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中小企業の経理の年収、10~99人は月給が大企業の90.0%・賞与が62.2%

中小企業の経理の年収、10~99人は月給が大企業の90.0%・賞与が62.2%
2026-10-20 公開・2026-10-21 更新

この記事の要点

  • 中小企業の経理の年収の目安は、従業員100~999人の会社で約506.4万円、10~99人の会社で約470.9万円です。1,000人以上の会社では約579.7万円です(厚生労働省『賃金構造基本統計調査』令和7年 職種第1表「会計事務従事者」。きまって支給する現金給与額×12+年間賞与で出した自前の計算)。
  • 割合で見ると、差は賞与に大きく出ます。10~99人の会社の年間賞与は大企業の62.2%(810.9÷1302.7)です。残業代を除く月給(所定内給与額)は、100~999人と10~99人がどちらも312.6千円で、大企業の90.0%です。
  • 公式の表で並べると、全職種の賃金は大企業を100とすると小企業(10~99人)で79.4なのに、経理の残業代を除く月給は10~99人でも大企業の90.0%で、月給の差が全職種より小さいのは、調べて分かった意外な点です。
  • 10~99人の会社の経理の平均年齢は47.3歳で、大企業より4.8歳上です。そのため、この比べ方は年齢をそろえたものではありません。会社の大きさと賃金の結びつきも、研究では「関係があった」の段階です。求人票では、賞与の月数と前年の実績、残業時間を確かめてください。
この記事の目次(8)
  1. 結論:中小企業の経理の年収は大企業の約8~9割で、差の出方は会社の大きさで違う
  2. 「中小企業」の数え方と給与の言葉の意味
  3. データで見る経理の企業規模別の数字
  4. 研究で分かっていること:会社の大きさと賃金の関係
  5. 年収の差を3つの内訳に分けた表と、求人票で確かめる項目
  6. よくある質問
  7. 次に読む
  8. 出典

求人を「5年後の職務経歴書に書ける経験」で比べる記事: 経理の転職で、ヒュープロの求人を「5年後の職務経歴書に足せる1行」で読み比べる表

結論:中小企業の経理の年収は大企業の約8~9割で、差の出方は会社の大きさで違う

年収の目安を大企業(1,000人以上)と比べると、10~99人の会社は81.2%(4708.5÷5796.7)、100~999人の会社は87.4%(5064.0÷5796.7)です。割合で見ると、月給より賞与の差のほうが大きくなります。円の額で見た差の内訳は、会社の大きさによって違います。

この年収の目安は、2つの期間の数字を足したものです。月額は2025年6月分で、賞与は原則として2024年1~12月の1年分です。

会計事務従事者の年収の目安は、1,000人以上で579.7万円、100~999人で506.4万円、10~99人で470.9万円。
経理の年収の目安(規模別)

「中小企業」の数え方と給与の言葉の意味

「中小企業」の区切り方は3通りある

1つ目は中小企業基本法です。第2条第1項第1号では、製造業・建設業・運輸業などの業種について、「資本金の額又は出資の総額が三億円以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人以下の会社」を中小企業としています。ほかの業種には別の号に基準があります。

2つ目は、この記事で使う厚生労働省の賃金構造基本統計調査です。この調査は「常用労働者1,000人以上を「大企業」、100~999人を「中企業」、10~99人を「小企業」に区分している」としています。統計の「100~999人」には、人数だけでは、法律の中小企業に入るかどうか分からない会社も入っています(法律は資本金の額でも判定し、人数の基準は業種で違うため)。

3つ目は国税庁の民間給与実態統計調査です。この調査は、会社の大きさを人数ではなく資本金で分けています。

給与の3つの言葉

  • きまって支給する現金給与額:毎月の給与の額です。基本給や手当に加えて、残業代などの超過労働給与額も入ります。
  • 所定内給与額:きまって支給する現金給与額から、超過労働給与額を引いた額です。この記事では「残業代を除く月給」と呼びます。
  • 年間賞与その他特別給与額:1年間に出た賞与などの額です。

(言葉の意味は厚生労働省「賃金構造基本統計調査 主な用語の定義」と、年間賞与については「賃金構造基本統計調査 調査の概要」で確かめてください。)

データで見る経理の企業規模別の数字

下の表は、職種第1表の「会計事務従事者」(男女計)の行を写したものです。会計事務従事者は、経理事務員のほか、現金出納や預貯金の窓口の事務員なども入る職種で、経理だけの数字ではありません。

企業規模 平均年齢 月の残業時間 きまって支給する現金給与額 所定内給与額 年間賞与 労働者数
規模計(10人以上) 44歳 8時間 342.5千円 321.3千円 1012.4千円 46603十人
1,000人以上 42.5歳 10時間 374.5千円 347.4千円 1302.7千円 11622十人
100~999人 42.1歳 9時間 338.1千円 312.6千円 1006.8千円 18762十人
10~99人 47.3歳 5時間 324.8千円 312.6千円 810.9千円 16220十人

この表に出てくる経理のうち、999人以下の会社で働く人は75.1%です((18762+16220)÷46603、同じ表)。10~99人の会社では、きまって支給する現金給与額は大企業の86.7%(324.8÷374.5)です。

全職種と比べると、経理の月給の差の特徴が分かります。全職種の賃金は、大企業を100とすると中企業が84.7、小企業が79.4です。経理の所定内給与額は、中企業・小企業ともに大企業の90.0%で、全職種より差が小さくなっています。

国税庁の数字は、全職種を資本金で分けたものです。株式会社の平均給与は、資本金2,000万円未満で415.7万円、10億円以上で691.7万円です。正社員だけで見ると、2,000万円未満が442.1万円、10億円以上が780.9万円です。経理だけの数字ではなく、区切り方も厚生労働省とは違います。

経理の所定内給与額は中企業・小企業とも90.0、賞与は中企業77.3・小企業62.2で、全職種の賃金の格差は84.7と79.4。
大企業を100とした比

経理の賞与の比は、100~999人が77.3%(1006.8÷1302.7)、10~99人が62.2%(810.9÷1302.7)です。

研究で分かっていること:会社の大きさと賃金の関係

仕事の質や職業をそろえても、企業規模と賃金に関係があった

瀬戸(2022年)は、OECDの国際成人力調査(PIAAC)のデータを使って調べました。この研究では、仕事の質は一部を除いて企業規模では決まらず、職業や能力、雇用形態で説明できました。一方で、仕事の質や雇用形態、職業を統制しても、企業規模と賃金には関係がありました。

「統制」は、比べる時にほかの条件をそろえることです。この研究は観察による分析なので、会社の大きさが賃金を上げる原因だとまでは言えません。また、経理だけを分けた分析ではありません。

約200人の会社1社では、早期の選抜と年功的な処遇が見られた

松繁ほか(2005年)は、従業員約200人の食品製造の会社1社で、5年分の人事データを使って調べました。この研究では、早期の選抜と年功的な処遇が見られました。「年功的」は、勤めた年数に応じて処遇が上がることです。

対象は1社だけで、経理を分けて分析していません。2005年の研究です。

男性では差の約半分強が純粋な規模の差、女性では観察されなかった

これは査読のある誌の論文ではなく、大阪大学の博士論文です。奥井(1998年)は、同じ人を何年か追ったデータで調べました。その結果、男性では規模の間の賃金の差の約半分強が純粋な規模の差で説明できました。女性では純粋な規模の差は観察されず、差のほとんどは能力の差でした。

1998年の論文なので、扱うデータはそれ以前のものです。

研究の結果をどう読むか

瀬戸(2022年)は、会社の大きさと賃金に独自の関係があることを示しました。奥井(1998年)では、差の一部(女性ではほとんど)が人の違いによるものでした。どちらの研究からも、「大きい会社に移れば同じ人の年収が上がる」とは言えません。そのため、平均の差を見るだけでなく、応募する会社の賞与の実績や残業時間を自分で確かめることが大切です。

年収の差を3つの内訳に分けた表と、求人票で確かめる項目

大企業との年収の差は、月給・残業代など・賞与のどこに出るか

表の前提:経理(会計事務従事者・男女計)で、1,000人以上の会社と比べた場合です。単位は千円で、月額の差は12倍して年額にしています(厚生労働省『賃金構造基本統計調査』令和7年 職種第1表から自前の計算)。

内訳 1,000人以上 − 10~99人 差全体に占める割合 1,000人以上 − 100~999人 差全体に占める割合
残業代を除く月給(所定内給与額) (347.4−312.6)×12=417.6 38.4% (347.4−312.6)×12=417.6 57.0%
残業代など(きまって支給−所定内) ((374.5−347.4)−(324.8−312.6))×12=178.8 16.4% ((374.5−347.4)−(338.1−312.6))×12=19.2 2.6%
賞与 1302.7−810.9=491.8 45.2% 1302.7−1006.8=295.9 40.4%
合計(年収の目安の差) 417.6+178.8+491.8=1088.2 100% 417.6+19.2+295.9=732.7 100%

10~99人の会社では、差のうち賞与が45.2%で最も大きな部分です。100~999人の会社では、円で見ると月給の差(57.0%)が賞与の差(40.4%)より大きくなります。割合では両方の規模で賞与の差が大きいですが、円の額で賞与が差の中心になるのは10~99人の会社です。

残業代などの差は、10~99人の会社で178.8千円です。月の残業時間は、1,000人以上で10時間、100~999人で9時間、10~99人で5時間です。

平均年齢は、10~99人の会社が47.3歳、1,000人以上が42.5歳で違います。そのため、この表は同じ人の年収を比べた差ではありません。

求人票で確かめる項目

平均の差は、会社ごとの差までは示しません。研究でも「関係があった」の段階なので、応募する会社の数字を自分で確かめます。

賞与の月数と前年実績、想定年収に賞与が入るか、残業時間、平均年齢、会社の大きさの示し方を確かめる。
求人票で確かめる項目

よくある質問

「中小企業」は何人までの会社のことですか

法律と統計で区切り方が違います。中小企業基本法では、製造業などの業種なら資本金3億円以下か従業員300人以下の会社です。賃金構造基本統計調査では100~999人を中企業、10~99人を小企業としています。国税庁の調査は資本金で分けています。

中小企業から大企業に移れば、年収は上がりますか

研究で分かっているのは、会社の大きさと賃金に「関係があった」というところまでです。同じ人を追った奥井(1998年)では、男性は差の約半分強が純粋な規模の差でしたが、女性では純粋な規模の差は観察されませんでした。移った人の年収がどうなるかは、応募する会社の賞与の実績や残業時間で確かめてください。

経理の年収500万円・600万円は、統計で見てどのくらいですか

経理の年収の平均の目安は、1,000人以上で579.7万円、100~999人で506.4万円、10~99人で470.9万円です(厚生労働省『賃金構造基本統計調査』令和7年 職種第1表から自前の計算)。500万円は100~999人の平均の目安に近い額です。600万円は1,000人以上の平均の目安を上回ります。どちらも平均と比べた位置で、全体の中で何番目にあたるかを示すものではありません。

経理の年収は男女でどのくらい違いますか

ここで示せるのは、全職種で資本金2,000万円未満の株式会社の値です。平均給与は男性501.3万円、女性289.2万円でした。これは経理だけの値ではありません。奥井(1998年)では、規模の間の差の出方も男女で違っていました。

転職サービスに手数料を払う必要はありますか

原則として払う必要はありません。職業安定法では、有料職業紹介事業者は「求職者からは手数料を徴収してはならない」と定めています。ただし、厚生労働省令で定める場合には手数料を取れるという、ただし書きがあります。

次に読む

このサイトで次に調べる候補: 経理 年収 相場(求人票の年収が、統計で見て高いか低いかを確かめたい人向け)

出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

  1. 厚生労働省『賃金構造基本統計調査(職種)第1表 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)』令和7年. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421116&fileKind=4
  2. 厚生労働省『賃金構造基本統計調査 結果の概況 第4表』令和7年. https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/dl/04.pdf
  3. 国税庁『民間給与実態統計調査 第6表 その3 平均給与』令和7年分. https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2025/excel/2025_06.xlsx
  4. 瀬戸 健太郎(2022)「企業規模は仕事の質と賃金の配分をどのように規定するのか ―二重労働市場からのアプローチ―」社会学評論 73(3). https://doi.org/10.4057/jsr.73.230
  5. 松繁 寿和・柿澤 寿信・中嶋 哲夫・梅崎 修・岩田 憲治・井川 静恵(2005)「中小企業における査定,昇格,貨金格差」日本労務学会誌 7(2). https://doi.org/10.24592/jshrm.7.2_28
  6. 奥井 めぐみ(1998)「日本の賃金格差に関する実証分析」大阪大学 博士論文. https://doi.org/10.11501/3144103
  7. 中小企業基本法 第2条第1項第1号(e-Gov 法令). https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/338AC0000000154
  8. 職業安定法 第32条の3第2項(e-Gov 法令). https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000141
  9. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査 主な用語の定義」. https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/yougo.html
  10. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査 調査の概要」. https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou_b.html
  11. 総務省「日本標準職業分類」平成21年. https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/shokgyou/kou_h21.htm

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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