税理士の探し方ノート顧問・記帳・決算を頼む税理士を、紹介の前に確かめる

個人の確定申告を税理士に頼む費用の相場の確かめ方(自宅e-Taxは40.3%)

個人の確定申告を税理士に頼む費用の相場の確かめ方(自宅e-Taxは40.3%)
2026-10-20 公開・2026-10-21 更新

この記事の要点

  • 個人の確定申告を税理士に頼む費用の相場は、複数の税理士から書面で見積もりをもらって確かめます。国税庁や日本税理士会連合会の公的な資料には、個人の確定申告を税理士に頼む報酬の数字が見つかりませんでした(探した範囲)。検索の上位に出る記事の相場の数字にも、出典が書かれていないためです。
  • 給与が 2,000 万円以下で、1 か所から受け取り、その給与の全部が源泉徴収か年末調整の対象で、ほかの所得が合計 20 万円以下なら、政令で定める場合(不動産などの資産を給与の支払者の事業に使わせて対価を受ける場合など)を除き、所得税の確定申告は要りません。住民税は別の決まりです。
  • 公式の数字で並べると、令和7年分の確定申告で自宅から e-Tax で出した人は 949万人(40.3%)で、確定申告会場で申告した 218万人の 4 倍を超えていました(949 ÷ 218 ≒ 4.4)。これは、調べて分かった意外な点です。
  • 令和7年分の申告人員 2,353万人のうち、949万人(40.3%)が自宅から e-Tax で申告しました(財務省『ファイナンス』2026年8月号。国税庁「令和7年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」を紹介した記事)。頼む相手が税理士かどうかは、税理士証票と税理士情報検索サイトで確かめられます。
この記事の目次(9)
  1. 結論:相場は見積もりで確かめ、その前に申告が要るかを確かめる
  2. 仕組み・言葉の意味:申告が要らない人と、税理士ができる仕事
  3. データで見る:令和7年分の確定申告のしかた
  4. 研究で分かっていること:申告の手間と費用
  5. よそに無い物:申告の要否・申告のしかた・相手の確かめ方
  6. 自分の条件で確かめるチェック表
  7. よくある質問:副業・白色と青色・税理士の確かめ方
  8. 次に読む
  9. 出典

会社を経営していて、顧問や決算までまとめて頼みたい人は、次の記事へどうぞ。法人向けの記事です。 顧問・記帳代行・決算をまとめて頼める税理士を、税理士ドットコムで無料で紹介してもらう流れと、会う前に書く内見メモ

結論:相場は見積もりで確かめ、その前に申告が要るかを確かめる

この記事には、税理士の報酬の金額の相場を載せていません。検索の上位に出る記事が書いている「白色はいくら、青色はいくら」という数字には、出典が書かれていないからです。国税庁や日本税理士会連合会の公的な資料にも、個人の確定申告を税理士に頼む報酬の数字は見つかりませんでした(探した範囲)。費用は、複数の税理士から書面で見積もりをもらって比べるのが確かな方法です。

頼む前に、そもそも所得税の確定申告が要るかを確かめます。所得税法 第121条の 4 つの条件に当てはまれば、政令で定める例外の場合を除き、所得税の申告は要りません。ただし、住民税は別の決まりです。

令和7年分では、申告した人の 40.3%にあたる 949万人が、自宅から e-Tax で申告しました。頼むと決めたら、相手が登録した税理士かどうかを、国税庁 No.9204 の方法で確かめます。

財務省『ファイナンス』2026年8月号(国税庁「令和7年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」令和8年5月公表 の紹介)の「・申告人員全体の4割が、申告者本人による自宅からのe-Tax申告・そのうち、半数」の切り抜き。40.3の所を赤い枠で囲んでいます。
出典: 財務省『ファイナンス』2026年8月号(国税庁「令和7年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」令和8年5月公表 の紹介)(2026-10-21 撮影)

仕組み・言葉の意味:申告が要らない人と、税理士ができる仕事

確定申告が要らない人の条件(所得税法 第121条)

所得税の確定申告は、1 月 1 日から 12 月 31 日までの 1 年間に生じた所得の金額と、それに対する所得税等の額を計算して確定させる手続きです。所得税法 第121条 第1項は、給与等の金額が「二千万円以下」の人について、一定の場合は申告書を出さなくてよいと定めています。

その一定の場合が第1号です。1 か所の支払者から給与を受け、その給与の全部について源泉徴収か年末調整で所得税を引かれていて、給与と退職所得のほかの所得の合計が「二十万円以下」のときです。ただし、政令で定める場合(不動産などの資産を給与の支払者の事業に使わせて対価を受ける場合など)は除かれます。この条は所得税の話で、住民税の申告は地方税法 第317条の2 が別に定めています。

年末調整との関係

年末調整は、1 年間に給与から源泉徴収をした所得税の合計額を、その人が 1 年間に納めるべき税額と一致させる手続きで、給与の支払者が行います。越智(2024 年)は、年末調整の制度について「その他に副業収入などの申告事由がない限りその給与所得者は確定申告を行う必要がなくなる」と書いています。日本の給与所得者の制度を論じた論文で、要旨にはデータを集めたとは書かれていません。

税理士の団体と報酬の決まり

公正取引委員会「資格者団体の活動に関する独占禁止法上の考え方」は、税理士を含む 8 つの資格の団体について、「資格者団体が会員の収受する報酬について制限することについても、通常の事業者団体と同様に、独占禁止法上問題となる」としています。この考え方には、税理士の報酬の金額は書かれていません。

税理士の仕事の範囲と、税理士でない人の禁止

税理士は、税の申告などの業務のほか、その業務に付けて財務書類の作成や会計帳簿の記帳の代行なども仕事として行えます。記帳の代行は、日々の取引を帳簿に書く作業を代わりに行うことです。

一方で、「税理士又は税理士法人でない者」は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、税理士の業務をしてはいけません。国税庁は、税理士業務を行えるのは税理士、税理士法人、国税局長に通知をした弁護士と弁護士法人に限られ、その他の個人や法人が「有償・無償を問わず」税理士業務を行うと、第52条違反として罰せられると説明しています。

データで見る:令和7年分の確定申告のしかた

申告人員は、確定申告書を出した人の数です。令和7年分の申告人員は 2,353万人で、前年より 0.6%増えました。

e-Tax は、国税庁の国税電子申告・納税システムです。令和7年分の e-Tax の申告人員は 1,814万人で、申告人員の 77.1%でした。このうち、国税庁 HP の「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトを使って自宅から e-Tax で申告した人は 949万人(40.3%)、前年より 15.1%増えました。

77.1%は e-Tax 全体で、40.3%は自宅からの e-Tax です。2 つは別の数字です。確定申告会場で申告した人は 218万人で、前年より 12.9%減り、申告人員の 1 割を下回りました。

令和7年分の申告人員2,353万人のうち、e-Taxが1,814万人(77.1%)、自宅からe-Taxが949万人(40.3%)、確定申告会場が218万人(約9.3%)だったことを比べた表。
令和7年分の申告のしかた

事業所得は、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人の、その事業から生ずる所得です。事業所得者の納税人員(申告して税を納めた人の数)は 154万人で、前年より 30.6%増えました。

頼む側の相手になる税理士の数も見ておきます。税理士の登録者数は、令和2年度末の 79,404人から令和6年度末の 81,696人へ増えました(国税庁「税理士制度」。日本税理士会連合会調べ)。計算すると、81,696 − 79,404 = 2,292人の増加で、2,292 ÷ 79,404 × 100 ≒ 2.9%です。

税理士の登録者数は令和2年度末の79,404人から令和6年度末の81,696人へ、2,292人(約2.9%)増えたことを示す数字。
税理士の登録者数

研究で分かっていること:申告の手間と費用

税理士の報酬そのものではなく、申告にかかる手間の重さを調べた海外の研究が 2 つあります。どちらもランダム化の試験ではないので、分かったのは「関係」までです。

ドイツの納税者の調査(Blaufus ほか 2019 年)

Blaufus ほか(2019 年)が、ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州の納税者 18,000 人超を対象に、所得税の申告の手間を調べた研究では、納税者は申告に 9.13〜10.23 時間をかけ、€106 を支出していました。個人の負担を増やす要因として、税の助言を使うこと、不服の申し立て、所得、申告の複雑さ、学歴との関係がありました。

この数字はドイツの制度での結果で、日本の税理士の費用の目安にはなりません。州は 1 つだけで、本人が答える調査なので、覚え違いが入りえます。

米国の申告書のデータ(Benzarti 2020 年)

Benzarti(2020 年)が、米国の連邦所得税の申告書のデータを調べた研究では、納税者は申告の手間を避けるために、大きな節税を見送っていました。手間の重さは所得が高い人ほど大きいという関係がありました。著者は、この結果が時間の機会費用による説明と合うと書いています。機会費用は、その時間をほかに使えば得られた物のことです。

この研究は、米国の制度の控除の選び方(項目別控除と標準控除)を使っています。税理士の報酬を調べた研究でもありません。

2 つの研究の食い違い

1 つ目は手間の大きさです。Benzarti は、手間の重さは「調査で推し量った値よりかなり大きい」と書いています。Blaufus ほかも、調査で推し量った研究です(Benzarti の要旨には、Blaufus ほかの名前は出てきません)。

2 つ目は電子の申告です。Blaufus ほかは、電子の申告で納税者の負担が下がるとは確認できなかったと書いています。日本とドイツでは国も制度も違うため、この記事ではどちらが正しいかを決めません。

よそに無い物:申告の要否・申告のしかた・相手の確かめ方

表 A 所得税の確定申告が要るかの判断(所得税法 第121条 第1項)

対象: 給与を受け取っている個人。4 つとも当てはまれば、政令で定める場合(不動産などの資産を給与の支払者の事業に使わせて対価を受ける場合など)を除き、所得税の確定申告は要りません。1 つでも外れたら、申告が要るかを税務署や税理士に確かめます。

順 確かめること 条文の言葉
1 給与の金額が 2,000 万円以下か 「二千万円以下」
2 給与の支払者が 1 か所か 「一の給与等の支払者」
3 その給与の全部が源泉徴収か年末調整の対象か 「第百八十三条…又は第百九十条(年末調整)」
4 給与と退職所得のほかの所得が合計 20 万円以下か 「二十万円以下」

4 つ目は、副業の所得だけでなく、利子・配当・不動産・事業・譲渡・一時・雑所得などの合計です。「副業が 20 万円以下なら不要」と縮めると、1〜3 の条件が抜けてしまいます。住民税は別の決まりなので、所得税だけの判断です。

給与2,000万円以下、支払者1か所、給与の全部が源泉徴収か年末調整の対象、ほかの所得20万円以下の4つとも当てはまれば所得税の確定申告は要らないことを示す手順。
所得税の申告が要るかの判断

表 B 申告のしかたの実際(令和7年分)

対象: 令和7年分の所得税等の確定申告書を出した 2,353万人。元の数字は万人で丸めてあるので、計算した割合は目安です。

項目 人数 割合 割合の出し方
申告人員 2,353万人 — —
自宅から e-Tax 949万人 40.3% 原文の数字
うちスマホ 497万人 約 52.4%(自宅 e-Tax のうち) 497 ÷ 949 × 100 ≒ 52.4
確定申告会場 218万人 約 9.3%(申告人員のうち) 218 ÷ 2,353 × 100 ≒ 9.3

出典: 財務省『ファイナンス』2026年8月号。スマホでの申告は前年より 21.8%増えました。

税理士に頼むかを決める前に、自宅からの e-Tax という方法がどれくらい使われているかを知る材料になります。なお、紹介した『ファイナンス』の記事には、税理士に頼んだ人の数は載っていません。

手順 C 頼む前に、相手が税理士かを確かめる

国税庁は、税理士かどうかを確かめる方法を 3 つ挙げています。税理士証票は、税理士が登録を受けていることを示す証票です。

  1. 税理士証票を見せてもらう
  2. 日本税理士会連合会のホームページにある税理士情報検索サイトで検索する
  3. 日本税理士会連合会に電話で問い合わせる(03-5435-0931)

あわせて、税理士・税理士法人・国税局長に通知をした弁護士と弁護士法人のほかの人が税理士業務をすると、有償でも無償でも税理士法 第52条違反になることを知っておきます。

税理士証票、税理士情報検索サイト、日税連への電話、税理士法第52条の4点で相手が税理士かを確かめるチェックリスト。
相手が税理士かの確かめ方

自分の条件で確かめるチェック表

使い方: 自分の状況を右の欄に入れて、上から順に確かめます。

順 確かめること 記事の手がかり 自分の場合
1 所得税の確定申告が要るか 表 A の 4 つの条件(給与 2,000 万円以下・支払者 1 か所・源泉徴収か年末調整の対象・ほかの所得が合計 20 万円以下)  
2 自分で出す方法と比べたか 令和7年分は、申告人員の 40.3%が自宅から e-Tax で申告  
3 複数の税理士から書面で見積もりをもらったか 税理士は申告のほか記帳の代行なども行えるので、見積もりに入る仕事の範囲を書面で見る  
4 見積もりの条件をそろえたか 白色か青色か・記帳の代行まで頼むかを、どの見積もりでもそろえて比べる  
5 相手が登録した税理士か 税理士証票・税理士情報検索サイト・日本税理士会連合会への電話(手順 C)  

よくある質問:副業・白色と青色・税理士の確かめ方

会社員の副業は確定申告が要りますか?

表 A の 4 つの条件で判断します。年末調整を受けていても、副業収入などの申告の理由があれば確定申告が要る、という制度の形です。これは所得税の話で、住民税は別の決まりです。

個人事業主の白色と青色で、税理士の費用はどう変わりますか?

この記事では金額を載せていません。検索の上位に出る記事の数字には出典が書かれていないので、同じ条件で複数の税理士から書面の見積もりをもらい、比べます。参考として、令和7年分の事業所得者の納税人員は 154万人で、前年より 30.6%増えました。

頼む相手が登録した税理士かは、どう調べますか?

手順 C のとおり、税理士証票、税理士情報検索サイト、日本税理士会連合会への電話(03-5435-0931)の 3 つの方法があります。

税理士事務所と税理士法人はどう違いますか?

税理士法 第52条は、「税理士又は税理士法人でない者」は、この法律に別段の定めがある場合を除いて税理士業務をしてはならないと定めています。どちらに頼む場合も、税理士の業務をしてよい相手です。

税理士の事務所の収入に、男女で差があるのはなぜですか?

鵜沢(2009 年)が日本の税理士を対象に、女性の税理士の報酬が男性より低い傾向の理由を調べた研究では、税理士の仕事の性別による分業が、日本の社会の性別の固定観念を映していることが示唆されました。要旨には実証の研究と書かれていますが、方法と人数は要旨では確かめられません。2009 年の研究で、依頼する側の費用を調べた物ではありません。

次に読む

法人で顧問・記帳代行・決算まで頼みたい人に向けた記事です。

このサイトで次に調べる候補: 税理士 確定申告 費用 個人事業主(白色や青色の申告を税理士に頼むと、費用が何で変わるかを知りたい人向け)

出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

  1. 財務省『ファイナンス』2026年8月号(国税庁「令和7年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」令和8年5月公表 の紹介). https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202608/202608c.html
  2. 国税庁『税理士制度』税理士登録者数(令和6年度). https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/seido2.htm
  3. 所得税法 第121条. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=340AC0000000033;article=121
  4. 税理士法 第2条. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=326AC1000000237;article=2
  5. 税理士法 第52条. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=326AC1000000237;article=52
  6. 国税庁 タックスアンサー No.9204 にせ税理士にご注意. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9204.htm
  7. Blaufus, K., Hechtner, F., Jarzembski, J. K.(2019)「The Income Tax Compliance Costs of Private Households: Empirical Evidence from Germany」Public Finance Review 47(5). https://doi.org/10.1177/1091142119866147
  8. Benzarti, Y.(2020)「How Taxing Is Tax Filing? Using Revealed Preferences to Estimate Compliance Costs」American Economic Journal: Economic Policy 12(4). https://doi.org/10.1257/pol.20180664
  9. 越智美智子(2024)「給与所得者における実額控除の機会の拡大について -特定支出控除制度のありかたの検討を中心に-」生活経済学研究 60. https://doi.org/10.18961/seikatsukeizaigaku.60.0_17
  10. 鵜沢由美子(2009)「税理士《場》における事務所収入の男女差を生むメカニズム」労働社会学研究 10. https://doi.org/10.20750/jjals.10.0_34
  11. 公正取引委員会「資格者団体の活動に関する独占禁止法上の考え方」(平成13年10月24日公表・平成22年1月1日改正). https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/shikakusha.html
  12. 国税庁 タックスアンサー No.2020 確定申告. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm
  13. 国税庁 タックスアンサー No.2662 年末調整のしかた. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2662.htm
  14. 国税庁 タックスアンサー No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1350.htm
  15. 国税庁「e-Tax 国税電子申告・納税システム」. https://www.e-tax.nta.go.jp/
  16. 地方税法 第317条の2. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=325AC0000000226;article=317_2

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

「税理士の探し方ノート」の記事をすべて見る(3 本)→

スポンサーリンク