害虫・害獣の駆除ノート駆除の見積もりを、頼む前に確かめる

ハクビシン駆除方法、嫌な人間の声で妨害する|オオカミは人の声に8割超で怖がる反応、なのにすぐ慣れた

ハクビシン駆除方法、嫌な人間の声で妨害する|オオカミは人の声に8割超で怖がる反応、なのにすぐ慣れた
2026-10-22 公開・2026-10-24 更新

この記事の要点

  • ハクビシン駆除の方法として、嫌な人間の声で妨害する手は一時しのぎと考えます。先にするのは、成獣が通れた大きさ(横長7.5×20cm・一辺8cmの正方形・直径10cmの円)以上の隙間をふさぐことと、捕まえるなら許可を取ることです。
  • イタリアの野生のオオカミに人の声を流すと、8割超で強く怖がる反応が出ました。なのに、オオカミはすぐに慣れました。
  • 研究では成獣が横長7.5×20cmの隙間を通れました。たとえば縦8cm×横20cmの隙間がある家なら、入られうる大きさです。
この記事の目次(8)
  1. 人間の声での妨害は一時しのぎ、本筋は隙間をふさぐこと
  2. 人の声が効くと考えられる仕組みと「慣れ」
  3. 被害を防ぐために捕まえたハクビシンは1年に約2万5千頭
  4. 人の声・光・超音波を試した研究で分かっていること
  5. 自分の家の隙間を測って比べる表
  6. よくある質問
  7. 次に読む
  8. 出典

業者に見てもらうと決めたら、次に困るのは見積の日に何を見せるかです。その前の晩に家の中で確かめることは、次の記事にまとめています: 害獣の見積の前の晩に、家の中で確かめる7行(点検口・どける物・車・立ち会う人・家族が聞いた物音)

人間の声での妨害は一時しのぎ、本筋は隙間をふさぐこと

人の声でハクビシンを追い払えるかは、この記事で取り上げた研究では調べられていません。別の動物の実験では「怖がるが、すぐ慣れる」という結果でした。そのうえハクビシンは、入れない入口にも何度も来て調べました。

声でいったん離れても、隙間が残っていればまた来ることにつながります。このため声は一時しのぎと考えるのが筋です。先に隙間をふさぎ、捕まえるなら許可を取るか、区市町村に相談します。

論文を並べると、人の声は「効かない」のでも「効き続ける」のでもありませんでした。「怖がられるのに、慣れられる」という結果だったのは、調べて分かった意外な点です。

人の声でオオカミが強く怖がる反応は8割超、ハクビシンの成獣が通れた最小の隙間は横長7.5×20cmと一辺8cmの正方形。
答えにかかわる数字

人の声が効くと考えられる仕組みと「慣れ」

人の声を流す研究は、野生の動物が人を最上位の捕食者として怖がる、という考え方に立っています。音を流す実験とは、人の声と比べるための別の音(ヒツジの声など)を流し、動物の反応の違いを比べる調べ方です。

慣れとは、同じ刺激を何度も受けるうちに、反応が弱まることです。声で追い払う手が一時しのぎになるかどうかは、この慣れの速さで決まります。

被害を防ぐために捕まえたハクビシンは1年に約2万5千頭

都道府県知事の許可を取り、被害を防ぐ目的で捕まえたハクビシンは、令和元〜3年度で1年あたり約25,533頭です。いちばん多かったのは令和2年度の28,761頭でした。出典の表は令和3年度のものです。

被害を防ぐ目的で許可を取って捕まえたハクビシンは、令和元年度22,803頭、2年度28,761頭、3年度25,036頭。
許可を取って捕まえた数

人の声・光・超音波を試した研究で分かっていること

人の声には、別の動物で怖がる反応が出ています。ただし慣れも速く、ハクビシンで試した研究は光と隙間のものです。

人の声を流した野外の実験(オオカミなど)

Suraciほか(2019年)の研究では、野外の実験で人の話し声を流しました。大型の肉食の動物は声を避け、中型の肉食の動物は姿を見せにくくなり、餌探しを減らしました。野生の動物には当てはまりますが、ハクビシンや家の屋根裏では確かめられていません。

Lazzaroniほか(2026年)の研究では、イタリアの野生のオオカミに人の声を流すと、都市化の度合いに関係なく強く怖がる反応が出ました。ただし、オオカミは人の声と見慣れない物の両方に、同じような速さですぐ慣れました。都市の近くに広がったオオカミにも当てはまる結果ですが、ハクビシンでは確かめられていません。

McGannほか(2024年)の研究では、オーストラリアの在来の有袋類は人の声を怖がりました。一方、外から持ち込まれたダマジカは人から逃げたものの、ほかの捕食者より強くは逃げませんでした。日本のハクビシンも外から持ち込まれた動物ですが、この結果を当てはめてよいかは分かりません。

人の声は野生の肉食の動物やオオカミで怖がる反応が出たがオオカミはすぐ慣れ、超音波の機械は効かず、ハクビシンは光を避けなかった。
人の声などを試した結果

追い払う機械と、ハクビシンでの試験

Gilsdorfほか(2002年)の総説では、超音波で追い払う機械は鳥にも哺乳類にも効かず、ほかの機械はある程度守れるとまとめています。追い払う機械は組み合わせると単独より効きうるとも述べていて、音だけに頼ろうとしている人に当てはまる注意です。

豊田ほか(2011年)の研究では、飼育下のハクビシンに光を当てても避けず、近づいたり調べたりする様子が見られ、むしろ興味を持つ可能性が示されました。飼っている個体での試験で、野外の家まわりでは確かめられていません。

加瀬ほか(2010年)の研究では、試験で成獣のハクビシンが通れた最小の入口の大きさと形を調べました。家まわりの隙間を測る人に当てはまる数字ですが、野外の家では確かめられていません。

研究の読み方

研究 調べ方 対象と人数 分かったこと 限界
Suraciほか(2019年) 野外で音を流す実験(比べる音あり) 野生の哺乳類(頭数は要旨に記載なし) 人の声で大型は避け、中型は餌探しを減らした 野生の哺乳類。家の屋根裏で試したものではない
Lazzaroniほか(2026年) 野外で音を流す実験と、見慣れない物を置く実験 イタリアの野生のオオカミ185頭・44か所 人の声に強く怖がる反応が出たが、すぐ慣れた 対象はオオカミ
McGannほか(2024年) 野外で音を流す実験(人・犬・タスマニアデビル・オオカミの声と、比べるためのヒツジの声) 在来の有袋類4種と、持ち込まれたダマジカ 有袋類は人を怖がった。ダマジカは結果が違った ハクビシンではない
Gilsdorfほか(2002年) これまでの研究をまとめた総説 鳥と哺乳類を追い払う機械の研究 超音波は効かない。組み合わせると効きうる ハクビシンだけの話ではない
豊田ほか(2011年) 実験室(飼育下) 飼育下のハクビシン 光を避けず、むしろ興味を持つ可能性 飼育下の6頭での試験。音は調べていない
加瀬ほか(2010年) 実験室(試行錯誤の試験) 成獣のハクビシン(頭数は要旨に記載なし) 通れた最小の入口の大きさと形。入れない入口にも何度も来た 成獣だけ。子どもの体の大きさは分からない

どの研究も、要旨で確かめた範囲です。

自分の家の隙間を測って比べる表

使い方: 自分の家の隙間の形を選び、測った長さを記入欄に入れて、研究で成獣が通れた最小の大きさと比べます。

隙間の形 研究で成獣が通れた最小 自分の家の値(記入欄) 比べ方
横長・縦長の長方形 7.5 × 20cm __ × __cm 短い辺が7.5cm以上、かつ長い辺が20cm以上なら入られうる
正方形 一辺 8cm 一辺 __cm 8cm以上なら入られうる
円 直径 10cm 直径 __cm 10cm以上なら入られうる

式: 長方形は「短い辺 ≥ 7.5cm かつ 長い辺 ≥ 20cm」、正方形は「一辺 ≥ 8cm」、円は「直径 ≥ 10cm」。どれかに当てはまれば、研究の成獣が通れた大きさ以上です。 例: 縦8cm×横20cmの隙間なら、短い辺8cm・長い辺20cmで、入られうる大きさです。 ※ 研究は成獣だけで、子どもの体の大きさでは調べていません。

隙間をふさぐ前に自分で捕まえようと考えたら、次の3点を確かめます。

自分で捕まえる前に、許可・わな猟免許・区市町村の捕獲の事業の3点を確かめる。
捕まえる前に確かめる3点

よくある質問

自分でハクビシンを捕まえてよいですか。 許可なく捕まえることはできません。鳥獣保護管理法は、許可を受けた時などを除いて、鳥獣を捕まえることを禁じています。町田市の案内では、許可には原則わな猟免許が要り、住宅内に被害がある時などは例外があります。

区に捕獲を頼むと、費用はどうなりますか。 板橋区の例では、箱わなの設置から処分まで区が費用を持ち、自分で用意するのはわなに入れるエサだけです。わなを置く期間は原則1週間、最長4週間です。侵入口をふさぐ工事と、ふん尿の片付けや消毒は自分で払います。

板橋区の捕獲を頼むには、どんな条件がありますか。 持ち主か管理者からの依頼であることや、わなを毎日見回れることなどが条件です。これは板橋区の例で、住んでいる区市町村の窓口で確かめます。

光や超音波の機械は効きますか。 栃木県の資料も、最近の試験研究では光や超音波に追い払う効果は無いとされている、と書いています。

次に読む

隙間を見つけたり、業者に見てもらうと決めたりしたら、次に困るのは見積の日に何を見せるかです。その前の晩に家の中で確かめる7行は、次の記事にまとめています。

このサイトで次に調べる候補: ハクビシンを罠で捕獲する方法(捕まえる手順と許可の取り方が知りたい人向け)

出典

  1. Suraci JP, Clinchy M, Zanette LY, Wilmers CC(2019)「Fear of humans as apex predators has landscape-scale impacts from mountain lions to mice」Ecology Letters 22(10):1578-1586. https://doi.org/10.1111/ele.13344
  2. Lazzaroni M, Brogi R, ほか(2026)「Wolves respond differently to human cues as they expand into urban landscapes」PNAS 123(8):e2529810123. https://doi.org/10.1073/pnas.2529810123
  3. McGann K, Johnson CN, Clinchy M, Zanette LY, Cunningham CX(2024)「Fear of the human 'super predator' in native marsupials and introduced deer in Australia」Proceedings of the Royal Society B 291:20232849. https://doi.org/10.1098/rspb.2023.2849
  4. Gilsdorf JM, Hygnstrom SE, VerCauteren KC(2002)「Use of frightening devices in wildlife damage management」Integrated Pest Management Reviews 7:29-45. https://digitalcommons.unl.edu/icwdm_usdanwrc/227/
  5. 豊田英人・江口祐輔・古谷益朗・植竹勝治・田中智夫(2011)「光照射はハクビシンに対して忌避効果があるのか?」日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 47(2):82-88. https://doi.org/10.20652/abm.47.2_82
  6. 加瀬ちひろ・江口祐輔・古谷益朗・植竹勝治・田中智夫(2010)「ハクビシンにおける侵入可能な入口の大きさおよび形状の検討」日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 46(3):89-96. https://doi.org/10.20652/abm.46.3_89
  7. 環境省『鳥獣関係統計』表12-6 都道府県知事の捕獲許可による捕獲鳥獣数(被害の防止の目的)令和3年度. https://www.env.go.jp/nature/choju/docs/docs2/r03/R3-12-06.xlsx
  8. 鳥獣保護管理法 第八条(千葉県のページに載っている条文). https://www.pref.chiba.lg.jp/shizen/choujuu/sagi/ichizuke.html
  9. 町田市 アライグマ・ハクビシンのちらし. https://www.city.machida.tokyo.jp/kurashi/kankyo/kankyo/midori/gairaishu/araigumahakubishin.files/P1_araiguma-hakubishin.pdf
  10. 栃木県 ハクビシンの資料. https://www.pref.tochigi.lg.jp/g04/documents/20241122182646.pdf
  11. 板橋区 ハクビシンの捕獲のページ. https://www.city.itabashi.tokyo.jp/tetsuduki/pet/gairai/1002229.html

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

「害虫・害獣の駆除ノート」の記事をすべて見る(3 本)→

スポンサーリンク