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税理士の資格剥奪の条件 令和6年度の処分64件のうち8割は期限つきの業務停止だった

税理士の資格剥奪の条件 令和6年度の処分64件のうち8割は期限つきの業務停止だった
2026-10-22 更新

この記事の要点

  • 税理士の資格剥奪にあたる条件は主に2つで、懲戒で「業務の禁止」を受けると処分の日から3年、税の法令などで拘禁刑以上の刑を受けると刑の執行を終えた日から5年は資格がありません。
  • 令和6年度の懲戒処分等64件のうち、52件(約81%)は2年以内の業務停止で、業務の禁止・法人の解散は10件でした。
  • 件数は令和4年度の13件から令和6年度の64件へ約4.9倍に増えましたが、軽い処分の戒告が国税庁のページに載る期間は、概ね1か月が目安です。
この記事の目次(8)
  1. 結論:資格を失うのは「業務の禁止」と「重い刑」のとき。多くの処分は期限つきの停止
  2. 仕組み:資格がなくなるのは「業務の禁止」と「重い刑」の2つ
  3. データで見る:処分の件数は令和4年度から6年度で約4.9倍
  4. 会う前に使う早見表と確認リスト
  5. 研究で分かっていること
  6. よくある質問
  7. 次に読む
  8. 出典

処分歴を確かめたあと、どの税理士にどう頼むかが次の問いです。何人か比べて選ぶ段取りと、断りの連絡を任せる方法は次の記事にまとめています: 顧問・記帳代行・決算をまとめて頼める税理士を無料で紹介してもらう方法と、会う前に書く「内見メモ」

結論:資格を失うのは「業務の禁止」と「重い刑」のとき。多くの処分は期限つきの停止

税理士が資格を失う主な場合は、懲戒のいちばん重い「税理士業務の禁止」を受けたときと、税の法令や税理士法で拘禁刑以上の刑を受けたときです。どちらも登録が消され、決められた年数がたつまで資格がありません。たとえば令和6年4月1日に禁止の処分を受けたなら、3年後の令和9年4月はじめごろまでは資格がない計算です。

懲戒は3種類あり、軽い順に戒告、2年以内の業務停止、業務の禁止です。「剥奪」と思われがちな処分の8割が、期間が終われば業務に戻れる停止だったのは、公式の表を並べて分かった意外な点です。

令和6年度の懲戒処分等64件のうち、停止52件、禁止・解散10件、戒告2件で、登録者1万人あたり約7.8件だったことを示す図
令和6年度の処分64件の内訳

気になる税理士がいる場合の見方は、下の「会う前に使う早見表と確認リスト」にまとめました。紹介を受けて何人かに会う段取りは、先ほどの無料で紹介してもらう方法と「内見メモ」の記事で続きを書いています。

仕組み:資格がなくなるのは「業務の禁止」と「重い刑」の2つ

資格がなくなる主な場合は、「業務の禁止」を受けたときと、重い刑を受けたときの2つです。懲戒の種類を定める条文に「剥奪」という言葉は出てきません。

重い刑のほうは「欠格」という決まりです。欠格とは、法律が決めた事情にあてはまる人は税理士になる資格を持たない、という決まりです。業務の禁止は懲戒の処分で、その後の3年間が欠格にあたります。

税理士法の欠格の決まりで、ここに関わるのは次の2つです。

  • 国税・地方税の法令や税理士法で拘禁刑以上の刑を受けた人は、刑の執行を終えた日(または執行を受けなくなった日)から5年たつまで資格がない
  • 懲戒で業務を禁止された人は、処分を受けた日から3年たつまで資格がない

どちらかにあてはまると、日本税理士会連合会が登録を消します。業務停止は、登録を消す理由に入っていません。

どんな行為がどの処分になるかは、財務省の「懲戒処分等の考え方」で目安が示されています。令和5年4月1日以後の行為にあてはまる目安です。

行為 処分の目安
わざと事実と違う内容で税務代理や税務書類の作成をした 6か月以上2年以内の業務停止、または業務の禁止
税理士会の会費を正当な理由なく長期にわたり滞納した 戒告

令和5年の改正で、登録を消した元税理士にも「懲戒処分を受けるべきであったことについての決定」を出せるようになりました。国税庁のチラシでは、懲戒を逃れることを抑える目的と説明されています。あわせて、違反行為などから10年で処分できなくなる期間(除斥期間)もできました。

データで見る:処分の件数は令和4年度から6年度で約4.9倍

懲戒処分等の件数は、国税庁の表では令和4年度の13件から令和6年度の64件に増え、令和7年度は40件でした。どの年度も停止がいちばん多く、禁止・解散は令和6・7年度とも10件です。

令和3年度から令和7年度までの懲戒処分等の件数と、禁止・解散、停止、戒告の内訳を年度ごとに並べた表
懲戒処分等の件数(令和3〜7年度)

戒告は令和3〜5年度は0件で、令和6年度に2件、令和7年度に1件ありました。登録者1万人あたりで見ると、令和7年度は約4.8件です(令和8年3月末の登録者82,513人で計算した目安)。

処分の前の段階にあたる、税理士法にもとづく国税庁の調査等の件数は、令和3年度の2,364件から令和7年度の3,667件まで毎年増えています。令和8年3月末で全国の登録者は82,513人、税理士法人は5,287社です。

会う前に使う早見表と確認リスト

処分の種類ごとに、いつ資格に戻れるかを見る早見表です。使い方は、処分の種類と、処分を受けた日(刑の場合は刑の執行を終えた日)を当てはめて、資格に戻れる日を出します。

戒告 - 業務: 停止や禁止を伴わない - 資格に戻る日: - - 国税庁のページに載る期間: 処分の日から概ね1か月(目安)

業務停止(2年以内) - 業務: 停止の間はできない - 資格に戻る日: -(登録を消す理由に入っていない) - 国税庁のページに載る期間: 停止の期間

業務の禁止 - 業務: できない(登録は消される) - 資格に戻る日: 処分を受けた日+3年 - 国税庁のページに載る期間: 処分の日から3年

税の法令などで拘禁刑以上 - 業務: できない(登録は消される) - 資格に戻る日: 刑の執行を終えた日+5年 - 国税庁のページに載る期間: -

例(仮の日付): 刑の執行を終えた日が令和8年10月1日なら、資格がないのは5年後の令和13年10月はじめごろまでです。日付の細かい数え方は、式に当てた目安として使ってください。

紹介で会う税理士について、登録の有無、国税庁の公告ページ、戒告の掲載期間、財務大臣への申し出の4点を確かめるリスト
会う前の確認リスト

研究で分かっていること

ここで紹介する研究は、どれも日本の税理士の処分を数字で調べた物ではなく、税理士を選ぶ判断には使えません。分かるのは、アメリカの金融アドバイザーでは過去の処分歴と新しい不正のあいだに関係があった、という考え方の材料までです。

研究の読み方

  • Eganほか(2019年): アメリカの金融アドバイザー全員(2005〜2015年)の大きなデータを調べた観察の研究です。7%に記録があり、過去に記録がある人は新しい不正の割合が平均の5倍でした。約半数は職を失いますが、雇い直しもあります。税理士ではなく、原因と結果までは分からず、読んだのは要旨のみです。
  • 飯塚(2026年): 中小企業を顧客にもつ税理士法人への聞き取りの調査です。企業の実態よりも経営者個人の特性で顧客を選び、リスクを複数の面から見ていました。懲戒は扱っておらず、一般化はできません。読んだのは要旨のみです。
  • 坂本(2024年): 公認会計士と税理士の制度を比べた論考で、税理士はすべての業務で独立性が求められると整理されています。データを集めた研究ではなく、懲戒と登録には触れていません。読んだのは要旨のみです。

よくある質問

税理士の処分は、年に何件くらいありますか?

令和3〜7年度は年13〜64件でした。それより前は、平成30年度が51件、令和元年度が43件です。

業務停止中に仕事を続けたらどうなりますか?

財務省の目安では、停止の処分に違反して業務をすると「業務の禁止」になります。禁止になると登録が消され、処分の日から3年は資格がありません。

ネットの公告はいつから始まりましたか?

懲戒処分をインターネットで公告する決まりは、令和6年4月1日に始まりました。載る期間は、早見表のとおり処分の種類で違います。

事務所の職員の不正でも、税理士本人が処分されますか?

職員の不正を、雇っている税理士が知っていた場合は、税理士本人がその不正をしたものとして処分されます。財務省の「懲戒処分等の考え方」に示されている扱いです。

次に読む

処分歴を確かめたあと、残る問いは「どの税理士に、いくらで頼むか」です。紹介で何人か会い、断りの連絡を任せる方法は次の記事にあります。

個人の確定申告を頼むと自分の場合いくらかかるかは、次の記事で確かめ方を書いています。

このサイトで次に調べる候補: 税理士 顧問料 相場 個人事業主(個人事業主が顧問を頼むと年にいくらかかるかを知りたい人向け)

出典

  1. 国税庁『税理士・税理士法人に対する懲戒処分等件数』令和3〜7年度. https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/chokai/chokai.htm
  2. 国税庁『国税庁レポート2023』平成30年度・令和元年度の懲戒処分等件数. https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/report/2023/06_3.htm
  3. 国税庁『国税庁レポート2026』令和3〜7年度の懲戒処分等件数・調査等件数・令和8年3月末の登録者数. https://www.nta.go.jp/about/introduction/torikumi/report/report2026/pdf/07.pdf
  4. 国税庁『税理士制度』税理士登録者数 令和4〜6年度. https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/seido2.htm
  5. 税理士法第44条(懲戒の種類・ウィキブックスの写し). https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%A8%8E%E7%90%86%E5%A3%AB%E6%B3%95%E7%AC%AC44%E6%9D%A1
  6. 税理士法第4条(欠格条項・ウィキブックスの写し). https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%A8%8E%E7%90%86%E5%A3%AB%E6%B3%95%E7%AC%AC4%E6%9D%A1
  7. 税理士法第26条(登録の抹消・ウィキブックスの写し). https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%A8%8E%E7%90%86%E5%A3%AB%E6%B3%95%E7%AC%AC26%E6%9D%A1
  8. 税理士法第47条第3項(財務大臣への通知・ウィキブックスの写し). https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%A8%8E%E7%90%86%E5%A3%AB%E6%B3%95%E7%AC%AC47%E6%9D%A1
  9. 財務省告示第104号「税理士等・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方」. https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/chokai/shobun/230401.htm
  10. 国税庁 税理士法基本通達 47の4-1(公告の期間). https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/zeirishi/kaisei/20230623/pdf/01.pdf
  11. 財務省 税理士法関係の省令の要旨(令和5年度税制改正). https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2023/syourei/youshi/10zeirishi.pdf
  12. 国税庁 令和5年の税理士法改正のチラシ. https://WWW.NTA.GO.JP/publication/pamph/sonota/0022003-155.pdf
  13. 日本税理士会連合会「税理士情報検索サイト」. https://www.zeirishikensaku.jp/
  14. Egan, M., Matvos, G., Seru, A.(2019)「The Market for Financial Adviser Misconduct」Journal of Political Economy 127(1), 233–295. https://www.nber.org/papers/w22050
  15. 飯塚隼光(2026)「会計専門家はどうやってクライアントを選ぶのか ―税理士法人における取り組み―」経営会計レビュー 6巻1号 101-111頁. https://www.jstage.jst.go.jp/article/mar/6/1/6_101/_article/-char/ja
  16. 坂本孝司(2024)「独立性の観点から見た公認会計士と税理士」現代監査 2024巻 No.34 18-26頁. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jauditing/2024/No.34/2024_18/_article/-char/ja

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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