計算します。

800万円以下の特例

告示第7 では、800万円以下の宅地または建物について、依頼者から受ける報酬を「30万円の1.1倍」までとしています。つまり、ふつうの計算より高い額を、33万円の範囲で受け取れる場合があります。業者がふつうの計算の額を超えて受け取るときは、媒介契約の前に報酬の額を説明し、合意を得る必要があります。媒介契約とは、売るための仲介を業者に頼むときに結ぶ契約のことです。

消費税を納めない業者の上限

免税業者とは、消費税法の決まりで消費税を納める義務が免除されている業者のことです。この業者が受け取れる報酬の上限は、次の 3 つを合わせた額以内です。

  • 第2〜第10 の決まりで出した額に 110分の100 を掛けた額
  • その仲介で仕入れにかかった消費税等の相当額
  • 依頼者が頼んだ広告の料金に当たる額

統計の売値で計算すると:中古戸建とマンション

国土交通省の住宅市場動向調査では、住宅を買った世帯の購入資金の平均は、既存(中古)戸建住宅が 2,966万円、既存集合住宅が 3,321万円でした。同じ調査で、注文住宅は 7,646万円、分譲集合住宅は 6,443万円です。ただし、これは買った世帯の購入資金の平均で、成約価格ではありません。また、注文住宅は全国、その他は三大都市圏の数字です。

中古戸建2,966万円なら上限104万4,780円、中古マンション3,321万円なら上限116万1,930円になることを示した図です。
統計の売値で見た上限額

相続した家を売る人が多い背景として、空き家の数もあります。2023年の空き家は 900万戸で、2018年の 849万戸から増え、空き家率は 13.8% でした。賃貸・売却用と二次的住宅を除く空き家は 385万戸で、総住宅数の 5.9% です。

研究で分かっていること:手数料と売れ方の関係

ここで紹介する研究は、どれもランダム化の試験ではありません。読めたのは要旨だけです。

日本の両手仲介と成約価格

両手仲介とは、1 つの業者が売主と買主の両方から仲介を引き受けることです。白川・大越(2017 年)が日本の仲介業者へのアンケートを元に調べた研究では、回答した業者の 10 社に 7 社が両手仲介をしており、成約価格を下げていると推計されました。従業員数・事務所の場所・主な契約の種類と両手仲介の間には、影響は見られませんでした。業者が自分で答えた調査で、回答した社数・地域・時期は要旨に書かれていません。

米国:業者が自分の家を売った場合

Levitt ほか(2008 年)が米国で、仲介業者が自分の家を売った場合と客の家を売った場合を比べた研究では、業者が持つ家は住宅の特徴を調整した後も約 3.7% 高く売れ、売れるまで約 9.5 日長くかかっていたという関係がありました。著者は、業者が客より多くの情報を持つことで値付けがゆがむと説明しています。米国の制度での観察の研究で、件数は要旨に無く、因果までは言えません。

米国:業者を通さない売り方との比べ

MLS とは、米国の仲介業者が使う物件情報の共有の仕組みです。FSBO とは、業者を通さずに売主が自分で売る方法を指します。Hendel ほか(2009 年)が米国ウィスコンシン州マディソンの住宅を対象に調べた研究では、FSBO の手数料を引く前の価格は MLS より低くなかった一方、売れるまでの時間と売れる確率は MLS の方がよいという関係がありました。

観察の研究で、対象は 1 つの都市だけです。期間と件数は要旨に書かれていません。売主が売り方を自分で選んでいるための偏りがあり、著者自身もそう書いています。

岩手県:低い価格で売られた物件

馬塲・清水(2022 年)が岩手県全域の取引を対象に調べた研究では、低い価格で売買された物件で、個人の売り手から法人への所有権の移転が 23.5%、公共への移転が 22.5% ありました。低額売買物件のうち、同じ市町村の中の売り手と買い手による売買は 53.5% でした。

この研究の「低額売買物件」は論文独自の線引きで、告示の 800万円とは別のものです。取引の記録を比べた観察の研究で、岩手県だけが対象です。件数と期間は要旨に書かれていません。

研究から言えること

米国の 2 つの研究では、どちらも売れるまでの時間に違いが見られました。価格については、Levitt ほか(2008 年)では業者が持つ家の方が約 3.7% 高く売れていた一方、Hendel ほか(2009 年)では業者を通さなくても手数料を引く前の価格は低くなかったと、向きが分かれています。どちらも観察の研究で、因果までは言えません。

どちらも米国の研究で、日本にそのまま当てはめることはできません。業者を比べるときに、手数料の額だけでなく、売れるまでの時間の見込みも聞いておく、という確かめる点の材料にとどめてください。

自前の計算表と、売る前に確かめる点

表A:上限の計算シミュレーション

条件: 売買代金は税抜、消費税を納める業者に頼む場合、売主・買主それぞれにかかる上限。どれも上限で、実際の額は話し合いで決まります。 式: 400万円を超える売値は 200万円×5.5%+200万円×4.4%+(売値−400万円)×3.3% = 売値×3.3%+6.6万円(税込)。特例の上限は 30万円×1.1 = 33万円。

売買代金(税抜) 告示第2 の上限(税込) 売値に占める割合 800万円以下の特例の上限
300万円 15.4万円(11万円+100万円×4.4%) 5.13% 33万円(11.0%)
500万円 23.1万円 4.62% 33万円(6.6%)
800万円 33.0万円 4.13% 33万円(同じ額)
2,966万円(統計の中古戸建) 104万4,780円(2,966万円×3.3%+6.6万円) 3.52% 対象外
3,321万円(統計の中古マンション) 116万1,930円 3.50% 対象外

800万円ちょうどでは、ふつうの計算でも特例の上限でも 33万円で、同じ額になります。特例の 33万円は、媒介契約の前の説明と合意があって初めて受け取れる額です。

売値300万円・500万円・800万円で、告示第2の上限と800万円以下の特例の上限33万円を並べた図です。
ふつうの上限と特例の上限

表B:売る前に確かめる点

確かめる点 裏付け
特例の額で受け取るなら、媒介契約の前に説明を受けて合意する 「解釈・運用の考え方」告示第七関係④
案内料・申込料、頼んでいない広告の料金は、業者が受け取れない 「解釈・運用の考え方」告示第十一関係①
自分が頼んだ広告の料金は、上限とは別にかかる 告示第11(1)
業者が免税業者かどうかで、上限の計算が変わる 告示第11(2)
実際の額は、上限の中で話し合って決まる 告示第2・大阪府の説明
払った仲介手数料は、税金の計算で譲渡費用になる 国税庁 タックスアンサー No.3255
特例の合意、案内料、広告料金、免税業者、話し合い、譲渡費用の6つの確かめる点を並べた図です。
売る前に確かめる6つ

自分の売値で計算する表

使い方: 自分の売値(税抜)を右の欄に入れて、上から順に確かめます。

手順 式 自分の数字
1. 税抜の売値を出す 建物の消費税相当額を除いた代金  
2. 200万円までの部分 その部分の額×5.5%(最大11万円)  
3. 200万円を超え400万円以下の部分 その部分の額×4.4%(最大8.8万円)  
4. 400万円を超える部分 (売値−400万円)×3.3%  
5. 上限(税込)を出す 2〜4 の合計  
6. 800万円以下なら特例の上限と比べる 30万円×1.1 = 33万円(媒介契約の前の説明と合意が前提)  

式: 400万円を超える売値では、上限(税込)= 売値×3.3%+6.6万円 です。

例: 売値 2,966万円なら 2,966万円×3.3% = 97万8,780円、これに 6.6万円を足して上限は 104万4,780円です。

よくある質問

「3%+6万円」はどこから来るのか。消費税はどう足すのか

200万円までの部分は 200万円×5.5%=11万円、200万円を超え 400万円以下の部分は 200万円×4.4%=8.8万円で、合わせて 19.8万円です。400万円までの全部を 3.3% で掛けると 13.2万円なので、差は 6.6万円になります。このため、400万円を超える売値の上限は「売値×3.3%+6.6万円」(税込)、税抜にすると「売値×3%+6万円」です。

400万円以下・800万円以下だと上限はどう変わるか

ふつうの計算では、売値 300万円の上限は 15.4万円、500万円は 23.1万円です(表A・自前の計算)。800万円以下の家では、特例で上限が 33万円になる場合があります。その場合は、媒介契約の前に業者からの説明と合意が要ります。

エクセルではどう式を組むか

自前の計算として、売値(税抜・万円)を P のセルに入れた場合の式を示します。

=IF(P<=200,P*5.5%,IF(P<=400,P*4.4%+2.2,P*3.3%+6.6))

答えの単位は万円(税込)です。200万円を超え 400万円以下の部分は、11+(P−200)×4.4% = P×4.4%+2.2 になります。800万円以下の特例は自動で当てはめず、別の列に「33万円(説明と合意が前提)」と並べておくと、ふつうの上限と比べやすくなります。

相続した家を売ったとき、仲介手数料は税金の計算でどう扱われるか

譲渡所得とは、土地や建物を売って得たもうけにかかる所得のことです。譲渡費用とは、その計算で売った金額から差し引ける、売るためにかかった費用です。土地や建物を売るために払った仲介手数料は、譲渡費用になります。

亡くなった人が住んでいた家(空き家)を売ったときには、譲渡所得の金額から最高 3,000万円まで控除できる特例があります。使える条件は、国税庁のページで確かめてください。

次に読む

このサイトで次に調べる候補: 不動産売却 確定申告 必要書類(家を売った後の確定申告に向けて、そろえる書類を先に知りたい人向け)

出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

  1. 白川慧一・大越利之(2017)「中古住宅市場における両手仲介と手数料率,成約価格への影響 ─不動産仲介業者アンケート調査をもとにして─」日本不動産学会誌 31(1). https://doi.org/10.5736/jares.31.1_88
  2. Levitt, S. D. & Syverson, C.(2008)"Market Distortions When Agents Are Better Informed: The Value of Information in Real Estate Transactions" Review of Economics and Statistics 90(4). https://www.nber.org/papers/w11053
  3. Hendel, I., Nevo, A. & Ortalo-Magné, F.(2009)"The Relative Performance of Real Estate Marketing Platforms: MLS versus FSBOMadison.com" American Economic Review 99(5). https://doi.org/10.1257/aer.99.5.1878
  4. 馬塲弘樹・清水千弘(2022)「売り手と買い手の属性に着目した低額売買物件の土地・立地傾向 岩手県全域を対象として」都市計画論文集 57(3). https://doi.org/10.11361/journalcpij.57.792
  5. 国土交通省『住宅市場動向調査』令和7年度. https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000248.html / https://www.mlit.go.jp/report/press/content/002012489.pdf
  6. 総務省統計局『住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)』2023年. https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/g_kekka.pdf
  7. 宅地建物取引業法 第46条. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawNum=昭和二十七年法律第百七十六号;article=46
  8. 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号)・大阪府の説明. https://www.pref.osaka.lg.jp/o130200/kenshin/kokuji/index.html
  9. 国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(令和8年4月1日施行版). https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001881261.pdf
  10. 国税庁 タックスアンサー No.3255 譲渡費用となるもの. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3255.htm
  11. 国税庁 タックスアンサー No.6201 非課税となる取引. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6201.htm
  12. 国税庁 タックスアンサー No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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