看護師の転職時期おすすめ:12月の求人倍率2.31倍は、求人が増えたのではなく探す人が減ったから

2026-10-22 公開・2026-11-04 更新
この記事の要点
- 看護師の転職時期でおすすめの月は、探す人が少ない12〜3月です。この間のハローワークの看護職の求人倍率は2.12〜2.31倍です。4〜6月の1.83〜1.91倍より高い数字です。
- ただし求人の数は、年の中でほぼ同じです。仕事を探す人は、多い5月が少ない12月より約26%多く、それで倍率が動きます。
- 月より差が大きいのは入った後です。2024年度に既卒で採用された看護職の離職率は16.1%で、新卒の8.4%の約2倍でした。
この記事の目次(6)
- 結論:看護師の転職時期のおすすめは探す人が少ない12〜3月、ただし差が大きいのは入った後
- 4月以外に入職したい人の逆算表
- よくある質問
- 次に読む
- もっと知りたい人へ:施設の種類・転職後に辞める割合・研究
- 出典
結論:看護師の転職時期のおすすめは探す人が少ない12〜3月、ただし差が大きいのは入った後
数字で答えると、探す人1人あたりの求人が多いのは12〜3月です。求人は1年でほぼ変わらず、仕事を探す看護職が冬に減るので、倍率(求人÷探す人)が上がります。なので冬は、同じ求人を取り合う相手が少なくなります。下の表の上の2行は倍率です。下の2行は、求人はほとんど動かず、探す人が大きく動くことを示します。
| 見た物 |
数字 |
| 倍率が高い月(2025年12月〜2026年3月) |
2.12〜2.31倍 |
| 倍率が低い月(2025年と2026年の4〜6月) |
1.83〜1.91倍 |
| 求人の多い月と少ない月の差(2025年3月と11月) |
約5%しか差がない |
| 探す人の多い月と少ない月の差(2025年5月と12月) |
約26%の差がある |
下の図の求人と探す人は、その月にハローワークで受け付け中の数(有効求人・有効求職者)です。12月の2.31倍と、5月の1.84倍を見比べてください。
看護職の月別の求人と探す人
公式の表を並べると、倍率が最も高い12月の求人は、年の中でも少ない方でした。
この数字で分かること・分からないことは、次のとおりです。
- 分かること: 探す人1人あたりの求人の多さ。12月は2.31件で、5月の1.84件より多い。
- 分からないこと: 採用されるかどうかと、月ごとの給料や休みの条件の違い。
条件の良い求人かは、月ではなく、求人ごとの給料・休み・残業・勤務表の出る日で見ます。
この数字は「保健師,助産師,看護師」の行で、ハローワークに出た分だけを数えています。転職サイトに載っている求人の数とは別の数字です。
例:4月1日に入職したい人
日付の順に並べると、次のとおりです。
- 12月: 求人を比べ始めます。12〜2月の倍率は2.21〜2.31倍で、年の中で高い月です。
- 12月: 冬の賞与を受け取ってから申し出ても、4月1日に間に合います。
- 12月: 賞与の支給日に職場にいることが条件かは、就業規則で確かめます。
- 2月: 就業規則に「退職の1か月前まで」とあれば、2月中に申し出ます。
- 3月17日: 法律で辞められる、ぎりぎりの日です(数え方は下のよくある質問に)。
- 3月31日: 退職
- 4月1日: 入職
12月ごろから求人を比べ始めると、2月の申し出までに約3か月とれます。
入った後に続けられる職場の見分け方
月よりも差が大きいのは入った後です。既卒で採用された看護職は、新卒の約2倍の割合で辞めています。
続けられる職場かは、残業と勤務表の出る日で見分けます。子育て中の女性看護師の全国調査では、次の2つに当たる人で、辞めたい気持ちが高めでした。
- 残業が週8時間を超える
- 勤務表が1〜3日前にしか出ない
聞きにくいことを代わりに聞いてもらうには
残業と勤務表の2つは、面接では聞きにくいことです。そういう時は、紹介会社の担当に、聞きたいこととして伝えておけます。夜勤のある人が一人で求人を読み比べるのは大変です。レバウェル看護の公式のよくある質問には、「あなたのご希望をお伝えいただければ、あなたに代わって医療機関と交渉いたします。」とあります。公式サイトには、「登録から転職後サポートまで無料です」「情報収集のみのご相談でもご利用ください」と書かれています。次の記事では、最初の電話で伝える3つ(電話してよい時間・希望しない科・今の職場への連絡)をまとめました。
夜勤明けに一人で求人を読み比べる前に、レバウェル看護で確かめる3つ
4月以外に入職したい人の逆算表
4月以外に入職したい人向けの表です。4月に入りたい人は、この節を飛ばして、下のよくある質問へ進んでください。
申し出の日は、まず就業規則の日数で決めます。下の表に自分の日付を入れ、上から順に埋めます。
転職時期の逆算表
埋め方は、次のとおりです。
- 退職の日: 入職したい日より前に置きます。
- 申し出の日: 就業規則の日数で決め、法律の日と並べます。
- 倍率: 上の月別の図から写します。
訪問看護など病院以外へ移る人は、倍率が違います。下のよくある質問に載せました。
よくある質問
転職サイトには辞める何か月前に登録するか
4月1日に入職したい人は、上の「例:4月1日に入職したい人」のとおり、12月ごろから比べ始めます。ほかの月に入りたい人も、入職したい日から逆に数えます。就業規則の日数と法律の14日を並べ、その前に求人を比べる期間を置きます。
紹介会社を使うと、決まっていることはあるか
紹介会社は、自社の紹介で、期間の定めのない雇い方(無期雇用)で就職した人に、就職から2年間は転職を勧めてはいけないと国の指針で決まっています。また、紹介で無期雇用として就職した人の数と、そのうち6か月以内に辞めた人の数を示すことになっています。
夜勤なしの職場へ移るとき、何を確かめるか
上の「入った後に続けられる職場の見分け方」の2つ(残業と勤務表の出る日)です。
訪問看護など病院以外へ移ると、時期の考え方は変わるか
ハローワークの月別の数字は、施設の種類ごとには出ていません。そのため、何月がよいかの考え方は同じで、入職したい日から逆に数えます。違うのは倍率の高さで、ナースセンターの分析では、訪問看護ステーションは4.54倍、500床以上の病院は1.93倍でした。
辞めたい理由で時期は変わるか
辞めたい理由で、何月がよいかの統計は変わりません。理由が子育てや転居なら、家族の予定に合わせて入職したい日を先に決め、そこから逆に数えます。ナースセンターの分析では、働いている看護職の辞めたい理由で最も多いのは「看護職の他の職場への興味」でした。ほかに子育て・転居・自分の健康・結婚・勤務時間が長いことなども挙がっています。
次の職場を決める前に辞めたら、失業給付はいつ出るか
次の職場を決める前に辞める人だけの話です。手続きから約1か月と1週間は、失業給付が出ません。待期7日と、原則1か月の給付制限があるためです。
法律の14日の数え方と、失業給付が出るまでの順を見る
**法律の14日の数え方**
法律上の退職は、申し出が伝わった日の翌日を1日目として、14日が経った時に成立します。例: 3月17日に伝われば、3月18日が1日目です。3月31日の終わりで14日が経ちます。
**先に辞める人の失業給付**
転職先が決まる前に辞めると、失業給付はすぐには出ません。
- 手続きの日(受給資格決定日): ハローワークで手続きをして、給付を受けられると決まった日です。
- 待期: その日から7日間は、給付が出ません。
- 給付制限: 自己都合で辞めた人は、待期の後もしばらく出ません。2025年4月1日以降の退職は原則1か月、5年以内に2回以上なら3か月です。
申し出から失業給付までの順
次に読む
在職中のまま0円で相談できるかを先に確かめたい人は次の記事へ。
移る前に、いまの給料が統計でどう変わってきたかを見たい人は次の記事へ。
このサイトで次に調べる候補: 看護師 転職先 病院以外(病院の外へ移ると何が変わるかを知りたい人向け)
もっと知りたい人へ:施設の種類・転職後に辞める割合・研究
施設の種類の表と、研究の中身は、下の欄にあります。
施設の種類の表・離職率の図・3つの研究の中身を見る
**施設の種類の差(別の統計)**
| 施設の種類 | 求人倍率(2024年度) |
|---|---|
| 訪問看護ステーション | 4.54倍 |
| 病院(20〜199床) | 3.00倍 |
| 病院(200〜499床) | 2.49倍 |
| 病院(500床以上) | 1.93倍 |
| 全体 | 2.51倍 |
これは日本看護協会が、都道府県ナースセンターの登録データを分析した数字です。全体の2.51倍は2015年度以来の高い水準でした。上のハローワークの月別とは別の統計なので、そのまま並べて比べることはできません。
**転職した後に辞める割合**
既卒で採用された人の方が新卒より辞める割合が高い状態は、2013年度と2024年度の2つの調査で同じでした。
採用された看護職の離職率
2024年度の数字は、日本看護協会の2025年病院看護実態調査によるものです。全国の病院8,022施設の看護部長に依頼し、3,502施設が答えました。答えた施設の割合は43.7%です。
**求人倍率の年の平均と、数え方**
年の平均では、2023年が2.02倍、2024年と2025年が2.05倍です。年ごとの差は小さく、差が出るのは年の中の月ごとです。2021年9月以降の数字は、ハローワークに来ずにオンラインで求職登録した人も含みます。
**研究で分かっていること**
伊東ほか(2017年)の全国の病院への調査では、2013年度の採用年度内の離職率は既卒17.9%、新卒7.9%でした。既卒の方が高く、特に100床未満の病院で既卒の人が辞めやすい傾向がありました。既卒で病院へ移る人、とくに小さな病院を考える人には当てはまりやすく、新卒で入る人には当てはまりません。
坂本ほか(2023年度)の調査では、中規模病院へ中途で入った看護師の職務満足度(仕事への満足の度合い)は、経験年数が長いほど低い結果でした。生活スタイルや働き方への満足・家庭と仕事の両立・教育歴に合わせた支援と関係がありました。経験の長い人が中規模病院へ移る時の確認点にはなります。採用されやすさを測った研究ではないので、何年目に動くと受かりやすいかには当てはまりません。
Zhengほか(2026年)の全国の調査では、18歳未満の子がいる女性看護師のうち、次の人で辞めたい気持ちが高いという関係がありました。
- ひとりで子を育てている人
- 16〜18歳の子がいる人
- 残業が週8時間を超える人
- 勤務表が1〜3日前にしか出ない人
子育て中の看護師には当てはまりやすく、子のいない人には当てはまりません。また、何月に移るとよいかを示した研究ではありません。
| 研究 | 調べ方 | 対象と人数 | 分かったこと | 限界 |
|---|---|---|---|---|
| 伊東ほか(2017年) | 1回だけ質問紙で聞いた調査 | 全国の病院の看護部門。246施設の回答 | 採用年度内の離職率は既卒17.9%、新卒7.9%で、既卒の方が高い | 答えたのは看護部門で本人ではない |
| 坂本ほか(2023年度) | 1回だけ質問紙で聞いた調査 | 1県の中規模30病院の中途採用看護師。入職4年以内の