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柔道整復師の年収平均を勤続年数別に:国の表は経験年数別、15年以上は約502万円

柔道整復師の年収平均を勤続年数別に:国の表は経験年数別、15年以上は約502万円
2026-10-22 更新

この記事の要点

  • 柔道整復師の年収の平均を勤続年数別に出した国の表はありません。国の表は柔道整復師を含む「その他の保健医療従事者」の経験年数別で、年収の目安は経験0年で約305万円、15年以上で約502万円です。
  • 国の表の年数は勤続年数ではなく経験年数です。職場が変わっても、免許を取ってから働いた年数は通算され、除くのは休職期間だけです。
  • 同じ区分の女性は、年収の目安が経験5〜9年で約388万円、10〜14年で約385万円と横ばいです。15年以上では男性との差が約131万円に開きます。
この記事の目次(8)
  1. 結論:経験0年は約305万円、15年以上は約502万円
  2. 勤続年数と経験年数のちがい:転職しても経験は通算される
  3. データで見る:男女の差・規模・働く人の数
  4. 自分の経験年数で比べる早見表
  5. 研究で分かっていること:経験と賃金の関係は結果が分かれる
  6. よくある質問
  7. 次に読む
  8. 出典

自分の年数の目安が分かったら、次の困りごとは「求人票で月給のほかに何を比べるか」です。給与以外の決め手まで並べて書き出す表は、こちらの記事に置いています: 求人票に出る項目と出にくい項目を分けて書き出す表

結論:経験0年は約305万円、15年以上は約502万円

柔道整復師だけの年収の表は、国にはありません。以下は柔道整復師を含む区分「その他の保健医療従事者」の目安で、年収は経験0年で約305万円、15年以上で約502万円です。勤続年数は、この区分の平均の8.4年しか出ていません。

その他の保健医療従事者(柔道整復師を含む)の年収の目安は、経験0年で約305万円、15年以上で約502万円、従業員10〜99人の職場の15年以上で約439万円、平均の勤続年数は8.4年です。
経験年数別の年収の目安

従業員10〜99人の職場で経験5〜9年なら、目安は約385万円です。同じ年数でも、規模を問わない数字より低く出ます。年数ごと・男女ごとの目安は、下の早見表にまとめました。

勤続年数と経験年数のちがい:転職しても経験は通算される

転職しても、国の表の「経験年数」は減りません。たとえば前の職場で3年、今の職場で2年なら、経験年数は5年です(数え方の例)。一方の「勤続年数」は今の会社に雇われてからの年数で、転職すると0に戻ります。

公式の用語の説明を確かめると、過去の同じ仕事の年数は「すべて通算する」とあり、除くのは休職期間だけです。免許が要る仕事は、免許を取ってから実際にその仕事をした年数を数えます。「勤続年数別」で探して見つかる国の物差しが、実は転職で途切れない年数だったのは、調べて分かった意外な点です。

免許を取ってからの年数を通算し、休職期間と助手の期間を除き、求人票の年収を出して、示された条件が契約と同じか確かめるチェックリストです。
経験年数の数え方と確かめ方

この区分には、柔道整復師のほかに臨床工学技士・はり師・きゅう師・整体師・義肢装具士なども入ります。柔道整復師の助手は、別の職種として数えられています。年収の目安は「月の所定内給与(残業代を除いた毎月の給与)×12+年間賞与」で計算していて、残業代は入っていません。

データで見る:男女の差・規模・働く人の数

男性は経験が増えるほど月給が上がりますが、女性は5〜9年と10〜14年で月給がほぼ同じです。同じ年の別の人どうしを比べた表なので、一人の給与が下がるという意味ではありません。

その他の保健医療従事者(柔道整復師を含む)の月の所定内給与は、男性が経験0年246,800円から15年以上370,600円へ上がり、女性は5〜9年268,200円と10〜14年266,700円がほぼ同じです。
男女別の月の所定内給与

この区分で働く人のうち、経験15年以上の人は約31.4%です。平均の年齢は37.6歳、月の所定内の労働時間は159時間です。

柔道整復師として働く人は78,666人で、平成26年の63,873人から調査のたびに増えています。こちらは柔道整復師だけを数えた別の統計です。

経験15年以上の人は約31.4%、平均年齢は37.6歳、柔道整復師として働く人は78,666人です。
働く人の数と年齢

厚生労働省が職種別の賃金を時給に直した一覧では、この区分の0年の時給は1,326円、20年は2,405円です。賞与の12分の1を含み、期間の定めのないフルタイムの人が対象なので、上の年収の目安とは作り方が違う別の数字です。

自分の経験年数で比べる早見表

使い方: 自分の経験年数の列を見て、最後の行に求人票の年収を書き込みます。

区分(万円) 0年 1〜4年 5〜9年 10〜14年 15年以上 計
男女計・全規模 304.7 356.6 411.9 443.9 502.2 425.7
男女計・従業員10〜99人 272.6 331.4 385.4 405.6 438.8 385.3
男性・全規模 305.6 369.0 429.3 471.4 552.4 455.8
女性・全規模 303.7 338.9 387.5 384.7 421.4 378.7
求人票の年収(自分で書く)
差(自分で書く)
  • 式: 国の目安=月の所定内給与×12+年間賞与。求人票の年収=残業代を除いた月給×12+賞与
  • 例: 男女計・全規模の0年は、239.6千円×12+171.4千円=3,046.6千円(約305万円)
  • 表の数字は結論と同じ区分の目安です。0年は、賞与が前の年1年間の額のため低めに出ると考えられます。

求人票の年収は、上の式のとおり残業代を除いた月給で出すと、国の目安と同じ作りで比べられます。働く条件は、雇う側が契約のときに示すことが法律で決まっていて、示された条件が実際と違えば、働く人はすぐに契約を解除できます。紹介会社や求人を出す側にも、賃金などの条件をはっきり示す決まりがあります。

差を書き込んだあとに残るのは、保険と自費の割合など、求人票に出にくい項目をどう比べるかです。その書き出し方は、こちらの記事で表にしています: 求人票に出る項目と出にくい項目を分けて書き出す表

研究で分かっていること:経験と賃金の関係は結果が分かれる

柔道整復師だけを調べた研究はなく、日本の働く人全体の研究では、賃金の上がり方の結果が分かれています。勤続で賃金が上がる傾きは急だという結果と、その傾きが緩やかになっているという結果の両方があります。どの研究も「関係があった」までで、原因と結果までは分かりません。

同じ仕事の経験は賃金と関係がある。 Kambourov・Manovskii(2009年)の研究では、同じ職種の経験が5年あることが賃金の12〜20%高い水準と関係があり、職種の経験を考えに入れると会社や業界での勤続の影響は比較的小さかった。米国の労働者の結果で、日本の治療家にそのまま当てはまるとは言えません。

日本は勤続で上がる傾きが急。 川口(2011年)の研究では、日本の賃金と勤続年数の関係の傾きは、米国より急だった。2000年代後半の日本の働く人全体の結果で、職種ごとの違いは分けていません。

ただし近年は上がり方が平らに。 上野(2021年)の研究では、2000年代前半と比べて2010年代半ば以降は、少なくとも30代から賃金の上がり方が平らになる関係があった。木村ほか(2019年)の研究でも、働いた経験に対する賃金の上がり方が2000年代から2010年代にかけて低下したという関係があった。どちらも日本の働く人全体の結果で、年数を重ねた人ほど関わりやすい話です。

転職で合う仕事を選ぶ動きは早い時期に。 赤木・勇上(2021年)の研究では、日本でもキャリアの早い段階では、転職で自分に合う仕事を選ぶ動きと関係があることが示唆された。若いうちに職場を移る人には当てはまりやすく、職種を分けた結果ではありません。

転職直後は賃金が低く、年数で差が縮む。 内閣府(2025年度)の分析では、転職して0〜2年目の賃金はどの年齢でも転職していない人より低く、転職後の勤続が延びるほど差が縮み、職種を大きく分けると専門的・技術的な職業では転職者の賃金水準が高いという関係があった。職種を大きく分けた分析なので、転職で年収が上がるとは言えません。

研究の読み方

この表は、それぞれの研究が、どんな人のデータで、どこまで言えるかを見たものです。「関係があった」は、原因と結果までは分からないという意味です。

研究 分かる範囲 対象 限界
Kambourov・Manovskii(2009年) 関係があった 米国の労働者 米国のデータ。柔道整復師を分けていない
川口(2011年) 関係があった 日本の賃金統計の一人ひとりのデータ(2005〜2008年)と米国の調査 査読(学会の審査)を経た正式な論文ではない。職種別ではなくデータも古い
上野(2021年) 関係があった 日本の雇われて働く人 平らになった背景の説明は、著者自身が「推測の域を出ない」と書いている。職種別ではない
木村ほか(2019年) 関係があった 日本の労働者の一人ひとりのデータ 査読を経た正式な論文ではない。職種別ではない
赤木・勇上(2021年) 関係があった 日本のデータ 職種別ではない
内閣府(2025年度) 関係があった(賃金統計の一人ひとりのデータから作った分析) 日本の働く人(2020〜2024年) 職種は大きな分け方だけ

よくある質問

平均ではなく中央値はいくら?

同じ国の調査では、同じ区分の月の所定内給与の中央値(真ん中の値)は282,200円で、平均の294,900円より約1.3万円低い値です。経験年数別に出ているのは平均なので、この記事の年収の目安は平均から計算しています。

開業すると年収はどうなる?

福島ほか(2019年)の全国調査では、はり・きゅう業者の標準的な年収は324万円で、年収の低い層と高い層に大きく分かれていました。勤め人ではなく施術所を営む人の調査で、施術所の数や療養費から開業を考えた記事は「次に読む」に置いています。

鍼灸の資格も持つと年収は変わる?

はり師・きゅう師も柔道整復師と同じ区分に入るため、国の賃金の表では資格ごとに分けられません。

次に読む

国の目安と比べたあとに残るのは、給与以外の決め手をどう並べるかです。保険と自費の割合など、求人票に出にくい項目まで書き出す表はこちらです。

このサイトで次に調べる候補: 鍼灸師と理学療法士の給料(同じ国の表で職種を比べたい人向け)

出典

  1. 厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査 第14表 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)』2025年. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421129&fileKind=4
  2. 厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査 第17表 職種(小分類)、所定内給与額階級別労働者数及び所定内給与額の分布特性値』2025年. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421132&fileKind=4
  3. 厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査 第1表』2025年. https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000040421116&fileKind=4
  4. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査で使用されている主な用語の説明」. https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/yougo-01.html
  5. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査 職種一覧と解説」. https://www.mhlw.go.jp/content/001546622.pdf
  6. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)令和9年度適用」. https://www.mhlw.go.jp/content/001743451.pdf
  7. 厚生労働省『令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況』2024年. https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/24/dl/kekka3.pdf
  8. 内閣府「日本経済レポート(2025年度版)第2章第2節」. https://www5.cao.go.jp/keizai3/2025/0210nk/n25_2_2.html
  9. 労働基準法 第15条. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=322AC0000000049;article=15
  10. 職業安定法 第5条の3. https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=322AC0000000141;article=5_3
  11. Kambourov, G. & Manovskii, I.(2009)「Occupational Specificity of Human Capital」International Economic Review. https://ideas.repec.org/a/ier/iecrev/v50y2009i1p63-115.html
  12. 川口大司(2011)「ミンサー型賃金関数の日本の労働市場への適用」RIETI ディスカッション・ペーパー. https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/11030018.html
  13. 上野有子(2021)「わが国の60代労働者の就業変化と労働市場への影響」日本労働研究雑誌. https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2021/09/pdf/043-051.pdf
  14. 木村太郎・倉知善行・須合智広(2019)「低下する人的資本への賃金リターン ―労働者のミクロデータを用いた賃金と就業経験に関する分析―」日本銀行ワーキングペーパー. https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2019/wp19e12.htm
  15. 赤木邦江・勇上和史(2021)「転職による適職選択行動」経済政策ジャーナル. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jeps/18/1/18_1/_article/-char/ja
  16. 福島正也・藤井亮輔・近藤宏・矢野忠(2019)「はり・きゅう業の経営実態に関する全国調査-はり・きゅう業者の患者数、施術料金、年収-」全日本鍼灸学会雑誌. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/69/3/69_176/_article/-char/ja

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