FXの月末のドル高は2営業日前の夜に来ていた|23年分の281日で測ると、日本時間20:30→22:00(冬) 2026-11-01 更新
この記事の要点
言葉の説明:スポット末日 =受け渡し日が月末になる取引の日。1bp =0.01%(米ドル/円150円なら1.5銭)。
FXの月末のドル高は、月末の2営業日前の夜に来ました。日本時間20:30→22:00(夏は19:30→21:00)です。
米ドル/円は1回+4.90bp上がりました。150円なら1万通貨で約735円の幅 です。費用を引いても+3.99bpが残りました。
2003〜2026年の281日で測りました。暦の28日ではなく、受け渡し日から数えた日に付いて動きました。
この幅が自分の口座で残るかは、スプレッドで決まります。1回の費用は次の記事で計算しています: JFX 売買1回20円なのに、深夜3時過ぎは790円
結論:スポット末日のロンドンの正午ごろ(11:30→13:00)は、9通貨の平均でドル高
9通貨をまとめた平均で、ドルは高くなりました。 円・スイスフラン・ユーロでも同じ向きです。ドル全体が買われています。
スポット末日とほかの日(ロンドン11:30→13:00・1回の平均)
2025年並みの費用(スプレッドと手数料)を引いても、平均はプラスでした。
向き
費用後(1回の平均)
t値
米ドル/円の買い
+3.99bp(150円なら約6銭)
5.04
ユーロ/米ドルの売り
+2.72bp
3.06
米ドル/スイスフランの買い
+2.36bp
2.68
t値は、大きいほど偶然ではない目安 です。
この先のスポット末日(2026年11月〜2027年4月)
この先6か月のスポット末日は、どれも28日ではありません。 2026年11月1日に、土日と日米の祝日を飛ばして数えた表です。
月
月末の最後の営業日
スポット末日
見る時間(日本時間)
2026年11月
11月30日(月)
11月25日(水) ※26日は米国の祝日
20:30→22:00
2026年12月
12月31日(木)
12月29日(火)
20:30→22:00
2027年1月
1月29日(金)
1月27日(水)
20:30→22:00
2027年2月
2月26日(金)
2月24日(水)
20:30→22:00
2027年3月
3月31日(水)
3月29日(月)
19:30→21:00
2027年4月
4月30日(金)
4月27日(火) ※29日は日本の祝日
19:30→21:00
年末年始は、口座の会社の取引時間の案内もあわせて見てください。
1,000通貨で試すと、平均の上げ+4.90bpは1回約73.5円の幅です (150円の時)。281回のうち上がったのは189回(67%)でした。いちばん悪かった回は−39.74bp(1,000通貨で約596円・2013年5月29日)です。
少ない額で、自分の口座の費用と動きを確かめてから量を決められます。
何通貨から、いくらで試せるかは、少額口座を比べた記事にあります: 少額FX口座を比較|朝8時台の1回の費用が会社で2円と79円
自分で数える時の順
その月の最後の営業日(受け渡し日)を探す。
そこから、土日と日米の祝日を飛ばして2営業日戻る。
その日がスポット末日です。
スポット末日の数え方(例)
自分の口座で残るかを見る表
1回の幅から、自分の口座の1回の費用を引いた残りが、手元に残る幅です。
単位はbpです。米ドル/円は、かっこに銭と1万通貨の円も並べました(150円の時)。
偏り
1回の幅
費用1bp(1.5銭・150円)の後
2bp(3銭・300円)の後
3bp(4.5銭・450円)の後
スポット末日の米ドル/円の上げ
+4.90(7.35銭・735円)
+3.90(5.85銭・585円)
+2.90(4.35銭・435円)
+1.90(2.85銭・285円)
スポット末日のユーロ/米ドルの下げ
+3.49
+2.49
+1.49
+0.49
費用の直し方:1bp=為替レート×0.0001円。1万通貨の円=銭×100。
1回の費用の計算→ JFX 売買1回20円なのに、深夜3時過ぎは790円
なぜ:受け渡し日に合わせてドルが買われる
筆者の見立ては、月末に払うドルを2営業日前にまとめて買う、というものです。
月末にドルを払う会社や運用会社は、スポット末日にドルを買います。
その注文はロンドンの時間帯に集まります。そのため正午ごろ(11:30→13:00)にドル高になります。
日本の外為市場だけでも、1営業日に平均4,402億米ドルが取引されています。日本銀行の2025年4月の調査です。月末の支払いの分が1日に寄れば、値段に出ても不思議ではありません。
値動きの形から見ると、流れはこうです。 フィックス=為替の基準のレートが決まる時刻(ロンドン16時)のことです。
月末に受け渡すドルの注文が、16時のフィックスで決まります。
銀行はそれに備え、11:30ごろから少しずつ先にドルを買います。
16時に注文が決まると、先に買いすぎたドルを売ります。そのため、ドルは下がって戻ります。
13:00で区切って見ているのは、その後の上げがはっきりしないからです。
13:00→16:00もドル高の+2.81bpでした。ただしt値は1.48で、偶然と見分けにくい幅です。
16:00→17:00は−1.88bpで、ドルが戻りました。
くわしい理由(読まなくても使えます)
理由のうち、データと合ったのは「月末の支払いのドルを、フィックスに向けて先に買う」形でした。
Googleの検索のAIに、別の見立て(仮説)を5つ出させ、データで確かめました。否定された仮説を見せて、もう一度出させました。
| Googleの仮説 | 正しければこうなるはず | 結果 |
|---|---|---|
| 月末の支払いのドル | 受け渡し日に付く | 合う |
| 月末の資産の配分の調整 | 月初からドル安の月で大きい | 一部合う |
| 米国債の利払いの受け渡し | 月の半ばにも出る | 合わない |
| 昼の薄い時間の損切り | ほかの日にも出る | これだけでは説明できない |
| フィックスに向けた先の買い | じわじわ上がる | 合う |
| 15分の区切りでの執行 | 区切りの直前に集まる | 合う |
| 16時の後の戻し | 16時の直後に速く戻る | 合う |
- **急に跳ねず、少しずつ上がります。** 値動きの大きさはふだんと同じでした。
- **15分の区切りの直前に上がりやすく**、ほかの5分の約2.6倍でした。
- **16時のフィックスの直後に戻りました。** 戻る速さは、上げの約3.6倍です。
| 測った物 | この時間の値 | くらべる値 |
|---|---|---|
| ドル高の5分足の割合 | 51.6% | ふだん 49.6% |
| 15分の区切りの直前の5分(1本) | +0.29bp | ほかの5分 +0.11bp |
| 16時のフィックスの直後の5分 | −0.61bp | ― |
データで確かめる:暦の28日ではなく、受け渡し日に付いて動いた
28日でないスポット末日は+2.97bp、スポット末日でない28日は+1.42bpでした。 281日のスポット末日のうち、223日は28日ではありません。
効き目は受け渡し日に付いて動いた(9通貨・1回の平均)
四半期末(3・6・9・12月)は+3.31bp(94日)でした。ほかの月の+2.99bpより、少し大きくなりました。
研究で分かっていること
Krohnほか(2024年)の研究では、ドルはフィックスの前に上がり、後に下がると報告されています。Muellerほか(2017年)の研究では、FOMCの日にドルを売る売買に大きな上乗せがあると報告されています。
研究の読み方:どれも2003〜2026年の過去の平均です。これからも同じとは限りません。理由は、測る前に立てて固定した見立てです。支払いの買いを直接見たものではなく、5分足の値動きから推し量っています。
次に読む
自分の口座で1回いくらかかるかは、スプレッドから計算した記事で確かめられます: JFX 売買1回20円なのに、深夜3時過ぎは790円
1,000通貨で試すなら、何通貨からいくらで始められるかは、少額口座4社を比べた記事にあります: 少額FX口座を比較|朝8時台の1回の費用が会社で2円と79円
このサイトで次に調べる候補: ユーロ円が日本の夜に上がる理由を、別の見立てで測ります(理由が知りたい人向け)。
月末とは別の話:ほかに見つけた3つの偏り
月末のほかに、決まった時間に出る偏りが3つありました。
偏り
時間
1回の幅
t値
ノルウェー クローネ高(対ユーロ・米ドル)
ロンドン8:00→13:00
+2.86bp
5.41
FOMCの翌日の豪ドル安
NY5:00→10:00
+9.15bp(175回)
2.91(偶然と見分けられない)
ユーロ円の上げ
日本時間1:00→5:45
+2.43bp
7.21
FOMC=米国の金利を決める会合のことです。ユーロ円の上げは、理由がまだ分かっていません。
豪ドルは、たくさんの時間と日の組み合わせを探して見つけた物です。探した広さを入れて確かめると、偶然と見分けられませんでした。ノルウェー クローネとユーロ円は、偶然では説明しにくい大きさでした。
3つの偏りの費用後の幅と、確かめた経過(読まなくても使えます)
**費用を引いた後の幅(単位bp)**
| 偏り | 費用1bpの後 | 2bpの後 | 3bpの後 |
|---|---|---|---|
| オスロの朝のクローネ高 | +1.86 | +0.86 | −0.14 |
| FOMCの翌日の豪ドル安 | +8.15 | +7.15 | +6.15 |
| 日本の夜のユーロ円の上げ | +1.43 | +0.43 | −0.57 |
**ノルウェー クローネはオスロの朝に高い(根拠あり)**
見立ては、ノルウェーの企業や中央銀行がオスロの時間にクローネを買う、です。
- ノルウェーの祝日(142日)は−5.96bpで、消えて逆になりました。
- 同じ北欧のスウェーデン クローナには、出ませんでした(−0.11bp)。
- 強いのは2015年からです。2015〜2020年は+4.45bp、2021〜2026年は+5.01bpでした。
**豪ドルはFOMCの翌日に下がる(偶然と見分けられない)**
FOMCでない日に同じくらい動いた翌日には、出ませんでした(−0.32bp)。
- 「FOMCの日に上がった分が戻る」という見立ては、合いませんでした。当日と翌日の動きには、ほぼ関係がありません(相関0.018)。
- 翌日にドル全体が買われた可能性があります。確かめると、同じ時間にドルが全部の通貨に対して上がっていました。
- 豪ドル(+9.15bp)とNZドル(+6.29bp)が、ユーロ(+5.38bp)より大きく下げました。
- 発表の後にドル高だった回ほど、翌日の下げも大きくなりました(+11.39bp と +7.04bp)。
**ユーロ円は日本の夜に上がる(理由はまだ分からない)**
ユーロ高と円安の両方から来ています。2つの見立ては、どちらも合いませんでした。
| 見立て | 正しければこうなるはず | 結果 |
|---|---|---|
| スワップ目当ての買い | 水曜が一番大きい | 一番は木曜(+4.05bp)・合わない |
| 日本の人がいない時間の円安 | 日本の祝日の夜に小さくなる | 米ドル/円の祝日の夜は+1.01bpで、全体の+1.09bpとほぼ同じ・合わない |
祝日の東京の時間は、逆に円高が−4.76bpへ大きくなりました。
Googleの検索のAIが出した別の見立ても、2回確かめました。
- 「ロンドンのフィックスの直後に買い戻される」
- 「投資信託の基準価額の計算や、企業の資金の集め直しで、月末や四半期末に大きくなる」
- 前半の上げは、ロンドンのフィックスの時刻に付いて動きました。
- 月末や四半期末に大きくなる仮説は、逆でした(月末は+0.01bp)。
後半の上げの理由は、まだ分かりません。
出典
日本銀行「外国為替およびデリバティブに関する中央銀行サーベイ(2025年4月中 取引高調査)について:日本分集計結果」2025年10月6日. https://www.boj.or.jp/statistics/bis/deri/deri2504.htm
Krohn, I., Mueller, P., & Whelan, P.(2024)「Foreign Exchange Fixings and Returns around the Clock」The Journal of Finance 79(1). https://doi.org/10.1111/jofi.13306
Mueller, P., Tahbaz-Salehi, A., & Vedolin, A.(2017)「Exchange Rates and Monetary Policy Uncertainty」The Journal of Finance 72(3). https://researchonline.lse.ac.uk/id/eprint/77256
この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。