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トラックドライバー年収の中央値、厚生労働省の賃金の統計にあるのは残業代などを除く月給だけ:大型は29.62万円

トラックドライバー年収の中央値、厚生労働省の賃金の統計にあるのは残業代などを除く月給だけ:大型は29.62万円
2026-10-21 公開・2026-11-03 更新

この記事の要点

  • トラックドライバーの年収の中央値は厚生労働省の賃金の統計では出ていません。出ているのは残業代などを除いた月給の中央値で、大型は29.62万円、中小型は27.71万円です。
  • 自分の給料と比べるときは、下の「散らばり」の図を使います。給与明細の基本給と、毎月決まって出る手当を足した額を当てはめます。
  • よく見る「年収の平均」約507万円には、残業などの手当と賞与が入っています。
  • 大型で、残業代などを除く月給が上位10%に入る境目は40.9万円です。12倍しても490.8万円で、これは賞与と手当を入れる前の額です。
この記事の目次(8)
  1. 結論:真ん中の人の月給は大型29.62万円、平均との差は月1万円ほど
  2. 言葉の意味:中央値・所定内給与・手当・賞与
  3. データで見る:大型と中小型の給料の散らばり
  4. 自分の年収の目安を出す式
  5. 研究の調べ方と限界
  6. よくある質問
  7. 次に読む
  8. 出典

結論:真ん中の人の月給は大型29.62万円、平均との差は月1万円ほど

厚生労働省の賃金の統計に年収の中央値は無く、中央値があるのは残業代などを除いた月給だけです。

真ん中の人の基本の月給は、大型29.62万円です。中小型は27.71万円です。12倍すると、大型355.4万円・中小型332.5万円です。どちらも残業代などの手当と賞与は入りません。

この基本の月給を、統計の言葉で所定内給与といいます。毎月の給与から残業・深夜・休日などの手当を引いた額のことです。数字は厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の物です。

真ん中(中央値)と平均の基本の月給の差は、月1万円ほどです。大型は真ん中29.62万円・平均30.63万円、中小型は真ん中27.71万円・平均28.73万円です。

残業や運転の時間を減らしたい人は、別の職種を考える前の整理表もあります: 運転以外の職種を聞く前に「離れたいこと」を書き込む整理表

平均の年収(大型507.2万円)が何でできているかの表です。基本給より、手当と賞与の分が大きく効いています。

年収の平均を分けると 大型 中小型
平均の人の基本給(1年分) 367.6万円 344.8万円
残業・深夜・休日などの手当(1年分) 96.7万円 65.3万円
賞与など(1年分) 42.96万円 38.51万円
合計=年収の平均の目安 507.2万円 448.6万円

注: 年収の平均の目安=手当込みの月給×12+賞与。いずれも税金などを引く前の額です。

計算の中身を見る 年収の平均の目安は、大型 38.69万円×12+42.96万円、中小型 34.17万円×12+38.51万円で計算しました。手当は、毎月の月給から所定内給与を引いた額です(大型 38.69万円−30.63万円、中小型 34.17万円−28.73万円)。
大型と中小型のトラック運転者の、所定内給与・手当・月給全体・賞与の平均を並べた図
月給の内訳と賞与

公式の表を並べると、意外な点が分かりました。大型の月給の約2割(20.8%)は、所定内の外の手当でした。中小型では15.9%でした。

言葉の意味:中央値・所定内給与・手当・賞与

統計の言葉は、求人票の言葉と少しずれます。数字は、10人以上の企業で働く人の給与で、月給は2025年6月分、賞与は2024年の1年分です。大型は「営業用大型貨物自動車運転者」の区分です。中小型は「営業用貨物自動車運転者(大型車を除く)」の区分です。

この記事での言葉の意味を見る(6つ) - **中位数(中央値)**: この記事では、給料の低い順に人を並べたとき、ちょうど真ん中にいる人の額として読んでいます。 - **第1・十分位数/第9・十分位数**: 第17表に並ぶ値で、この記事では下から10%、上から10%に入る境目の額として読んでいます。 - **第1・四分位数/第3・四分位数**: 同じく第17表に並ぶ値で、この記事では下から25%、上から25%に入る境目の額として読んでいます。 - **所定内給与額**: 毎月決まって払われる給与から、5つの手当(時間外・深夜・休日出勤・宿日直・交替)を引いた額です。所得税などを引く前の額です。 - **きまって支給する現金給与額**: 上の5つの手当を含めた、毎月の月給全体です。この記事では「月給」と呼びます。 - **年間賞与その他特別給与額**: 1年分の賞与などです。

データで見る:大型と中小型の給料の散らばり

所定内給与の散らばりを、5つの境目で並べました。上から10%の境目は、下から10%の境目の約1.9倍です。大型は1.93倍、中小型は1.89倍です。表に載っている働く人の数は、大型が約47万人、中小型が約45万人です。

自分の給料を当てはめるときは、給与明細の2つの行を足します。「基本給」と、毎月決まって出る手当(乗務手当など)です。残業・深夜・休日出勤・宿日直・交替の手当は入れません。これが統計の所定内給与の決め方です。

大型と中小型のトラック運転者の所定内給与を、下から10%・25%・真ん中・上から25%・10%の境目で並べた表
所定内給与の散らばり(月)

年収600万円には、手当込みの月給で月46万円ほど要ります(大型の平均の賞与42.96万円の場合)。基本の月給だけでは、上から10%の境目40.9万円を上回る額です。

上から25%の境目(大型35.46万円)より上を目指すなら、会社の選び方が効きます。全日本トラック協会の調査では、大きい車ほど月給が高い結果でした。男性運転者の月給の平均は、けん引40.4万円・大型38.0万円・中型32.3万円です。

見分け方の1つは、求人票で基本給と手当が分けて書いてあり、毎月決まって出る額が多いことです。5つの点は、次の記事にまとめました: トラックドライバーの給料が高い会社の特徴:毎月決まって出る額で見分ける5つの点

大型の真ん中の月給は、事務の仕事とほぼ同じです。大型の29.62万円は、事務の仕事の29.5万円とほぼ同じです。中小型の27.71万円は、事務の仕事より低い額です。

大型・中小型のトラック運転者と、ほかの運転の仕事や事務・販売などの所定内給与の真ん中(中央値)を並べた表
職種ごとの月給の真ん中(中央値)

働く人全体の平均34.06万円より、大型は月3.43万円、中小型は月5.33万円低い基本の月給です(平均どうしの比べ・短時間で働く人を除く)。

基本給の低さを、残業の手当で埋める形

大型は月33時間ほど残業などをして、手当が月8.06万円付いています。中小型は月26時間ほどで、手当は月5.44万円です(どちらも6月の値)。研究でも、安い運賃を残業で埋める仕組みが業界にあると指摘されています。

大企業でも同じ形です。大型では、1,000人以上の企業は基本給が平均より低く、手当で月給が高くなっています。

大型 所定内給与 月給(手当込み)
1,000人以上の企業 29.63万円 40.28万円
大型全体の平均 30.63万円 38.69万円

数年前(令和3年)の資料でも、同じ傾向でした。大型・中小型とも、全産業の平均より所得は低く、労働時間は長い結果です。

令和3年の資料の数字を見る 国土交通省の検討会に全日本トラック協会が出した資料(賃金構造基本統計調査から作成)の数字です。 | 令和3年 | 大型 | 中小型 | |---|---|---| | 年間の所得(全産業の平均は489万円) | 463万円(約5%低い) | 431万円(約12%低い) | | 年間の労働時間(全産業の平均との差) | 432時間(月36時間)長い | 384時間(月32時間)長い |

自分の年収の目安を出す式

年収の目安=(所定内給与+手当)×12+賞与

  • 例: 大型の平均なら(30.63万円+8.06万円)×12+42.96万円=507.2万円(税金などを引く前の額)
時給・残業代・残業の上限も計算してみたい人向け 1. **時給の目安**: 所定内給与÷所定内の時間 - 例: 30.63万円÷175時間≒1,750円 2. **残業代の目安**: 時給×1.25以上×時間(月60時間を超えた分は1.5以上) - 例: 1,750円×1.25×33時間≒7.22万円 3. **上限の枠**: 自分の残業と拘束の時間が、下に書いた上限に収まるかを見ます。 - 例: 月33時間は6月の値で、枠の中 注: 1の175時間は実際に働いた所定内の時間で、会社が決めた所定の時間とは限らないため、出る額は目安です。2の例7.22万円が実際の手当8.06万円より少ないのは、手当には深夜・休日などの分も入るためです。 残業代の割増は労働基準法37条で決まっています。時間外の労働は通常の賃金の2割5分以上、月60時間を超えた分は5割以上で払う決まりです。 上限は2024年4月から変わりました。ドライバーの残業は原則月45時間・年360時間で、臨時の特別な事情がある場合でも年960時間までです。960時間は、平均すると月80時間で、月ごとの上限ではありません。 拘束時間(休けいも含めて会社にしばられる時間)は、原則 年3,300時間・月284時間までです。会社と働く人の代表が結ぶ約束(労使協定)で年3,400時間・月310時間まで延ばせますが、月310時間は年6か月までです。
所定内給与の位置、年収の目安の式、残業代の目安の式、残業と拘束時間の上限を確かめる手順の一覧
求人の給料を確かめる4点

研究の調べ方と限界

研究ごとの調べ方・人数・限界を見る 首藤(2020年)の論考では、1990年代の規制緩和の後に運賃と業界の賃金の水準が下がり、残業で平均の収入を得ようとするのがふつうになって、低い賃金と長い労働時間がつながっていると指摘しています。日本のトラック運送業全体の流れを整理したもので、一つひとつの会社の給料の決め方まで調べたものではありません。 Belzer・Sedo(2018年)の研究では、米国の長距離ドライバーで、単価が高い人ほど働く時間が短いという関係があり、働く時間が40時間を超えると健康が悪くなるとも述べています。米国の長距離ドライバーには当てはまりやすく、月給で払う日本の仕組みにはそのまま当てはまりません。 松元ほか(2022年)の研究では、夜間・早朝の勤務、睡眠の不足、月の休日が0〜3日であることが、過労の状態と関係がありました。夜間・早朝の勤務が多い人には当てはまりやすい結果で、女性のドライバー41人は回答しましたが、分析からは除かれています。 | 研究 | 調べ方 | 対象と人数 | 分かったこと | 限界 | |---|---|---|---|---| | 首藤(2020年) | 論説(J-STAGE の区分は特集論説) | 日本のトラック運送業 | 低い賃金と長い労働時間がつながっていると指摘 | 要旨で確かめた | | Belzer・Sedo(2018年) | 観察(全国のドライバー調査を統計の手法で分析) | 米国の長距離トラックドライバー(人数は要旨に無い) | 単価が高い人ほど働く時間が短いという関係 | 米国の制度での結果(日本の月給の仕組みとは違う)。要旨で確かめた | | 松元ほか(2022年) | 観察(一時点の全国の質問紙調査) | 男性1,947人(1,082事業所に配布、回収36.8%) | 夜間・早朝の勤務や睡眠の不足、少ない休日が過労の状態と関係 | 原因と結果は言えない。病気や状態は本人の申告。要旨で確かめた |

よくある質問

年収1000万円はどのあたりですか

1000万円について、この統計で分かるのは所定内給与の散らばりだけです。大型の所定内給与の上位10%の境目は40.9万円です。12倍しても490.8万円で、1000万円の半分に届きません。賞与と手当の散らばりは表に無いため、何%の人が届くかはこの表からは決められません。

残業の上限で、残業代に頼る給料はどうなりますか

ドライバーの残業は、臨時の特別な事情がある場合でも年960時間までです。

拘束時間(働く時間と休けいを合わせた時間)にも上限があります。労使協定(会社と働く人の代表が結ぶ約束)を結ぶと、少し延ばせます。

拘束時間の上限 1年 1か月
原則 3,300時間 284時間
労使協定を結んだ時 3,400時間 310時間
首藤(2020年)の論考は、残業で平均の収入を得る仕組みが業界にあると指摘しています。自分の手当がどれだけ残業の時間に支えられているかは、上の「時給・残業代・残業の上限も計算してみたい人向け」の欄で見積もれます。

次に読む

このサイトで次に調べる候補: トラックドライバーの年収の平均

出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

  1. 厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』第17表「職種(小分類)、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値(産業計)」2025年. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421133&fileKind=4
  2. 厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』第18表(職種・大分類の分布特性値)2025年. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421134&fileKind=4
  3. 厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』第1表「職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」2025年. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421116&fileKind=4
  4. 厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況』2025年. https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/dl/01.pdf
  5. 厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』用語の定義. https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/yougo.html
  6. 厚生労働省『賃金構造基本統計調査』調査の概要. https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou_b.html
  7. 全日本トラック協会 松崎宏則「トラック運送業界の2024年問題について」第2回 持続可能な物流の実現に向けた検討会 資料3、2022年(国土交通省のサイト). https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001517490.pdf
  8. 厚生労働省 自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト(トラック). https://driver-roudou-jikan.mhlw.go.jp/truck/notice
  9. 労働基準法 第37条. https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/322AC0000000049?elm=MainProvision-Article_37&response_format=xml
  10. 首藤若菜(2020)「トラック業界の人手不足と『物流危機』」『計画行政』43巻2号. https://doi.org/10.14985/jappm.43.2_3
  11. Belzer, M. H., Sedo, S. A.(2018)"Why do long distance truck drivers work extremely long hours?" The Economic and Labour Relations Review 29巻1号. https://doi.org/10.1177/1035304617728440
  12. 松元俊・久保智英・井澤修平・池田大樹・高橋正也・甲田茂樹(2022)「トラックドライバーの健康障害と過労状態に関連する労働生活要因の検討」『産業衛生学雑誌』64巻1号. https://doi.org/10.1539/sangyoeisei.2020-041-B
  13. 厚生労働省『賃金構造基本統計調査』中位数・分位数の説明. https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/chingin_seigo_20230707.pdf
  14. 全日本トラック協会『2024年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態』(労働新聞の記事)。男性運転者の職種別平均賃金(令和6年5〜7月の1人1か月平均)は、けん引40.4万円、大型38.0万円、中型32.3万円. https://www.rodo.co.jp/news/204953/

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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