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生命保険料控除の計算ツール2025:出るのは控除額、1年を通じて勤め年末調整を受けた給与所得者の約68%が控除

生命保険料控除の計算ツール2025:出るのは控除額、1年を通じて勤め年末調整を受けた給与所得者の約68%が控除
2026-10-20 公開・2026-10-21 更新

この記事の要点

  • 2025年(令和7年分)の生命保険料控除を計算ツールで出すと、出てくるのは「控除額」です。新契約の所得税では、1区分4万円・合計12万円が上限です。
  • 実際に減る税額は「控除額 × 税率」で別に出します。所得税の税率は5〜45%(国税庁 No.2260)、住民税の所得割は10%(総務省)で、住民税の控除の上限は合計7万円です。
  • 所得税の生命保険料控除の上限は合計12万円なのに、令和7年分に、1年を通じて勤め年末調整で控除を受けた給与所得者の一人当たりの控除額は、その約55%(65,853円 ÷ 120,000円 ≒ 0.55)しかありません。
  • 令和7年分に、1年を通じて勤め年末調整を受けた給与所得者のうち、控除を受けた人は約68.3%、一人当たりの控除額は約6.6万円でした(国税庁『民間給与実態統計調査』令和7年分 第17表からの計算)。
この記事の目次(11)
  1. 結論:ツールの数字は控除額、減る税額は税率をかけて出す
  2. 仕組み:3つの区分と、新契約・旧契約の境目
  3. 計算式の表:所得税(新契約・旧契約)と住民税(新契約)
  4. データで見る:令和7年分、1年を通じて勤め年末調整を受けた給与所得者の約68%が控除を受けた
  5. 研究で分かっていること:控除の評価は分かれている
  6. 保険料ごとの控除額と減る税額の計算表
  7. ツールに入れる前と後に確かめること
  8. 自分の額で計算する表
  9. よくある質問
  10. 次に読む
  11. 出典

生命保険の保険料の平均と、その中身をFPに聞く方法を書いた記事: 生命保険料の平均と、FPへの相談のしかた

結論:ツールの数字は控除額、減る税額は税率をかけて出す

国税庁の式で出るのは「控除額」です。控除額とは、税金を計算する前に所得から差し引く額のことです。

2012年以後に結んだ新契約なら、所得税の控除額は1区分で4万円、3区分の合計で12万円が上限です。住民税では、1区分2.8万円、合計7万円が上限です。

国税庁 タックスアンサー No.1140 生命保険料控除の「新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額」の切り抜き。20,000円超 40,000円以下の4万の所を赤い枠で囲んでいます。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.1140 生命保険料控除(2026-10-21 撮影)

実際に減る税額は「控除額 × 自分の税率」です。23歳未満の扶養親族がいる場合の特例は令和8年分(2026年分)の所得税のもので、2025年分には当たりません。

契約の区分を決め、式に当てはめ、所得税と住民税で減る額を出し、ツールの結果を確かめるまでの4段階を示した図。
控除から減る税額までの4段階

仕組み:3つの区分と、新契約・旧契約の境目

生命保険料控除は3つの区分に分かれます。宮崎(2020年)は「①一般の生命保険料控除、②個人年金保険料控除、③介護医療保険料控除として大きく三分類される」と書いています。区分ごとに控除額を出し、合わせた額が控除の額になります。

使う式は、契約を結んだ日で変わります。平成24年(2012年)1月1日以後に結んだ契約が「新契約」、平成23年(2011年)12月31日以前に結んだ契約が「旧契約」です。

式に入れる「支払保険料等」は、その年に払った額から、その年に受けた剰余金や割戻金を引いた残りの額です。また、保険期間が5年未満の生命保険などには、控除の対象にならないものもあります。

計算式の表:所得税(新契約・旧契約)と住民税(新契約)

下の表は、国税庁 No.1140と地方税法314条の2の式を1つにまとめたものです。どれも1区分ごとの式です。

契約と税 支払保険料等(年) 控除額
新契約・所得税 20,000円以下 全額
新契約・所得税 20,000円超 40,000円以下 支払保険料等 × 1/2 + 10,000円
新契約・所得税 40,000円超 80,000円以下 支払保険料等 × 1/4 + 20,000円
新契約・所得税 80,000円超 一律 40,000円
旧契約・所得税 25,000円以下 全額
旧契約・所得税 25,000円超 50,000円以下 支払保険料等 × 1/2 + 12,500円
旧契約・所得税 50,000円超 100,000円以下 支払保険料等 × 1/4 + 25,000円
旧契約・所得税 100,000円超 一律 50,000円
新契約・住民税 12,000円以下 全額
新契約・住民税 12,000円超 32,000円以下 12,000円 +(支払保険料等 − 12,000円)× 1/2
新契約・住民税 32,000円超 56,000円以下 22,000円 +(支払保険料等 − 32,000円)× 1/4
新契約・住民税 56,000円超 一律 28,000円

所得税は、3区分の合計が12万円を超えると12万円になります。住民税は、合計が7万円を超えると7万円になります。

データで見る:令和7年分、1年を通じて勤め年末調整を受けた給与所得者の約68%が控除を受けた

国税庁『民間給与実態統計調査』の第17表の対象は、年末調整を行った1年を通じて勤務した給与所得者です。年末調整とは、1年間に給与から源泉徴収をした所得税の合計額を、その人が1年間に納めるべき税額と一致させる手続きです。令和7年分は、この47,440,079人のうち32,397,184人が生命保険料控除を受けていました。

割合にすると約68.3%です(計算)。所得税を納めた人(納税者)37,928,522人に限ると、27,544,507人で約72.6%でした(同表からの計算)。

控除の金額は合計2,133,447百万円で、一人当たりでは約65,853円です(同表からの計算)。参考として、同じ表で地震保険料控除を受けた人は9,503,716人でした。

1年を通じて勤め年末調整を受けた給与所得者のうち生命保険料控除を受けた人の割合、納税者での割合、一人当たりの控除額、所得税が0円の人の割合を示した図。
令和7年分の控除の実際

区分別の一人当たりの控除額は、一般が約34,982円(1,047,821百万円÷29,953,251人)、介護医療が約32,049円(818,595百万円÷25,542,006人)、個人年金が約41,825円(282,307百万円÷6,749,779人)です(同表からの計算)。個人年金が4万円を超えているのは、旧契約の上限が5万円のためです。

令和7年分の一般・介護医療・個人年金の区分ごとに、控除を受けた人員と一人当たりの控除額を並べた表。
区分別の一人当たり控除額

控除を受けた人のうち、年末調整の後の所得税が0円の人(非納税者)は4,852,677人で、約15.0%でした(同表からの計算)。これは数を集めて並べただけの記述統計です。控除によって所得税が0円になった人と、もともと0円だった人が混ざっている可能性があり、表からは分けられません。

研究で分かっていること:控除の評価は分かれている

宮崎(2020年)は、国税庁の統計(平成30年まで)を集計し、制度を調べました。一般の生命保険料控除の一人当たりの額は、申告所得・給与所得ともに年を追うごとに減っていました。著者はその主な理由を、平成24年度の税制改正で上限が5万円から4万円になったためと見ています。

同じ研究では、介護医療保険料控除は、金額・人員・一人当たりの額のすべてで増える傾向でした。ただし、データは平成30年までです。申告所得と給与所得の人員が重なっていることも、著者が書いています。

堀・宮崎(2022年)は、個人年金保険料控除を外国の制度とも比べて論じました。そのうえで、個人年金保険料控除の税の恩恵について「負担の公平や課税の中立の観点からその恩恵は大きくなく」と書いています。この研究は制度の論考で、退職所得の課税もあわせて論じています。生命保険料控除のうち主に扱うのは個人年金保険料控除で、一般の生命保険料控除と介護医療保険料控除にも触れています。

2本とも、控除で保険の加入が増えたかを数字で測った研究ではありません。また、大野(2023年)は「所得税や住民税の税額計算では納税者ごとに適用が異なる各種控除を特定することが欠かせない」と書いています。控除で減る税額は、人によって違うということです。

保険料ごとの控除額と減る税額の計算表

表の条件: 新契約・1区分・2025年分。減る税額 = 控除額 × 税率。復興特別所得税(所得税額に2.1%を上乗せする税)は入れていません(入れると所得税の欄は1.021倍)。課税所得の端数の処理や、控除で税率の段が変わる場合は考えていません。所得税が0円の人は、所得税は減りません。

払った保険料(年) 所得税の控除額 住民税の控除額 所得税が減る額 5% / 10% / 20% / 23% 住民税が減る額(10%)
2万円 20,000円 16,000円 1,000 / 2,000 / 4,000 / 4,600円 1,600円
4万円 30,000円 24,000円 1,500 / 3,000 / 6,000 / 6,900円 2,400円
6万円 35,000円 28,000円 1,750 / 3,500 / 7,000 / 8,050円 2,800円
8万円 40,000円 28,000円 2,000 / 4,000 / 8,000 / 9,200円 2,800円
10万円 40,000円 28,000円 2,000 / 4,000 / 8,000 / 9,200円 2,800円
国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率の「計算方法・計算式」の切り抜き。1,950,000円 から 3,299,の10の所を赤い枠で囲んでいます。
出典: 国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率(2026-10-21 撮影)

式は国税庁 No.1140と地方税法314条の2のものです。税率は、課税所得が1,949,000円までなら5%、3,299,000円までなら10%、6,949,000円までなら20%、8,999,000円までなら23%です。住民税の所得割は、住民税のうち所得に応じてかかる部分で、税率は10%です。

1区分で年8万円を超えて払っても、所得税の控除額は4万円のまま増えません。住民税の控除額は、年5.6万円を超えると2.8万円のままです。3区分とも上限まで使うと、所得税の控除は12万円 × 税率(5%で6,000円、10%で12,000円、20%で24,000円、23%で27,600円)、住民税は7万円 × 10% = 7,000円です。

ツールに入れる前と後に確かめること

国税庁の式から出るのは控除額で、減る税額はそこに税率をかけて別に出します。ツールの結果を見るときは、どちらの数字かを分けて確かめます。住民税の所得割は、前の年の1月1日から12月31日までの所得で計算されます。

控除証明書での区分の確認から、令和8年分の特例を当てはめていないかまで、計算ツールの前後に確かめる6項目の一覧。
ツールの前後に見る6項目

自分の額で計算する表

使い方: 自分の控除証明書の額と所得税率を右の欄に入れて、上から順に確かめます。

段 出し方 自分の数字
1区分の支払保険料等(年) 払った額 − 剰余金・割戻金  
所得税の控除額 新契約の式に当てはめる(1区分40,000円まで)  
自分の所得税率 5%・10%・20%・23% など  
所得税が減る額 所得税の控除額 × 所得税率  
住民税の控除額 住民税の式に当てはめる(1区分28,000円まで)  
住民税が減る額 住民税の控除額 × 10%  

式: 減る税額 = 所得税の控除額 × 所得税率 + 住民税の控除額 × 10%(区分が複数あるなら区分ごとに出して合計し、所得税12万円・住民税7万円を上限にします。復興特別所得税は入れていません)。

例: 新契約の1区分に年6万円払い、所得税率が10%なら、所得税の控除額は60,000円 × 1/4 + 20,000円 = 35,000円で、減る額は35,000円 × 10% = 3,500円です。住民税は5.6万円を超えるので控除額は28,000円で、減る額は28,000円 × 10% = 2,800円です。合わせると3,500円 + 2,800円 = 6,300円です。

よくある質問

住民税の控除はどう計算しますか? 地方税法314条の2の式で出します。新契約では、1区分の上限が2.8万円、3区分の合計の上限が7万円です。

年8万円払うと、いくら控除されますか? 新契約の1区分なら、所得税の控除額は80,000円 × 1/4 + 20,000円 = 40,000円です。住民税の控除額は、5.6万円を超えるので2.8万円です。

旧契約の式はどうなっていますか? 支払保険料等が25,000円以下なら全額が控除額です。上限は1区分50,000円です。

2026年から変わる点はありますか? 令和8年分(2026年分)の所得税では、23歳未満の扶養親族がいる場合、新契約の一般の生命保険料の控除の上限が6万円になります。式は、30,000円以下は全額、120,000円超は一律60,000円です。

保険期間が短い保険も対象ですか? 保険期間が5年未満の生命保険などには、控除の対象にならないものもあります。控除証明書が出ているかを、保険会社に確かめます。

次に読む

このサイトで次に調べる候補: 生命保険料控除 計算ツール 住民税(住民税で減る額をツールで確かめたい人向け)

出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

  1. 国税庁 タックスアンサー No.1140 生命保険料控除. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm
  2. 国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
  3. 所得税法 第76条. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=340AC0000000033;article=76
  4. 地方税法 第314条の2. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=325AC0000000226;article=314_2
  5. 租税特別措置法 第41条の15の5. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=332AC0000000026;article=41_15_5
  6. 総務省「個人住民税」. https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html
  7. 国税庁『民間給与実態統計調査』令和7年分 第17表. https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2025/excel/2025_17.xlsx
  8. 宮崎裕士(2020)「わが国所得税法における生命保険料控除の望ましい在り方 ―リスクと生命保険信託を中心として―」生命保険論集 第212号. https://doi.org/10.51107/jilijournal.2020.212_133
  9. 堀治彦・宮崎裕士(2022)「「個人年金保険料控除制度改正」にかかる試論 ―退職所得控除の今日的意義を交えて―」生命保険論集 第221号. https://doi.org/10.51107/jilijournal.2022.221_255
  10. 大野太郎(2023)「マイクロシミュレーションの展開と個人所得課税の負担構造」フィナンシャル・レビュー 151巻. https://doi.org/10.57520/prifr.151.0_53
  11. 国税庁 タックスアンサー No.2662 年末調整のしかた. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2662.htm

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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