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医師の年収の中央値1,700万円(一般病院)は病院ごとの平均の真ん中

医師の年収の中央値1,700万円(一般病院)は病院ごとの平均の真ん中
2026-10-20 公開・2026-10-21 更新

この記事の要点

  • 医師の年収の中央値として公に出ている数字は、令和6年度の一般病院(全体)で 17,004,495 円です(平均は 14,845,784 円)。これは病院ごとに医師の平均給与を出して並べたときの真ん中の値で、医師一人ひとりを並べた中央値ではありません。
  • 医療法人どうしで比べると、令和6年度の中央値は一般病院 17,500,450 円、一般診療所 11,650,276 円で、差は 5,850,174 円です。
  • 公式の表で並べると、一般病院の医師は中央値1,700万円が平均1,485万円より高いのに、病院長と一般診療所(医療法人)の院長は中央値の方が平均より低く、向きが逆になっているのは、調べて分かった意外な点です。
  • 提示された年収は「勤務先の種類 → 表の行 → 平均と中央値の両方 → 1時間あたり」の順で並べると、真ん中より上か下かが分かります(同調査・令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計)。
この記事の目次(9)
  1. 医師の年収の中央値は、医療経済実態調査の表にある数字
  2. 中央値と平均の違いと、「病院ごとの平均の中央値」
  3. データで見る病院と診療所、病院長・院長の平均と中央値
  4. 研究で分かっていること:男女の差と、本給と外勤の内訳
  5. 中央値と平均の差を年度ごとに並べた表と、比べる手順
  6. 自分の提示額で引く早見表
  7. よくある質問
  8. 次に読む
  9. 出典

当直込みで提示された年収を、今の職場と案内先とで1時間あたりに割って並べた記事: 当直込みの提示年収を、今の職場と案内先で「1時間あたり」に割って並べる表

医師の年収の中央値は、医療経済実態調査の表にある数字

医師の年の給与(給料+賞与)の中央値が載っている公的な統計の一つが、医療経済実態調査です。医療経済実態調査は、病院・一般診療所・歯科診療所・保険薬局の医業経営等の実態を明らかにし、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備するために、中央社会保険医療協議会(中医協)が2年に1回行う調査です。令和6年度の一般病院(全体)の医師は、平均 14,845,784 円、中央値 17,004,495 円でした。

厚生労働省『第25回医療経済実態調査の概要(令和7年11月26日版)』中医協 実-1-2の「職種別給与の平均と中央値、伸び率① ■一般病院(全体)」の切り抜き。医師の17,004,495と14,845,784の所を赤い枠で囲んでいます。
出典: 厚生労働省『第25回医療経済実態調査の概要(令和7年11月26日版)』中医協 実-1-2(2026-10-21 撮影)

この中央値は、病院ごとの「医師の平均給与」を並べた真ん中の値です。ですから「医師の半数が 1,700 万円以上もらっている」という意味にはなりません。医師一人ひとりの給与の分布を見たいときは、賃金構造基本統計調査の第17表(職種ごとの所定内給与額の分布を載せた表)が手がかりになります。ただし、この表は月の額で、賞与は入っていません。

中央値と平均の違いと、「病院ごとの平均の中央値」

中央値は、低い順に並べたときに真ん中に来る値です。賃金構造基本統計調査では、中位数を「低い方(あるいは高い方)から数えて全体の2分の1番目に該当する者の賃金」と決めています。同じ資料には、上から 10 分の 1 番目の人の賃金を表す「第9・十分位数」の決め方も載っています。

医療経済実態調査の表の注記は、次のとおりです。

  • 「注)一般病院(集計1)、一般診療所(集計2)における平均給料年(度)額と賞与の合計を用い、医療課にて作成。」
  • 「※ 中央値については保険局医療課において集計。」

(厚生労働省『第25回医療経済実態調査の概要(令和7年11月26日版)』)

つまり、比べる額は給料と賞与を足した年の額です。並べているのは一人ひとりの給与ではなく、施設ごとの平均給与です。一般病院では中央値が平均より高くなっています。どちらか一方だけを見ると、提示された額の位置を読み違えます。

令和6年度の一般病院(全体)と一般診療所(医療法人)の医師について、平均と中央値を並べた図
令和6年度 平均と中央値

データで見る病院と診療所、病院長・院長の平均と中央値

第25回医療経済実態調査の表から、5 つの行を抜き出しました(単位は円。伸び率は令和5年度から令和6年度への変化)。

区分 R5 平均 R5 中央値 R6 平均 R6 中央値 伸び率(平均/中央値)
一般病院(全体)医師 14,810,849 16,963,635 14,845,784 17,004,495 0.2% / 0.2%
一般病院(全体)病院長 26,424,404 23,416,697 25,870,489 23,102,702 ▲2.1% / ▲1.3%
一般病院(医療法人)医師 15,938,982 17,588,369 15,767,114 17,500,450 ▲1.1% / ▲0.5%
一般診療所(医療法人)医師 10,372,418 10,303,643 10,989,889 11,650,276 6.0% / 13.1%
一般診療所(医療法人)院長 27,813,768 22,300,000 28,978,974 22,800,000 4.2% / 2.2%

(厚生労働省『第25回医療経済実態調査の概要(令和7年11月26日版)』令和5・6年度)

病院の医師は、平均より中央値が高くなっています。一方、病院長と診療所の院長は、平均より中央値が低くなっています。医療法人どうしで令和6年度の中央値を比べると、17,500,450 − 11,650,276 = 5,850,174 円の差になります(同調査から計算)。

どこで働く医師が多いかも見ておきます。令和6年12月31日現在、「病院(医育機関附属の病院を除く)」161,113 人(48.7%)、「診療所」111,699 人(33.7%)、「医育機関附属の病院」58,280 人(17.6%)でした(厚生労働省『令和6年 医師・歯科医師・薬剤師統計』2025 年。割合は合計 331,092 人から計算)。平均年齢は、病院(医育機関附属を除く)47.9 歳、医育機関附属の病院 39.7 歳、診療所 60.1 歳です。

令和6年度の医療法人の一般病院と一般診療所について、医師の給与の中央値と平均を並べ、参考に開設者を問わない施設の種別ごとの医師の割合を添えた図
R6中央値 病院と診療所

研究で分かっていること:男女の差と、本給と外勤の内訳

ここでは、年収を扱った観察研究と小さな調査を 3 本紹介します。

大越ほか(2026 年)は、医師向けサイト m3.com に登録している常勤の病院勤務医 2,540 人(女性 316 人)を対象に、2024 年 1 月にウェブ調査を行いました。年齢・婚姻・末子の年齢・診療科・平日の労働時間をそろえても、女性は年収 1,500 万円以上の割合が男性より低いという関係がありました(調整した有病比 0.65、95% 信頼区間 0.56〜0.76)。

年収は複数の区分で聞き、分析では 1,500 万円以上か未満かの 2 つに分けています。限界として、回収率が出せないこと、本人の申告であること、1 回きりの調査で因果は言えないことがあります。

大越ほか(2016 年)は、日本外科学会の 2012 年の調査から、外科医 8,316 人のうち女性 546 人・男性 1,092 人を選んで調べました。平均の年収は女性 920 万円、男性 1,130 万円で、差は 210 万円でした。年齢・婚姻・子の数・病床数・役職・労働時間をそろえても、男性の平均が 150 万円高いという関係がありました。

ただし、同じ研究で、性別と結婚・子の数との組み合わせを入れた分析では、性別そのものの差は有意でなくなりました。2016 年の研究は 2026 年の研究と結果の書き方が違います。2016 年の研究は外科医だけを対象にした 2012 年のデータで、平均の年収(中央値ではない)を学会の調査への回答をもとに調べたものです。

野田・鈴木(1997 年)は、群馬県の 30 代の男性医師 19 人に面接と質問紙で調べました。大学病院の医師 11 人は、年収 865 万円のうち 379 万円が大学病院から、486 万円がほかの病院での非常勤勤務(外勤)からでした(外勤の割合は 56.2%、資料から計算)。ほかの病院の医師 8 人は 1,256 万円でした。19 人だけの古い調査なので、今の金額の目安には使えません。本給と外勤の内訳の一例として読んでください。

中央値と平均の差を年度ごとに並べた表と、比べる手順

この表の条件: 一般病院(全体)で働く医師の、給料と賞与を足した年の額。式は「中央値 − 平均 = 差」(単位:円)。

年度 中央値 平均 差(中央値 − 平均) 調査の回
R3 16,889,246 14,619,456 2,269,790 第24回
R4 16,748,784 14,610,739 2,138,045 第24回
R5 16,963,635 14,810,849 2,152,786 第25回
R6 17,004,495 14,845,784 2,158,711 第25回

(厚生労働省『〔参考〕前回ご指摘いただいた資料について(第24回医療経済実態調査)』令和3・4年度、『第25回医療経済実態調査の概要(令和7年11月26日版)』令和5・6年度から計算)

4 年度とも、中央値が平均より約 214〜227 万円高くなっています。第24回と第25回では答えた施設が違います。R4 と R5 を 1 本の線でつないで「伸びた」「下がった」とは読まないでください。

提示された年収は、次の 4 段で表と並べます。

  1. 今の勤務先と案内先が、病院(医育機関附属を除く)・医育機関附属の病院・診療所のどれかを決めます。
  2. 医療経済実態調査の表から行を選びます。一般病院(全体)、一般病院(医療法人)、一般診療所(医療法人)のどれかです。
  3. 提示された額が給料と賞与を足した年の額かを確かめます。そのうえで、平均と中央値の両方と並べます。
  4. 当直や時間外の分を、1時間あたりに直して比べます。医業に従事する医師(厚生労働省令で定める者)の時間外労働の上限は、労働基準法 第141条(第1項・第3項)により、厚生労働省令で定める時間とされています。第1項は36協定の「限度時間」を読み替える決まりで、第3項が「厚生労働省令で定める時間を超えて労働させてはならない」と定めています。
提示された年収を、勤務先の種類、表の行、平均と中央値、1時間あたりの順に比べる手順の図
提示年収を表と比べる4段
提示額を公的な表と並べる前に確かめる4つの点の一覧
並べる前に確かめる4点

医師一人ひとりの給与の中位数を確かめたい人は、賃金構造基本統計調査の第17表を見てください。この表の給与は月の所定内給与額で、賞与は入っていません。

自分の提示額で引く早見表

使い方: 自分の提示額(給料と賞与を足した年の額)を右の欄に入れて、上から順に確かめます。

勤務先の種類(令和6年度の医師) 中央値(円) 平均(円) 自分の提示額
一般病院(全体) 17,004,495 14,845,784  
一般病院(医療法人) 17,500,450 15,767,114  
一般診療所(医療法人) 11,650,276 10,989,889  

式: 提示額 − 中央値 = 中央値との差、提示額 − 平均 = 平均との差(プラスなら上、マイナスなら下)。中央値は病院ごと・診療所ごとの平均給与を並べた真ん中の値です。

例: 一般病院(全体)で提示額が 1,600 万円(仮定の例)なら、16,000,000 − 17,004,495 = −1,004,495 円で中央値より下、16,000,000 − 14,845,784 = 1,154,216 円で平均より上です。

よくある質問

Q. 平均と中央値はどれくらい違う? 一般病院(全体)の医師では、R3〜R6 の 4 年度とも、中央値が平均より約 214〜227 万円高くなっています(第24回・第25回医療経済実態調査から計算)。年度ごとの差は上の表のとおりです。

Q. 病院の勤務医と、診療所の医師・院長ではどう違う? 令和6年度の中央値は、一般病院(医療法人)の医師 17,500,450 円、一般診療所(医療法人)の医師 11,650,276 円です。一般診療所(医療法人)の院長は、中央値 22,800,000 円、平均 28,978,974 円でした。

Q. ここ数年の推移は? 同じ回の中での変化だけを見ます。第24回では、一般病院(全体)の医師の平均は R3 から R4 で ▲0.1% でした。第25回では、R5 から R6 で平均・中央値ともに +0.2% でした。回をまたいでつなぐと、答えた施設の違いが混ざります。

Q. 男女で違う? 病院勤務医 2,540 人を調べた大越ほか(2026 年)では、条件をそろえても女性は年収 1,500 万円以上の割合が低いという関係がありました。外科医を調べた大越ほか(2016 年)では、結婚・子の数との組み合わせを入れると、性別そのものの差は有意でなくなりました。どちらも観察研究で、医師への調査の回答に基づくものです。

次に読む

このサイトで次に調べる候補: 医師 年収 推移(ここ数年で医師の給与がどう変わったかを、調査の回をまたがずに確かめたい人向け)

出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

  1. 厚生労働省『第25回医療経済実態調査の概要(令和7年11月26日版)』中医協 実-1-2. https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001599547.pdf
  2. 厚生労働省『〔参考〕前回ご指摘いただいた資料について(第24回医療経済実態調査)』中医協 総-5(令和5年11月29日). https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001172426.pdf
  3. 厚生労働省『令和6(2024)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況』2025 年. https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/24/dl/R06_1gaikyo.pdf
  4. 厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』第17表. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421132
  5. 厚生労働省『令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況』. https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/dl/14.pdf
  6. 労働基準法 第百四十一条. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/322AC0000000049
  7. Okoshi K, Tokoro Y, Fukami K, Hida K, Mizuno R, Yamamoto Y, Obama K(2026)「Time use, unpaid care work, and income: a nationwide cross-sectional web survey of gender gaps among hospital physicians in Japan.」BMC Health Services Research. https://doi.org/10.1186/s12913-026-14627-7
  8. 京都大学「医師の働き方に潜むジェンダーギャップ―時間・ケア労働・収入から見えた課題―」2026年5月21日. https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2026-05-21-3
  9. Okoshi K, Nomura K, Taka F, Fukami K, Tomizawa Y, Kinoshita K, Tominaga R(2016)「Suturing the gender gap: Income, marriage, and parenthood among Japanese Surgeons.」Surgery. https://doi.org/10.1016/j.surg.2015.12.020
  10. 野田大地, 鈴木庄亮(1997)「勤務医の労働条件 ―少数例の労働時間,余暇,及び収入の面接調査から―」民族衛生. https://doi.org/10.3861/jshhe.63.120
  11. 厚生労働省「医療経済実態調査」(調査の概要). https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/iryoukeizai.html

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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