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美容医療のクーリングオフのやり方:8日以内の手順と、途中解約の上限(5万円か残額の20%)

美容医療のクーリングオフのやり方:8日以内の手順と、途中解約の上限(5万円か残額の20%)
2026-10-20 公開・2026-10-21 更新

この記事の要点

  • 美容医療のクーリングオフのやり方は、契約書面を受け取った日から数えて 8 日以内に、書面か電磁的記録(メールなど)で契約を解除すると知らせることです。効力は知らせを「発した時」に生じ、すでに受けた施術の分も請求されません。
  • 対象は、期間が 1 か月を超え、金額が 5 万円を超え、省令 第九十一条の方法(光・音波の照射、薬剤、機器、糸の挿入など)で行う美容医療です。コース契約をせず、続けるかを自分で決められる都度払いは、原則として対象になりません。
  • 公式の表で並べると、中途解約で受けた分の代金に足される額は「5万円か残額の20%の低いほう」なので、美容医療の契約残額が 25 万円を超えると残額がいくら大きくても 5 万円のままなのは、調べて分かった意外な点です(50,000 ÷ 0.2 = 250,000)。
  • 8 日を過ぎても中途解約はできます。請求の上限は、施術の開始前なら 2 万円、開始後なら「受けた分の代金」に「5 万円か残額の 20% の低いほう」を足した額です。美容医療サービスの相談件数は 2024 年度が 10,744 件、2025 年度が 7,944 件でした。
この記事の目次(8)
  1. 結論:美容医療のクーリングオフは「8日以内・書面かメール・発した時」
  2. 仕組み:対象になる美容医療の条件と言葉の意味
  3. データで見る:美容医療サービスの相談件数
  4. 研究と公式の原文で分かっていること
  5. よそに無い物:中途解約の上限の計算表と手順表
  6. 自分の契約で計算する表
  7. よくある質問
  8. 出典

費用と申し込みの流れをまとめた記事: 費用と申し込みの流れをまとめた記事

結論:美容医療のクーリングオフは「8日以内・書面かメール・発した時」

クーリングオフとは、契約したあとでも決められた期間の中なら、理由を問われずに契約を解除できる仕組みです。美容医療の場合、期間は書面を受け取った日から数えて 8 日以内です。美容医療では、契約書面を受け取った日から数えます。

知らせ方は、書面でも電磁的記録でもかまいません。電磁的記録とは、メールやウェブの専用フォームなど、電子の形で残る記録のことです。効力は、相手に届いた時ではなく、知らせを「発した時」に生じます。

すでに施術を受けたあとでも、8 日以内の解除なら、その施術の対価は請求されません。また、「書面の記載内容に不備があるときは、所定の期間を過ぎていてもクーリング・オフできる場合があります」(国民生活センター「クーリング・オフ」)。

仕組み:対象になる美容医療の条件と言葉の意味

「特定継続的役務提供」という言葉

特定継続的役務提供とは、一定の期間と金額を超えて続けて受けるサービスのうち、法律で決められた種類のものを言います。エステは以前から対象で、美容医療は 2017 年 6 月 30 日に公布された施行令の改正で加わりました。クーリングオフと中途解約のルールは、この区分に当たる契約に使われます。

条件は「1 か月超・5 万円超」と 5 つの方法

施行令 別表第四 二の項は美容医療の期間を「一月」と定め、金額の要件「五万円」は施行令 第24条第2項が定めています。そのうえで、方法は省令で決めたものに限るとしています。省令の原文は次の 5 つの区分です。

区分 目的 方法(省令の原文)
一 脱毛 光の照射又は針を通じて電気を流すことによる方法
二 にきび、しみ、そばかす、ほくろ、入れ墨その他の皮膚に付着しているものの除去又は皮膚の活性化 光若しくは音波の照射、薬剤の使用又は機器を用いた刺激による方法
三 皮膚のしわ又はたるみの症状の軽減 薬剤の使用又は糸の挿入による方法
四 脂肪の減少 光若しくは音波の照射、薬剤の使用又は機器を用いた刺激による方法
五 歯牙の漂白 歯牙の漂白剤の塗布による方法

条番号は、現行の版では第九十一条です。

都度払いと 1 回きりの施術の線引き

消費者庁の Q&A(埼玉県掲載の写し)問1 は、「コース契約を締結せずにその都度治療を行う場合、治療の継続について消費者が自由に選択することが可能である場合には、特定継続的役務提供に該当しない範囲での契約を繰り返しているものと判断されることになります」としています。つまり、都度払いは原則として対象外です。

ただし、同じ Q&A の問3 は、「仮に病院において行われる治療が1回限りであっても、付随して提供される役務や関連商品を含めた契約全体の実態からみて、役務が継続的に提供されていると判断される場合は、特定継続的役務提供に該当することになります」としています。この Q&A には、「当庁としての一般的な解釈を示すものであり、個別事案に関する法令適用の有無を回答するものではありません」という注があります。

関連商品と消耗品の例外

関連商品とは、サービスと一緒に買う商品で、法律がクーリングオフの対象に含めているものです。美容医療では、「いわゆる健康食品」「化粧品」「マウスピース(歯牙の漂白のために用いられるものに限る。)及び歯牙の漂白剤」「医薬品及び医薬部外品であって、美容を目的とするもの」が挙げられています。

ただし、「使うと商品価値がほとんどなくなる、いわゆる消耗品(いわゆる健康食品、化粧品など)を使ってしまった場合には、クーリング・オフの規定が適用されません」(同ガイド)。

美容医療の契約がクーリングオフの対象かを、期間・金額・方法・契約の形・関連商品の順に確かめるチェックリスト。
クーリングオフの対象かを確かめる

データで見る:美容医療サービスの相談件数

PIO-NET とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースです。そこに登録された美容医療サービスの相談は、2023 年度が 6,281 件、2024 年度が 10,744 件、2025 年度が 7,944 件でした。2025 年度は 2024 年度の約 74% で、2,800 件少なくなっています(7,944 ÷ 10,744 ≒ 0.739、10,744 − 7,944 = 2,800)。

PIO-NET に登録された美容医療サービスの相談件数は、2023年度6,281件、2024年度10,744件、2025年度7,944件だった。
美容医療サービスの相談件数

この数字は「2026年5月31日現在(消費生活センター等からの経由相談は含まれていません)」とされています。2026 年度は 5 月 31 日までで 735 件、前年同期は 910 件でした。年度の途中の数字なので、ほかの年度の合計とは並べていません。

それより前の年度は、国民生活センターが 2023 年 8 月 30 日に公表した資料に出ています。2018 年度は 1,980 件、2022 年度は 3,709 件でした。公表した時点が上の表と違うため、1 本の流れにはまとめていません。

2023年8月30日公表の国民生活センターの資料では、美容医療サービスの相談件数は2018年度1,980件、2022年度3,709件だった。
2018年度と2022年度の相談件数

同じ資料は、相談の例として次のように書いています。「カウンセリングのために来院したところ、「今やった方がいい」「今やらなければ間に合わない」などと、その場での契約と施術を迫る勧誘がみられます」(国民生活センター「増加する美容医療サービスのトラブル」2023年8月30日)。そのうえで、「その場で契約・施術をしないようにしましょう」と呼びかけています。

研究と公式の原文で分かっていること

この記事は制度を扱うため、施術の効き目の言い方は使いません。ここでは、制度と消費者を扱った 2 本の論文を、原文の範囲で紹介します。

佐藤(2019 年):制度を検討した論説

佐藤(2019 年)は、医療法・特定商取引法・広告の規制など、日本の医療の法制度を検討した法学の論説です。人を対象に調べた研究ではなく、著者の評価も含みます。2019 年時点の整理なので、2022 年に始まった電磁的記録での通知は入っていません。

この論説は、美容医療が 2017 年の施行令の改正で特定継続的役務に加わったことを整理しています。そのうえで、「これまで問題になった事案の多くは美容医療である」と述べ、「自由診療における価格の明確化、サービス内容についての需要者の選択の支援の必要性が高い」としています。今の手順の根拠は、この記事では法令と公的機関の原文に置いています。

今城・田村(2020 年):女子高校生 510 人の認識の調査

今城・田村(2020 年)が女子高校生 510 人を対象に、美容医療・エステのサービスの知識・認識・行動を調査で調べた研究では、次の 3 つを伝える必要がある、という結果でした。サービスの実際の危険への認識を高めること、契約・消費者の行動と権利の基本を伝えること、相談窓口があると知らせることです(要旨より)。この調査をもとに、啓発のリーフレットが作られました。

この調査で測ったのは知識・認識・行動の自己申告で、トラブルの件数やリーフレットの効果は要旨に書かれていません。対象は女子高校生に限られるので、若い人全体の話には広げられません。

よそに無い物:中途解約の上限の計算表と手順表

表 1 8 日を過ぎた時の中途解約の上限

中途解約とは、8 日を過ぎたあとに、これから先の分の契約を解除することです。違約金の定めがあっても、事業者は法律で決めた額を超えて請求できません。美容医療の上限は、開始前が 2 万円、開始後が「五万円又は契約残額の百分の二十に相当する額のいずれか低い額」です。

読む人の条件: 1 回あたりの単価が決まったコース契約を、8 日を過ぎてから中途解約する場合。

例 契約総額 単価×回数 受けた回数 提供済みの分 契約残額 残額の 20% 足す額の上限 請求の上限 戻る額(最低)
A 開始前 300,000円 60,000円×5回 0回 0円 — — 20,000円 20,000円 280,000円
B 開始後 300,000円 60,000円×5回 2回 120,000円 180,000円 36,000円 36,000円 156,000円 144,000円
C 開始後 600,000円 120,000円×5回 2回 240,000円 360,000円 72,000円 50,000円 290,000円 310,000円
  • 金額は、計算の例として置いた数字です。
  • 「足す額の上限」は、開始前(例 A)は「契約の締結及び履行のために通常要する費用」の上限 20,000 円、開始後(例 B・C)は「通常生ずる損害」の上限(5 万円か残額の 20% の低い方)です。
  • 法定利率による遅延損害金は入れていません(第49条 第2項は、上限の額に遅延損害金を足すと定めています)。
  • 精算は、交付書面に明記された単価で行います。

式

  • 例 A:開始前なので上限は 20,000 円。300,000 − 20,000 = 280,000 円が戻る額の最低です。
  • 例 B:300,000 − 120,000 = 180,000、180,000 × 0.2 = 36,000、min(50,000, 36,000)= 36,000、120,000 + 36,000 = 156,000 円。300,000 − 156,000 = 144,000 円が戻る額の最低です。
  • 例 C:600,000 − 240,000 = 360,000、360,000 × 0.2 = 72,000、min(50,000, 72,000)= 50,000、240,000 + 50,000 = 290,000 円。600,000 − 290,000 = 310,000 円が戻る額の最低です。

境目: 50,000 ÷ 0.2 = 250,000。契約残額が 25 万円以下なら「残額の 20%」、25 万円を超えると「5 万円」が上限になります。

消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」の「現在、以下の7役務が特定継続的役務として指定されています。」の切り抜き。いわゆるエステティック 人の皮膚を清潔にの5万の所を赤い枠で囲んでいます。
出典: 消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」(2026-10-21 撮影)

8 日以内と比べると: 8 日以内のクーリングオフなら、例 B・C で受けた 2 回分も請求されません。B なら 156,000 円、C なら 290,000 円の差になります。ただし、健康食品・化粧品などの消耗品の関連商品を使ってしまった分は、クーリングオフの規定が適用されません。

表 2 クーリングオフの送り方の手順

順 すること 出典
1 契約書面を受け取った日を確かめ、その日から 8 日を数える 特定商取引法 第48条 第1項・第42条 第2項
2 対象かを確かめる(期間 1 か月超・金額 5 万円超・省令 第九十一条の方法) 施行令 第24条第2項・別表第四・施行規則 第九十一条
3 契約年月日・契約者名・購入商品名・契約金額など・通知を発した日を書く 国民生活センター「クーリング・オフ」
4 はがきなら両面をコピーし、特定記録郵便か簡易書留で代表者あてに送る(FAX も可能) 国民生活センター「クーリング・オフ」
5 メールなら送ったメールを保存し、専用フォームなら画面のスクリーンショットを残す 消費者庁 特定商取引法ガイド
6 クレジット払いなら、販売会社とクレジット会社に同時に通知する 国民生活センター「クーリング・オフ」
7 効力は通知を「発した時」に生じる 特定商取引法 第48条 第3項
8 送付の記録と関係書類を少なくとも 5 年間保管し、分からない時は 188 に相談する 国民生活センター「クーリング・オフ」・国民生活センター「増加する美容医療サービスのトラブル」2023年8月30日(188)
受け取った日の確認から、対象の確認、書く事項、送付、クレジット会社への通知、効力、5年保管、188への相談までの8つの手順。
クーリングオフの8つの手順

自分の契約で計算する表

使い方: 自分の契約書面の金額と受けた回数を右の欄に入れて、上から順に確かめます。

順 項目 式 自分の数字
1 契約総額 契約書面に書かれた金額  
2 受けた分の代金 契約書面の単価 × 受けた回数  
3 契約残額 1 − 2  
4 残額の 20% 3 × 0.2  
5 足す額 4 と 50,000 円の低いほう(施術の開始前なら、2〜4 は使わずに 20,000 円)  
6 請求の上限 2 + 5(開始前なら 20,000 円)  

式: 請求の上限 = 受けた分の代金 +(50,000 円と契約残額 × 20% の低いほう)。法定利率による遅延損害金は入れていません。

例: 契約総額 300,000 円で、60,000 円の施術を 2 回受けたなら、契約残額は 300,000 − 120,000 = 180,000 円です。180,000 × 0.2 = 36,000 円で 50,000 円より低いので、請求の上限は 120,000 + 36,000 = 156,000 円です。

よくある質問

施術を受けた後でも、8 日以内なら解除できる?

できます。8 日以内に通知を発すれば、その時に効力が生じます。すでに施術が行われていても、事業者はその対価を請求できません。

都度払いや 1 回きりの施術は対象?

原則は対象外です。コース契約をせず、続けるかを自分で選べる都度払いは、特定継続的役務提供に当たらない契約の繰り返しとされます。ただし、1 回きりでも、関連商品を含めた契約全体の実態から続く役務と判断されれば対象になります。

メールや FAX で送ってもいい?

メールなどの電磁的記録でも送れます。送ったメールの保存や、専用フォームの画面のスクリーンショットなど、証拠を残すことが望ましいとされています。「FAXを用いたクーリング・オフも可能です」(国民生活センター「クーリング・オフ」)。

クレジット払いの時はどうする?

販売会社とクレジット会社に同時に通知します。どちらの記録も、少なくとも 5 年間保管します。

痛み止めや化粧品の代金も戻る?

痛み止めや抗生剤は、美容を目的とする医薬品・医薬部外品に当たらないため、関連商品としての解除の対象にはなりません。化粧品は関連商品に含まれます。ただし、使ってしまった消耗品の分は、クーリングオフの規定が適用されません。

このサイトで次に調べる候補: 美容医療 クーリングオフ できない(クーリングオフができない契約や場合を、申し込む前に知っておきたい人向け)

出典

この記事の数字と事実の出どころは、下の一覧にまとめています。

  1. 特定商取引に関する法律 第48条(e-Gov). https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=351AC0000000057;article=48
  2. 特定商取引に関する法律施行令 別表第四 二の項(2026-06-01 施行). https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/351CO0000000295
  3. 特定商取引に関する法律施行規則 第九十一条(2026-05-21 施行). https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/351M50000400089
  4. 特定商取引に関する法律 第49条(e-Gov). https://laws.e-gov.go.jp/api/1/articles;lawId=351AC0000000057;article=49
  5. 消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」. https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/
  6. 国民生活センター「クーリング・オフ」(2022年6月1日更新). https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html
  7. 消費者庁「特定継続的役務提供(美容医療分野)Q&A」(埼玉県掲載の写し). https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/18695/05_1.pdf
  8. 国民生活センター『PIO-NET』「美容医療サービス」相談件数 2026年7月31日更新. https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/biyo.html
  9. 国民生活センター「増加する美容医療サービスのトラブル」2023年8月30日. https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20230830_1.html
  10. 佐藤吾郎(2019)「医療分野における競争法と消費者」日本経済法学会年報 40: 77-92. https://doi.org/10.69289/jael.40.0_77
  11. 今城茜・田村久美(2020)「若年層の美容医療・エステティックサービストラブルの未然防止につながる消費者教育教材の制作 -成年年齢引下げに対応した啓発リーフレット-」消費者教育 40: 243-253. https://doi.org/10.50844/jjace.40.0_243(要旨のみ)
  12. 国民生活センター「PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)」. https://www.kokusen.go.jp/pionet/

この記事は、AI で下書きし、公式の資料と論文で確かめてから公開しています。

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