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エクソソームのED治療の費用と保険。海外114社の調査と国の文書で確かめる

エクソソームのED治療の費用と保険。海外114社の調査と国の文書で確かめる
2026-10-20 公開・2026-10-21 更新

この記事の要点

  • エクソソームのED治療の費用は、公的医療保険が使えず、全額自己負担になると考えられます。エクソソーム等で薬事承認を得た医薬品は「ありません」とされています。未承認薬などを治療に使うと全額自己負担になります。
  • 海外28か国の114社を調べた研究では、価格の幅をウェブサイトに載せていた38社の表示が USD99〜20,000 でした。米国でEDなどの治療を行う79か所に問い合わせた調査では、幹細胞の注射1回の平均が $5,291 でした。
  • 海外114社のうち、価格の幅をウェブサイトに載せていたのは38社だけで、残りの76社(114 − 38)、約67%(76 ÷ 114 ≒ 0.667)は載せていませんでした。
  • 医療費控除の対象は「医師…による診療または治療の対価」です。控除額は「支払った医療費 − 補てん − 10万円」で、最高200万円です。この治療が対象になるかは、税務署で確かめます。
この記事の目次(7)
  1. 保険は使えず全額自己負担と考えられ、控除は税務署で確かめる
  2. エクソソームを使う医療の制度上の位置づけ
  3. 試験の数と相談件数をデータで見る
  4. 研究と公式の原文で分かっていること
  5. 見積もりで確かめる点と、費用を式で見る表
  6. よくある質問
  7. 出典

費用と申し込みの流れをまとめた記事: 費用と申し込みの流れをまとめた記事

保険は使えず全額自己負担と考えられ、控除は税務署で確かめる

エクソソームは、細胞が外に出す「細胞外小胞」に含まれる物です。ED は勃起不全のことです。エクソソーム等で、諸外国を含め有効性・安全性が示されて薬事承認を得た医薬品は「ありません」とされています。

厚生労働省は、未承認薬などを治療で使うと全額自己負担になると説明しています。この2つの文から、エクソソームを使うED治療は保険が使えず、全額自己負担になると考えられます。

海外の調査では、114社のうち価格の幅を載せていた38社の表示が USD99〜20,000 でした。医療費控除は、本人の支払いが国税庁の基準に当たるかで決まるため、税務署で確かめます。

エクソソームを使う医療の制度上の位置づけ

承認された医薬品は無い

厚生労働省の事務連絡は、エクソソーム等で「薬事承認を得て製造販売されている医薬品はありません」と書いています。続けて、この医療を行う場合は「実施する医師・歯科医師の責任のもと、特にその安全性について留意する必要がある」としています。

再生医療の法律の対象外になる場合がある

再生医療等安全性確保法は、再生医療を行う医療機関に計画の届出などを求める法律です。厚生労働省のQ&Aは、エクソソームを含む細胞外小胞を使う医療技術は「細胞を含まないことが明らかである場合には、法の対象外である」としています。この場合、この法律の届出の仕組みでは、その医療を確かめられないことになります。

法の見直しは検討中

同じQ&Aは、細胞の分泌物を使う医療技術について、改正法の施行後2年を目途に法の適用の在り方を検討すると書いています。厚生労働省のワーキンググループは、2026年10月8日にもこの見直しを話し合っています。資料2は今後の対応(案)として、エクソソームを含む細胞外小胞を再生医療等安全性確保法の対象とすべきとしています(案の段階で、まだ決まってはいません)。

試験の数と相談件数をデータで見る

人での試験は128件・EDは第Ⅲ相の対象に無い

治験は第Ⅰ相から第Ⅲ相まで順に進みます。2024年10月時点で、ClinicalTrials.gov に登録されたエクソソームの介入試験は128件でした。

内訳は、第Ⅳ相が0件、第Ⅲ相が6件、第Ⅱ相が36件、第Ⅰ相が41件です。第Ⅲ相の対象疾患は、1型糖尿病・男性脱毛症・COVID-19・網膜色素変性症・急性呼吸窮迫症候群・前立腺がんで、EDは挙がっていません。国内では、jRCT と UMIN-CTR で検索した限りで、エクソソームなどを使う介入試験は「認められず」とされています。第Ⅰ相から第Ⅲ相を足すと 6 + 36 + 41 = 83 件で、残りの 45 件(128 − 83)は、資料で引用した範囲に内訳の記載がありません。

2024年10月時点のエクソソームの介入試験は128件で、第Ⅳ相0件・第Ⅲ相6件・第Ⅱ相36件・第Ⅰ相41件、国内の介入試験は認められなかったことを示す図
エクソソームの介入試験の数

美容医療サービスの相談件数

国民生活センターの PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)は、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースです。美容医療サービスの相談件数は、2023年度が6,281件、2024年度が10,744件、2025年度が7,944件でした。2025年度は前の年度より2,800件少なく、約74%の件数です(7,944 ÷ 10,744 ≒ 0.739)。

この数は美容医療サービス全体の件数で、エクソソームやEDだけの数ではありません。国民生活センターは、「包茎手術」なども含む医師が行う美容医療の施術で、販売方法や広告に問題のあるものや、皮膚障害や熱傷などの危害の相談が寄せられているとしています。2026年度は途中の数で、735件(前年同期910件)です。

PIO-NETに登録された美容医療サービスの相談件数が2023年度6,281件、2024年度10,744件、2025年度7,944件だったことを示す表
美容医療サービスの相談件数

研究と公式の原文で分かっていること

海外114社を調べた研究の価格の幅

Asadpour ほか(2023年)が、幹細胞のセクレトーム・エクソソーム・細胞外小胞を使う施術を売る事業者のウェブサイトを対象に調べた研究では、114社が28か国で施術を売っていました。セクレトームは、厚生労働省のQ&Aで「細胞から細胞外に分泌されるタンパク質全般を指す呼称」とされています。施術の多くは、出どころを明かしていない他人の幹細胞を元にしていて、いちばん多い用途は肌の手入れでした。価格の幅をウェブサイトに載せていたのは114社のうち38社で、その幅は USD99〜20,000 でした。いちばん安いのは肌の手入れ、いちばん高いのは関節炎の施術で、どちらも米国で売られていました。

この研究は、ウェブの表示を集めた横断的な調査です。効き目は調べていません。価格はウェブ上の表示で、実際に払われた額ではありません。

米ドル建てで、日本の価格ではありません。この幅は施術全体のもので、EDに限った額ではありません。著者は要旨で「This poses significant risks for the patients(患者にとって大きなリスクになる)」と書いています。

米国79か所の治療法ごとの平均価格

Thomas ほか(2023年)が、米国でEDとペロニー病に適応外の治療を行う医療機関79か所(幹細胞26・PRP26・衝撃波27)に質問して調べた研究では、治療の費用は医療機関の間で大きく違いました。平均は、幹細胞の注射1回が $5,291、PRP の注射1回が $1,336、衝撃波の1回が $413 でした。この額は、医療機関が問い合わせに答えた額です。PRP は、多血小板血漿のことです。

この研究はエクソソームそのものを調べていません。米国だけのドル建ての数で、要旨だけを読んだものです。著者は、患者に示されている効き目の主張を支える科学的なデータが乏しい(lack of scientific data to support the claims)と書いています。

カナダの調査も同じ向き

Shah ほか(2024年)がカナダの医療機関を対象に調べた調査(要旨)では、衝撃波やPRPなどの治療が、日常の診療で使う裏付けが限られているのに、多くの医療機関でEDとペロニー病に提供されていました。治療の手順はまちまちで、費用は高くなっていたとされています。この調査もエクソソームを調べたものではありません。

学会の注意喚起(iPS細胞由来の場合)

日本再生医療学会は、iPS細胞由来のエクソソームを使う治療について、「臨床的エビデンスは十分に確立されていない状況です」としています。そのうえで、担当医師に「エビデンスや安全性、リスクに関する詳細な情報を質問してください」と呼びかけています。この文はiPS細胞由来のエクソソームについてのものです。

見積もりで確かめる点と、費用を式で見る表

表A: 見積もりで聞く点

自由診療の医療機関がウェブで治療を説明するには、決まった情報を出す条件があります。その条件と、未承認医薬品等を使う時に明示する項目を、見積もりで聞く点に並べ直しました。エクソソーム製剤がこの「未承認医薬品等」に当たるかは、この資料に書かれていないので、法令の当てはめではなく、聞く点の手がかりとして使います。

見積もりで聞く点 手がかりにした国の文書の文
通常必要な治療の内容と費用の総額 「③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること」
主なリスク・副作用 「④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること」
承認を得ていない物かどうか 「承認を得ていないものであることを明示すること」
医師の個人輸入かどうか 「医師等の個人輸入による未承認医薬品等を用いる場合は、その旨を明記すること」
同じ成分の国内の承認薬があるか 「同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等の有無を記載し」
海外の情報が足りない場合のリスクの説明 「重大なリスクが明らかになっていない可能性があることを明示すること」
安全性についての説明 「特にその安全性について留意する必要がある」(事務連絡 令和6年7月31日)
エクソソームのED治療の見積もりで、費用の総額・リスク・承認の有無・入手経路・国内の承認薬・情報不足の明示を確かめる一覧
見積もりで確かめる点

表B: 費用の数字と医療費控除の計算

読む人の条件: 保険が使えない全額自己負担の治療で、支払った額を X 円とします。保険金などの補てんは0円、総所得金額等は200万円以上、支払いが国税庁 No.1122 の対象と認められた場合に限ります。

項目 数字・式 出典と注意
海外の施術の価格の幅 USD99〜20,000(上限は下限の約202倍: 20,000 ÷ 99 ≒ 202) Asadpour ほか 2023。114社のうち価格の幅を載せていた38社のウェブ表示。EDに限らない
米国の幹細胞の注射1回 平均 $5,291 Thomas ほか 2023。エクソソームではない
米国のPRPの注射1回 平均 $1,336 同上
米国の衝撃波1回 平均 $413(幹細胞は約12.8倍: 5,291 ÷ 413 ≒ 12.8) 同上
医療費控除の式 控除額 = X − 0円(補てん) − 100,000円 国税庁 No.1120
控除額の上限 2,000,000円。X が 2,100,000円(= 2,000,000 + 100,000)を超えると、控除額は 2,000,000円で止まる 国税庁 No.1120
総所得金額等が200万円未満の人 100,000円の代わりに、総所得金額等の5%を引く 国税庁 No.1120

医療費控除は、1年間に払った医療費の一部を所得から差し引ける仕組みです。対象は、病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額とされています。エクソソームのED治療がこれに当たるかは国税庁のページに書かれていないので、申告の前に税務署の相談窓口で確かめます。

対象の基準を確かめ、医療費の合計から補てんと10万円を引き、上限200万円を当て、分からない時は税務署に聞く手順
医療費控除の計算の手順

よくある質問

エクソソームのED治療に保険は使えますか

エクソソーム等で薬事承認を得た医薬品は「ありません」とされています。未承認薬などを治療で使うと全額自己負担になります。このため、全額自己負担になると考えられます。

医療費控除の対象になりますか

対象は「医師または歯科医師による診療または治療の対価」です。この治療についての直接の記載は国税庁のページに無いので、税務署の相談窓口で確かめます。対象と認められた場合の控除額は、支払った医療費 − 補てん − 10万円で、最高200万円です。

再生医療の届出で、この医療を確かめられますか

細胞を含まないことが明らかな場合、エクソソームを使う医療技術は再生医療等安全性確保法の対象外です。この場合、法の届出の仕組みでは確かめられません。2026年10月8日の資料2は、今後の対応(案)として、エクソソームを含む細胞外小胞を再生医療等安全性確保法の対象とすべきとしています(案の段階で、まだ決まってはいません)。

人での試験はどこまで進んでいますか

2024年10月の時点で、エクソソームの介入試験は128件、第Ⅳ相は0件、第Ⅲ相は6件でした。第Ⅲ相の対象疾患にEDは挙がっていません。国内では、エクソソームなどを使う介入試験は「認められず」とされています。

このサイトで次に調べる候補: ed治療 病院 費用(病院でED治療を受ける時の費用の内訳と保険の扱いを知りたい人向け)

出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

  1. 厚生労働省 事務連絡「幹細胞培養上清液及びエクソソーム等を用いる医療について(周知)」(令和6年7月31日). https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001282062.pdf
  2. 厚生労働省医政局研究開発政策課「再生医療等の安全性の確保等に関する法律等に関するQ&A」(令和7年5月30日). https://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2025/250602_15.pdf
  3. 厚生労働省 第8回 再生医療等安全性確保法の見直しに係るワーキンググループ 資料2「エクソソームを含む細胞外小胞及び細胞培養上清液の法令上の取扱いについて」(令和8年10月8日・2024年10月時点の文献調査を含む). https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001756985.pdf
  4. 日本再生医療学会「iPS 細胞由来エクソソームの臨床応用について(注意喚起)」(2024年12月27日). https://jsrm.jp/cms/uploads/2024/12/iPS_exosome_20241227.pdf
  5. 厚生労働省「患者申出療養制度」. https://www.mhlw.go.jp/moushideryouyou/
  6. 国税庁 タックスアンサー No.1122「医療費控除の対象となる医療費」. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm
  7. 国税庁 タックスアンサー No.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
  8. 厚生労働省 第13回 医薬品等行政評価・監視委員会 資料1-1(医療広告ガイドラインの限定解除とQ&A、令和5年9月20日). https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001147575.pdf
  9. 国民生活センター『PIO-NETに登録された相談件数の推移(美容医療サービス)』2023〜2026年度(2026年5月31日現在). https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/biyo.html
  10. Asadpour A, Yahaya BH, Bicknell K, Cottrell GS, Widera D(2023)「Uncovering the gray zone: mapping the global landscape of direct-to-consumer businesses offering interventions based on secretomes, extracellular vesicles, and exosomes.」Stem Cell Research & Therapy 14(1):111. https://doi.org/10.1186/s13287-023-03335-2
  11. Thomas J, Sencaj M, Ghomeshi A, Zucker IJ, Best JC, Ramasamy R(2023)「Stem-Cell, Shockwave, and Platelet Rich Plasma Therapy for the Treatment of Erectile Dysfunction and Peyronie's Disease: A Survey of Clinics Across the USA.」Urology 178:83-90. https://doi.org/10.1016/j.urology.2023.01.061
  12. Shah J ほか(2024)Canadian Urological Association Journal 18(12):420-424. https://doi.org/10.5489/cuaj.8804
  13. 国立がん研究センター(治験の段階の説明). https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/clinical_trial/patient/020/20170918141325.html
  14. 国民生活センター「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)」. https://www.kokusen.go.jp/pionet/index.html

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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