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確定申告の帳簿の保存期間は7年と5年。残さないと収入300万円以下の副業は事業所得ではなく雑所得に

確定申告の帳簿の保存期間は7年と5年。残さないと収入300万円以下の副業は事業所得ではなく雑所得に
2026-10-22 更新

この記事の要点

  • 確定申告の帳簿の保存期間は、青色申告なら帳簿が7年、請求書や見積書などの書類が5年です。白色申告なら法定帳簿が7年、それ以外が5年です。
  • 帳簿書類を残していないと、副業などの所得は事業所得ではなく業務に係る雑所得になります。例外は、収入金額が300万円を超え、事業と認められる事実もある場合だけです。
  • 所得税の調査等は1年で73.6万件あり、およそ半数の36.9万件で申告漏れ等が見つかりました。
この記事の目次(8)
  1. 自分の保存年数は、2つの問いで決まる
  2. 混同しやすい300万円の3つの線
  3. 所得税の調査等は年73.6万件、半数で申告漏れ等
  4. 帳簿に書いた売上が少ないと、加算税が上乗せされる
  5. よくある質問
  6. 次に読む
  7. 研究で分かっていること: 帳簿の不備は調査の後に響きやすい
  8. 出典

自分が青色か白色か、どの年数かを決める表は、この下の節にあります。決めた後に残る困りごとは、白色申告の収支内訳書を0円のプランで作れるのか、作る前に何を確かめるかです。次の記事で調べています: やよいの白色申告オンラインのフリープランで収支内訳書を0円で作ることを説明した記事

自分の保存年数は、2つの問いで決まる

青色申告か白色申告かを決め、その列を読めば、残す年数が分かります。基本は、帳簿が7年、請求書などの書類が5年です。

  1. 青色申告をしていますか。している人は、青色の列を見ます。
  2. していない人は、白色の列を見ます。
書類の種類ごとに、青色申告と白色申告で何年保存するかを並べた表です。
青色と白色の保存年数

青色と白色で違うのは、決算関係書類と、領収証や通帳などの年数です。

帳簿と書類は何が違うか

帳簿は日々の取引を書き付けた物で、書類は取引の証拠として受け取った物・出した物です。会計ソフトで作る仕訳帳や総勘定元帳は、帳簿にあたります。

  • 青色の帳簿: 仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳・売掛帳・買掛帳・経費帳・固定資産台帳など
  • 白色の法定帳簿: 記帳の決まりに基づいて作らなければならない帳簿で、7年です。法定帳簿ではなく、自分の判断で付けている帳簿は任意帳簿で、5年です。
  • 現金預金取引等関係書類: 領収証・小切手控・預金通帳・借用証など
  • その他の書類: 請求書・見積書・契約書・納品書・送り状など

年数が変わる人

次の2つに当てはまる人は、年数が変わります。

  • 青色で、領収証などが5年になるのは、前々年分(今年が2026年なら2024年分)の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下の人です。
  • 消費税の課税事業者は、仕入税額控除(買ったときに払った消費税を差し引く仕組み)のために残す請求書等と、自分が交付したインボイスの写しを、ほかの決まりにかかわらず7年残します。
国税庁「所得税基本通達35-2(令和4年10月7日改正 新旧対照表)」の「所得税基本通達新旧対照表」の切り抜き。(業務に係る雑所得の例示) 35-2 次の300万の所を赤い枠で囲んでいます。
出典: 国税庁「所得税基本通達35-2(令和4年10月7日改正 新旧対照表)」(2026-10-22 撮影)

白色申告の保存の対象には、所得税の申告が要らない人も含まれます。

Excelや会計ソフトのデータなど、紙ではなくデータでやり取りした取引は、残し方の決まりが別です。国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトは、特に「電子取引」を確かめるよう案内しています。

混同しやすい300万円の3つの線

所得金額は経費を引いた後の額、収入金額は経費を引く前の額です。この違いを押さえて、当てはまる行を探してください。自分に関係するのは多くの場合1つだけです。

  • 青色の人: 前々年分の事業所得と不動産所得の所得金額が300万円以下なら、領収証・通帳などは7年が5年になります。
  • 業務の雑所得がある人: 前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超えるなら、領収証・通帳などを5年保存します。
  • 副業で帳簿を付けていない人: その所得の収入金額が300万円を超え、事業と認められる事実もあれば、雑所得にならない例外です。
300万円の線が3つあり、それぞれ比べる金額と変わることが違うことを示す表です。
300万円の3つの線

3つ目の線が、この記事でいちばん伝えたい点です。所得税基本通達35-2は、帳簿書類の保存が無い所得を、業務に係る雑所得として扱うと定めています。保存は調査に備えるためだけでなく、所得の区分そのものを左右します。

帳簿を付けていないと、事業所得になりませんか

帳簿書類の保存が無ければ、原則として業務に係る雑所得になります。白色でも、事業所得などがある人は記帳と保存の対象で、法定帳簿は7年残します。

所得税の調査等は年73.6万件、半数で申告漏れ等

帳簿が見られる場面は少なくありません。令和6事務年度(国税庁の調査の1年間)の所得税の調査等は73.6万件で、前の年の60.5万件から増えました。

所得税の調査等の件数、申告漏れ等の件数、実地調査の件数、実地調査1件あたりの追徴税額を並べた図です。
所得税の調査等(1年)

調査等のおよそ2件に1件で申告漏れ等が見つかったのは、公式の数字を並べて分かった意外な点です。ただし調査等の9割超は、書類の確認や連絡などの簡易な接触で、自宅や事務所に来る実地調査ではありません(68.9万件 ÷ 73.6万件 = 約93.6%)。

申告をしていない人への実地調査では、1件あたりの追徴税額が524万円で、過去最高でした。241万円も524万円も平均の額で、誰かが払う額の見込みではありません。

帳簿に書いた売上が少ないと、加算税が上乗せされる

帳簿に書いた売上が本来の売上の2分の1未満なら、過少申告加算税(申告が少なかったときの上乗せ税)の割合に10%が加わります。たとえば本来の売上2,000万円のうち800万円しか書いていないと、記載率は40%で、10%の上乗せです。

使い方: 自分の帳簿に書いた売上と、本来書くべき売上を入れて、記載率を出します。

保存年数や加算税が変わる条件を4つの問いで確かめるチェックリストです。
年数が変わる4つの確かめ
記載率(帳簿に書いた売上 ÷ 本来書くべき売上) 過少申告加算税への上乗せ
帳簿を見せない、または2分の1未満 新たに納める税金 × 10%
2分の1以上、3分の2未満 新たに納める税金 × 5%
3分の2以上 この上乗せは無し
例: 800万円 ÷ 2,000万円 = 40% 2分の1未満なので+10%(申告漏れの1,200万円に対して新たに納める所得税額が基礎)

式: 上乗せ分 = 新たに納める税金 × 10%(または5%)。上乗せされるのは過少申告加算税の割合で、所得税や消費税の本税の割合は上乗せされません。調査で帳簿を見せられなければ、この10%が上乗せされます。直接の資料が無い場合は、間接的な資料から推計して課税される方式もあります。

よくある質問

青色申告を初めてする人は、何を何年残しますか

仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳などの帳簿と決算関係書類は7年、請求書・見積書・契約書などは5年です。領収証や通帳は7年で、前々年分の事業所得と不動産所得の金額が300万円以下なら5年です。

Excelや会計ソフトのデータのまま残してよいですか

データでやり取りした取引は、紙とは別の決まりがあります。国税庁の電子帳簿等保存制度の特設サイトで、特に「電子取引」の項目を確かめてから残し方を決めてください。

間違いに気づいたら、何年前までさかのぼって直せますか

税金を多く払いすぎていたときの更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内です。書類を処分する前に、何年分を直す可能性があるかを考えておくと、5年の年数とつながります。

次に読む

年数が決まった後の困りごとは、どの帳簿を付けるか、白色の収支内訳書を0円で作れるかです。次の2本で答えています。

研究で分かっていること: 帳簿の不備は調査の後に響きやすい

帳簿の不備は、調査に選ばれるかより、調査の後の結果に響きやすいことを示す研究があります。「記帳が悪いと調査で不利」という一般の見方とは、半分が合い、半分が食い違います。保存の年数そのものは法令で決まるので、この記事の年数は国税庁の表に置いています。

研究の読み方

研究 調べ方 対象と人数 分かったこと 限界
Evansほか(2006年) フォーカスグループと質問紙 豪州の小規模事業者の経営者500人超、税理士など300人超、税務当局の調査官の少数 記帳が悪いことだけでは調査に選ばれやすいとは限らなかった一方、調査を受けた後は記録が悪い事業者ほど結果が悪くなりやすい関係があった 記帳の良し悪しは本人の自己評価。UNSWのATAXのDiscussion Paper。日本の制度とは違うので、日本の調査の選ばれ方にそのまま当てはまるとは言えない
吉田・山本(2007年) 判例の事例の研究 豆腐や竹輪の製造の判例 食品製造業の小規模零細企業の推計課税(直接の資料によらず、間接的な資料で課税の基になる額を認定する方式)では、同業者の平均所得率から推計する比率法はなじまないと論じた。帳簿が無いときに推計で課税されることがある、という意味で読む 帳簿が無ければ推計になると言い切る物ではない。事例は食品製造業の少数で、業種の違う人にはそのまま当てはまらない
成宮(2018年) 制度の文献の考察 法人が中心 法人では青色申告が約90%に普及しているが、形だけの記帳ではなく会計に基づいた記帳が必要だと論じた 実証のデータは無い。個人事業主や副業の人にはそのまま当てはまらない

3本とも要旨で確かめた範囲です。

出典

  1. 国税庁「タックスアンサー No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2080.htm
  2. 国税庁「暮らしの税情報(令和8年度版)記帳や帳簿等保存・青色申告」. https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_2.htm
  3. 国税庁「所得税基本通達35-2(令和4年10月7日改正 新旧対照表)」. https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/221007/pdf/01.pdf
  4. 国税庁「タックスアンサー No.2026 確定申告を間違えたとき」. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm
  5. 国税庁「帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A」. https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0022009-072_01.pdf
  6. 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」. https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm
  7. 国税庁『令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況』令和7年12月. https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/shotoku_shohi/pdf/shotoku_shohi.pdf
  8. Evans, C., Carlon, S., Massey, D.(2006)"Record keeping practices and tax compliance of SMEs" UNSW ATAX Discussion Paper No.326. https://ideas.repec.org/p/nsw/discus/326.html
  9. 吉田 洋・山本 薫(2007)「食品製造業における推計課税の研究」『名古屋文理大学紀要』7巻. https://doi.org/10.24609/nbukiyou.7.0_51
  10. 成宮 哲也(2018)「中小企業における青色申告制度の会計の実質と今後の方向性」『中小企業会計研究』4号. https://doi.org/10.34576/jarsmes.2018.4_8

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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